- 課題
- コロナ禍以降就活イベントがオンライン開催となり、学内説明会でも学生が集まらなかった
- BtoB企業として大手運営のイベントだと大手企業や人気企業に流れるため参加しても学生と接点が持ちづらい
- 数社出店の小規模イベントの場合学生との接点は持てるがオンライン開催が主体で自社のニーズに合わなかった
- 導入の決め手
- 数十社が集まるオフラインでの合同企業説明会を開催していた
- Z世代がよく利用する就活メディアとして認知していた
- 得られた成果
- 10名ほどの学生と直接の接点を持つことができた
- 合同企業説明会経由で出会った学生が2名内定承諾につながった
“モノづくり、コトづくり”を通して、より安全で便利な社会のインフラを支える、沖電気工業株式会社(以下OKI)。IoTやAIといったデジタル技術とものづくりの技術を強みとし、交通やインフラ、防災などの様々な社会課題の解決に取り組んでいます。
そのOKIにおける採用戦略の立案および施策推進を担当している株式会社OKIプロサーブのリクルート推進部戦略企画チームのマネージャーを務めている森和也さんにお話を聞きました。
求めるのは激動の時代に対応できる「前向き×多様性」を持った人材
――まず貴社の紹介についてお願いします。
OKIは、金融機関・コンビニエンスストアなどのATM、電話交換システム、鉄道や空港のチケット発券システムやチェックインシステム、道路交通のVICSシステムや空港の航空管制システムといった、社会インフラに欠くことのできないシステムや機器の開発を担っています。
こうした決して止まることが許されないミッションクリティカルな製品やシステム開発を支えるOKIの強み「タフネス」を活かして、社会インフラの老朽化問題や自然災害・環境問題、労働力不足、働き方改革といったさまざまな社会課題への解決策を提供しています。
OKIプロサーブは、OKIグループの人事総務や経理といった共通業務を担うシェアードサービス会社です。
私の所属するリクルート推進部では、OKIの新卒採用に関して、求人募集から選考オペレーション、内定式や入社式といったイベント対応までの一連の業務を受託運営しています。
さらに、グループ会社の新卒採用も、各社の採用担当と連携しながらグループ一体となって業務を進めています。
――求める人材像はありますか。
一例を挙げるとすると、自ら問題を発見し、周囲を巻き込んで解決に向けて最後まで取り組める人材ですね。それらも含む「前向き×多様性」というキーワードを体現するような学生にOKIを知ってもらい、選んでいただきたいと考えています。
OKIは官公庁や金融機関といった大規模クライアントへの対応も多く、依頼された製品を過不足なく製造することで成長してきました。一方で、近年は社会課題が複雑化し、未来を見通せない状況になっています。
そんな不確実性が増す現代において、OKIも従来のような依頼されたものを納品するだけでなく、クライアントとともに将来の課題を探し、それをともに解決していくようなスタイルに変わらなければなりません。

Cap:私たちの安心安全な日常生活を、数多くのOKI製品が支えている
採用を担当している私たちも、求める人材を採用するため、市場動向や現状課題を整理し、OKIの採用があるべき姿の実現に向けて、これまでの手法に捉われない新しい採用手法を取り入れた中長期的な採用戦略の策定・実行にチャンレジしています。
ワンキャリアの合同説明会に出展を決めた理由
――今年3月にはワンキャリアの合同説明会にも出展されました。ワンキャリアを知ったきっかけを教えてください。
仕事柄、様々な会社の取り組みや学生の動向を定期的に調査することがよくあり、その中でワンキャリアという名前を耳にすることが増えてきたのがきっかけですね。
実際にZ世代は口コミで企業の情報を得ながら就職活動を進めているため、そのスタイルに合致するワンキャリアに興味を持つようになりました。
合同説明会には、学生と接する機会を増やすことを目的に出展しました。
私たちはこれまで、各大学で行われている学内説明会に参加することで学生たちとの接点を持ってきました。
ところが、コロナ禍以降は就活イベントの多くがオンラインで開催されるようになり、参加した学内説明会にも学生が集まらなくなってきていました。

合同説明会への出展を提案いただいたのは、学生と直接関わる機会が減りつつある課題を抱える中で、いかにターゲットの学生との接点を増やせるかと試行錯誤していたタイミングでもありました。
Z世代の就活スタイルとも合致しているワンキャリアの開催で、しかもオフラインの説明会だったこともあって、弊社としても新たなチャレンジのつもりで出展を決めました。
――似たようなご提案は他社からもあったと思います。そのなかでワンキャリアを選んだ理由を教えてください。
やはりZ世代の学生がよく利用する就活メディアとして、よく名前を聞いていたことが大きいですね。
加えて、私たちのターゲットとワンキャリアのユーザー層が合致するのではないか、という期待もありました。
実際のところ、就活イベントは多くの企業が開催していますが、弊社のニーズに合うイベントは決して多くありません。
例えば大手人材・広告企業が主催するイベントには数百社が出展します。
そうすると多くの学生は大手企業や人気企業に流れてしまうため、私たちのようなBtoB企業は、コストパフォーマンスの観点から出展するのが難しくなっています。
一方で、数社だけの出展で学生が全企業の説明会に参加する小規模イベントもあります。
その場合はほかの参加企業のブランド力を借りるような形で自社の説明会に集客でき、ある程度ターゲットも絞れます。
ところが、調べてみると小規模イベントはもオンライン主体になりつつあり、学生とオフラインで直接接点を持ちたい私たちの希望とは合致していませんでした。
そんな中でワンキャリアから提案されたのが、数十社が出展するオフラインでの合同説明会です。
効果こそ実際に出展しなければわかりませんが、他社から提案いただいたイベントと照らし合わせても、私たちのニーズを最も満たしていたと考えて出展を決めています。
社名を知らなかった学生が内定者になる
――実際に合同説明会に出展してみた印象を聞かせてください。
多くの学生が来場してワンキャリアの集客力の高さとともに、実際に学生を自社ブースに引き込む難しさも同時に肌で感じました。
ただ、10名ほどの学生と直接接点を持ち、その中から2名の内定者が出たことは大きな収穫でした。
今回はトライアルという位置づけでもあったため、接点を持った人数や実際に応募に繋がった人数などで細かな目標は設けていませんが、話を聞きに来てくれた学生がいて、結果として応募や内定に繋がった点は非常に良かったと考えています。
あとはオフラインの良さを再確認しましたね。
オンラインでの合同説明会にもメリットはありますが、カメラをオフにしている相手の表情はわかりませんし、学生は意中の企業以外の説明は聞かなかったり、もしかしたら寝癖がついたまま参加していたりするかもしれません。
相手の表情がわからないと話がしっかり伝わっているかどうか、熱が届いているかどうかも判断できませんから、一方的な説明に終始してしまいがちという懸念もあります。
一方、オフラインでは直接対話することで質の高いコミュニケーションとなるほか、偶然の出会いなど様々な可能性があるはずです。

想像になりますが、おそらく2名の内定者も合同説明会に参加するまでは、OKIという名前も知らなかったと思います。それでも説明会に参加した多くの学生の中に、OKIに興味を持ってブースを訪れてくれる学生がいると知れたことは、オフラインの醍醐味だと感じました。
内定者のひとりは説明会への参加後すぐに応募してくれたそうです。双方向のコミュニケーションが取れるため、OKIという社名を知ってもらうだけでなく、企業と学生で考えや価値観のすり合わせができました。また、合同説明会によって選考に参加したいという動機も高まったのではないでしょうか。
かつてのように、企業が学生を選ぶというスタンスで臨んでいたら、現代の就活で生き残るのは難しいでしょう。かといって、学生から選ばれる企業になろうと、都合のいいことだけを伝えていても問題です。
やはり実情を隠すことなく伝え、互いにすり合わせをしていくことが大切です。弊社では数年前から、リラックスした雰囲気で話し合って相互理解を深めるカジュアル面談を続けていたので、その経験やノウハウも生かされたのかもしれません。
――久しぶりとなるオフラインでの合同説明会の際に準備したものはありますか。
服装、プロジェクターといった使用機器なども含め、スマートさを徹底することですね。
例えば、ブースを訪れる学生がいなくても、ただ座っているだけになるのは避けていました。
手前味噌で恐縮ですが、弊社は多くの学生が関心を持っている初任給などを含めた福利厚生や環境面では、人気企業にも引けを取らないと自負しています。
そのため、学生と直接接することでより多くの情報を伝えられ、ブースでの雰囲気や接し方、説明会後のアフターフォローなどで違いを生み出せるのではないかと考えていました。
――最後に、ワンキャリアに対する今後の期待を聞かせてください。
理系学生、特に「リケジョ」と呼ばれる理系女子への認知度拡大を目指しているため、そのための支援や協力いただけることがあれば、イベント出展やメディア露出などを含めてぜひお願いしたいと考えています。
弊社はものづくり企業として、今後も採用は理系人材が中心になってくると思います。
とはいえ、学生全体の文理の割合では理系は少数派。理系人材の採用を望んでいるにも関わらず、当の理系人材からの応募は減少しているという課題があります。
加えて、これまでも理系向けのオンライン説明会は特に難しさを感じていました。
理系学生の就活のタイミングがより早まっていることもあり、今回出展した合同説明会のように、就活後半戦となる3月頃に理系学生との接点を持てる機会があれば嬉しいですね。
ワンキャリアの持つ強みによって、OKIを中心とするOKIグループの課題が解決できれば、まさにWin-Winです。
「採用課題を教えてください」と聞いていただけたら何でも答えますので、これからもワンキャリアと良い関係を築いていけることを期待しています。
