- 課題
- 中期経営計画を見据えて多様な人材確保が必要だった
- 従来通りの採用を行うのではなく、自社に興味を持ってくれる学生に対して直接アプローチをしたかった
- 導入の決め手
- ターゲットへのアプローチのしやすさ
- システムの機能だけで終わりではなく、担当者のフォローもあった
- 担当者の熱意や行動力が高かった
- 得られた成果
- 本選考直前でイベント参加28人、7人が内々定を承諾
- 受諾から選考の誘引効果が高かった
「『三方よし』で地域を幸せにする」というパーパスを掲げる滋賀銀行。
琵琶湖畔に本拠を置く企業の社会的使命として、サステナブルな地域社会の実現を目指して、これまでの金融の枠にとらわれず、環境対応型金融商品やサービスの開発、100%出資のエネルギー事業会社の設立などを通じ、新たな価値創造に取り組んでいます。
今回は滋賀銀行におけるワンキャリアのサービス活用について、同行の松井さんと杉浦さんにお話を伺いました。
【課題】中期経営計画を見据えた多様な人材確保が必要だった
――貴行が抱えていた採用課題を教えてください。
松井さん:多様な人材を採用する重要度が高まり、就職活動開始時点で銀行志望ではない学生へのアプローチが必要になったことです。弊行では「Bank」の発想の枠を超えて「Company」になるとの思いを込めて、お客さま・地域の未来をデザインする「Sustainability Design Company」をビジョンに掲げ、第8次中期経営計画に取り組んでいます。
そのようななか銀行を超えたサービスを提供するためには、銀行にあった人材を採用するだけでなく、人間的な魅力や素質を備えたより多様な人材を採用する必要があると考えていました。
しかし従来通り、滋賀県や京都府出身で銀行に興味を持っている学生の採用を実施していると、多様な人材を採用することができません。
これまでと同様の採用を行うのであれば、既存のサービスで問題はありませんでしたが、より多様な人材を採用するために、銀行志望ではないものの、当行に興味を持ってくれる可能性のある学生に対して、アプローチをしていきたいという考えがありました。
【導入背景】ターゲットへのアプローチのしやすさと営業担当の熱意にひかれた
――サービス導入前、ワンキャリアにはどのような印象を抱いていましたか。

杉浦さん:学生が就職活動時に利用しているサービスとしてワンキャリアは最大手の次によく名前が挙がっていました。多くの学生がサイトや投稿されたクチコミを見ながら就活をしていると耳にし、興味を持っていたので、非常にいいご縁だったと思います。
今年2月から運用を開始してみると、学生にとって欲しい情報がダイレクトに届き、レイアウトも見やすく、情報が整理されていることもわかりました。情報が溢れているというより、整理された情報から必要なものをピックアップできるところが人気なのだろうと、使いながら感じましたね。タイムパフォーマンスを重視する層をはじめ、多くの学生から人気を得ている理由を実感しました。
―最終的に他社の競合サービスではなく、ワンキャリアを導入した理由を教えてください。
松井さん:理由は2つあります。まずターゲットの学生に対するアプローチのしやすさですね。ターゲットの検索に関して、ワンキャリアの機能は当行と親和性が非常に高かったと考えています。
もう1つの理由は、制度だけでなく運用までカバーしているところでした。人事部の人なら理解してもらえると思いますが、人事制度においてもいくら良い制度を整えたところで、その制度の運用がうまくいかなければ意味はありません。
それはダイレクトリクルーティングでも同じと思っています。いくらシステムが高機能だとしても、担当者との相性が悪かったり、フォローがなかったりすると、効果は上がりません。
そのため、サービス導入には営業担当者の魅力も考慮していました。ちなみに、担当者の魅力は知識だけではなく、「熱意」や「行動力」も見ていました。ワンキャリアの担当者の方には非常に熱心にサービスを説明していただき、提案の際も私たちの意図をしっかり汲み取ってもらえました。
杉浦さん:ワンキャリアは、他社サービスに比べて、営業担当者はもちろん、専属のカスタマーサクセス担当の方が丁寧に導入をサポートしてくださり、本当にありがたかったです。
【導入後の活用方法①】高校名検索での滋賀県・京都府にゆかりのある学生の絞り込み
――スカウト機能活用時、どのような設定で運用をしていたのでしょうか。

松井さん:ワンキャリアは学生の出身高校まで検索できることもあり、その中でも滋賀県と京都府の出身者に優先的に送っています。実際、ワンキャリアを導入したのは検索性の高さが一因でした。
例えば、出身高校の検索機能は今のところワンキャリアのみのサービスのようで、メールを受け取る学生からしても自身のプロフィールを見てスカウトを送ってもらえているという実感があったのかも知れません。
地方銀行はありがたいことに、地元在住者から志望してもらいやすい環境にあります。滋賀県・京都府出身ながら他府県に進学した学生や、メガバンク・大手商社などを志望する優秀な学生を採用すべく、スカウトを活用させてもらいました。
【導入後の活用方法②】カスタマーサクセスのサポートにより学生プロフィールに沿ったスカウトメールを作成
――スカウトメールを送る際、開封率を上げるための工夫などはありましたか。
杉浦さん:2026年卒業の学生向けでは送信代行を利用していたこともあり、正直なところメールのタイトルもワンキャリアの担当者に考えてもらうことが多かったですね。
ただ、スカウトメールの本文には学生独自の情報などを入れ、メールを受諾した学生に対しては、インターンシップや自社セミナー、座談会などの案内をしていました。
イベントに参加してくれた学生には、採用担当と1対1の面談をセットで実施するといった工夫もしていました。
就活生には数多くの企業から連絡が届き、その多くはテンプレートな内容であるため、読まれずに削除されることがほとんどだと言います。しかし、似たような文章が多いなかで、メールで学生自身の情報に触れられていれば、「ちょっと読んでみようかな」と思う学生が多いと、ワンキャリアの担当者からのアドバイスを受けて実践していました。
【導入後の成果】本選考直前でイベント参加28人、7人が内々定を承諾
――スカウトメールの受諾から、どれくらいの学生がイベントに参加したのでしょうか。
杉浦さん:サービス導入のタイミングは2026年卒業学生向けの本選考直前でしたが、スカウトを受諾してくれた学生は61人いて、そのうちの28人に参加してもらえました。
61人のうち、エントリーシートを提出した学生は39人のため、受諾から選考への誘引効果は高かったと言えますね。最終的に2026年卒におけるワンキャリア経由の内々定者は17人で、内々定承諾は7人でした。
松井さん:導入時点ではワンキャリア経由の内々定者が2人未満の場合は、サービスの契約継続を再検討しようと考えていました。
結果として内々定承諾者7人は想定以上の効果で驚きました。150人ほどの採用人数のうち、7人は全体の5%弱であり、優秀な学生を採用できたと考えると、費用対効果は非常に高かったと考えています。
――ワンキャリア経由で応募した学生の特徴はありますか。
杉浦さん:思いのほか、就活を本格的にスタートしている学生は多くありませんでしたね。
ほかにも、一度就活を終えて再び業界研究をはじめていた学生もいて、図らずも本選考直前にスカウトメールを送ったことが効果的だったとも言えそうです。メールを送ってから、エントリーシートの受付、面接、内々定まで、1ヶ月ほどで完結した学生もいました。
スピーディーな対応とともに、内々定を出した学生全員と翌週には1対1での面談を設定し、インターンシップやセミナーでは伝えきれなかったことや面接、適性テストのフィードバックを伝えたことも、内々定承諾の高さにつながったポイントではないかと考えています。
――実際にワンキャリアを利用後の評価をお聞かせください。
松井さん:人材確保が難しい時代において、エージェント型採用や他社サービスを導入してきましたが、上手く活用できていなかったと思います。弊行の採用担当者が変わるタイミングもあり、改めて利用サービスを見直すなかで、戦略的にワンキャリアのサービスを活用できたことが費用対効果の高さにつながったと言えるかもしれません。
杉浦さん:カスタマーサクセスの方には、何から何までサポートしていただいたことも印象的でしたね。サービスの使い方はもちろんのこと、メールの文面や求人掲載の打ち出し方を1つひとつ丁寧に教えていただいて非常に助かりました。やめるという考えは一度も頭をよぎりませんでした。
――最後に、ワンキャリアへの期待があれば教えてください。
杉浦さん:カスタマーサクセスの方にはサービスの使い方はもちろんのこと、単純な操作説明にとどまらず、弊行の採用方針やターゲットに合わせたアドバイスをいただけたことで安心して運用を進めることができました。ありがとうございました。
松井さん:今後は送信代行のサポートの際に、一人ひとりのプロフィールに合ったコメントを盛り込めたらより効果が上がるのではないかと思っています。引き続きワンキャリアの担当者からの熱意ある提案を楽しみにしています。笑
