- 課題
- オフラインでの会社説明会は学生も企業側も負担が大きい
- 自社発信ではなく第三者視点の掘り下げをもとに動画コンテンツを作成したい
- 導入の決め手
- 学生が就活において動画を活用する傾向に転じていた
- 社内で会社説明会動画の作成の話が進んでいた
- 動画からの選考遷移率が他媒体より高くなった
- 得られた成果
- 他のルートでは出会えない学生にリーチできた
- 動画を通じて採用ブランディングを変えられた
「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」というパーパスのもと、メディアや広告、ゲーム、AI、DXなど幅広い事業を展開されているサイバーエージェント。インターネットから軸足をぶらさず、「IT×○○」の事業を多角展開することで成長し続けています。
そんな同社の人材採用戦略やワンキャリアの活用法について、株式会社サイバーエージェント 新卒採用人事の田内 貴大さんにお話を聞きました。
求めているのは、社内で育って活躍し、社内で事業を作る人材
――幅広い事業を展開されているサイバーエージェントですが、採用戦略を含めて中長期のビジョンを教えてください。

大きく2つあり、一つは「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンの実現です。世界中の人が当社のサービスを使っているような世界観を目指しています。
もう一つは、人材輩出企業になること。一般的に人材輩出企業とは、外に出て活躍する人材を輩出する企業のイメージがありますが、弊社の場合は「サイバーエージェントで育って、インターネットを掛け合わせた新しい事業を“社内で”生み出していく人材」を輩出したいと考えています。
そのため、20代はサイバーエージェントで経験を積み、外に出て違うキャリアを築きたいと考えている人ではなく、いつかサイバーエージェントで新規事業を作りたいと考える人が採用ターゲット。加えて、一人ではできないことをみんなでやろうという思いに本気で共感してくれる人を採用するようにしています。
今の時代、特にITの領域は一人でもビジネスができますよね。でも、どんなに天才でも一人でABEMAを作れるかといえば難しいでしょう。一度きりの人生だからこそ、大きなインパクトをチームで生み出したい人に仲間になってもらいたいと考えています。
――サイバーエージェントは新卒だけでなく、中途採用もされています。両者はどう位置付けていますか?
中途は即戦力、新卒はポテンシャルで採用していますが、新卒でも1年目から即戦力として活躍できるよう、内定者をサイバーエージェント0年目として育成しています。
そのための採用基準は「素直でいい人」です。変化の激しい業界なので、変化に柔軟に対応でき、個人の考えに固執しすぎず、世の中にアンテナを立てて、チームで成果を出せるような人材を見極めています。
個人的には、素直に「自分はこれをやりたいです」と発信して行動できる人、自分の考えにこだわりすぎず、仲間からの意見やアドバイスを素直に受け止めて、自分を成長させられる人、もしくはそういう行動ができる素直さを持つ人がいいなと思っています。
――素直さと行動力。それはエントリーシートや面接からどのように見極めるのでしょうか?
サイバーエージェントはエントリーシートがなく、グループディスカッションからスタートします。すると、あまり意見は言わないけれど優秀そうな人に質問を投げかける人や、周りの人が意見をしやすいように誰かのアイデアを賞賛する人など、自分らしさを素直に出して行動できる人が見えてくるんです。
学生時代は個の能力が評価されますが、社会に出ると個の成果よりチームで大きな成果を出せる人が評価されますよね。それをグループディスカッションで見極めながら、面接で「チームで何か成果を出したことはありますか」「その成果に対して、自分はどんな強みを生かせましたか」といった会話をするようにしています。
ワンキャリアなら、自力では獲得できない母集団にもアプローチできる

――サイバーエージェントは初期の頃からワンキャリアを導入されていますが、導入に至った経緯を教えてください。
人材領域の強者がずっと変わらなかった中で、ワンキャリアは動画を活用して市場を一気に変えたと思うんですね。その様子を見て、ぜひご一緒したいと思ったのと、近年、学生は動画をよく見る傾向にあるので、ワンキャリアの活用は我々にとってチャンスでした。
また導入の同時期に、社内で動画の会社説明会を始めていたという背景もあります。会議室に学生を集めて説明会を開催し、学生がエントリーして後日選考をするのは、会社と学生の双方にとって負担でしかありません。だから、会社説明会の動画を見てもらって選考会に来てもらうプロセスに変えました。これもワンキャリアとマッチした要因です。
――社内で動画コンテンツが作れるにもかかわらず、ワンキャリアにご依頼いただいた理由を教えてください。
自社からの発信は、自分で自分の魅力を語ることになりますよね。ワンキャリアは第三者視点で魅力を深掘って下さるのが圧倒的なメリットです。動画のクオリティが高く、オンライン動画説明会ではプロのフリーアナウンサーがインタビューをするなど、他にはないサービスだと思っています。
それから、自社の企画では獲得できない母集団へのアプローチができるのもワンキャリアを活用する理由です。
たとえば、日系大手や外資に興味を持つ学生に自力でアプローチするのは難しいですが、ワンキャリアで日系大手と外資とのクロストーク動画に出演させてもらうと、「大手や外資に興味があったけれど、サイバーエージェントにも興味を持ちました」という偶発的な出会いが生まれるんです。これはとても大きなメリットですね。
説明会から選考に進む遷移率が圧倒的に高い

――ワンキャリアを活用して、どのような成果を得られていますか?
ワンキャリアは、会社説明会動画から選考に進む遷移率が他媒体に比べると圧倒的に高いと実感しています。選考に進まないと何も始まらないので、遷移率が高いのはとてもありがたいです。
また、優秀層にリーチできる可能性が高いことも成果につながっています。一定数、“非常に優秀だけど就職活動をあまりしていない学生”がいるのですが、彼ら彼女らもなぜかワンキャリアは見ているんですよね。だから他のルートでは出会えなかった優秀層に出会うチャンスが多いなと思います。
採用ブランディングを変更する際も、ワンキャリアの動画は大きく貢献してくれました。5年前まで、「内定者社長になれます」「入社1年目から新規事業を持てます」というブランディングをしていたのですが、よりインパクトの大きな事業を創出するために「3年程度、既存事業の修羅場を経験してもらう」というブランディングに変えたんですね。
ただ、以前のイメージが根強かったため、自社でいろんな取り組みをするものの、ブランディング変更はなかなかうまくいきませんでした。そんな中、ワンキャリアのさまざまな動画コンテンツに出演させてもらううちに、新しい採用ブランディングが定着しました。
――今後のワンキャリアへの期待や改善点があれば教えてください。
学生への打ち出し方や訴求の仕方は、時代の変化に合わせてアグレッシブに変えていく必要があると思っています。それを自社で考えるのはもちろんですが、第三者であるワンキャリアと一緒に考えながら変えていけたら嬉しいです。
また、採用チームが数万人の学生全員と何度も会うのは限界があるので、ワンキャリアと一緒にたくさんの動画を作ることで、「サイバーエージェントの社員には2人しか会っていないけれど、10人に会った感じがする」という状態を作りたいと考えています。イベントや動画の企画から一緒に考え、自社のYouTubeとのコラボレーションなども検討しながら、クオリティの高い動画コンテンツをたくさん作っていきましょう。
