- 課題
- 就職先として学生から認知されていなかった
- 「堅そう」「男社会」といったイメージを持たれがちだった
- 優秀な学生へのアプローチを強化したかった
- 導入の決め手
- 内定者や新卒社員のほとんどがユーザーだった
- 説明会動画を通じて企業理解を促進できそうだった
- 自社で動画を制作するよりも、魅力を引き出してくれそうだった
- 得られた成果
- 本選考のエントリー数が昨年から10%増えた
- 企業理解をした上で選考に進む学生が増えた
- クチコミが増え、社風・事業・選考のイメージがつきやすくなった
首都高速道路株式会社は、首都圏の大動脈を建設・維持・管理するインフラ企業です。働きやすい環境を整え、社員もフレンドリーな方が多いのですが、そのことが学生には伝わっておらず、むしろ「堅い」「忙しそう」といったネガティブなイメージを持たれがちだったそうです。
そんなネガティブイメージの払拭や母集団の拡充を図ろうと、同社が導入したのが「ワンキャリ企業説明会」をはじめとするONE CAREERのサービスでした。導入の手応えを、採用担当の小野さんと藤井さんに聞きました。
母集団形成と「誤解」の払拭が課題だった
──ONE CAREERを利用する前は、どんなことにお悩みでしたか?
小野さん:求人の広報が足りておらず、母集団形成が課題でした。大手のサービスをナビサイトとして利用していましたが、他のサービスも活用して、さらに多くの学生さんにアプローチしたいなと。アピールの場は会社単独のオンライン説明会や学内セミナーぐらいでした。伝える機会が少なく、同じような説明しかできていなかったので、新しい環境・媒体で伝えられたらという思いでした。YouTubeをはじめとする各媒体やSNSの活用も検討していました。

藤井さん:私が就職活動をしていた頃、「首都高は採用活動にあまり活発じゃないな」という印象でした。当社のことを初めからチェックしていたわけではなく、偶然ナビサイトの「あなたへのおススメ」で出てきて、「首都高って会社なんだ……」と知ったぐらいです。
小野さん:企業理解の面でも壁がありました。学生からすると「この会社の人たちって、黄色いパトロールカーに乗るのかな」「料金所の人かな」というイメージしかないようでした。また、「堅い」「汚い」「男社会」などとネガティブな方向に誤解されることも多くて。実際は非常に働きやすく、フレンドリーな社員が多い会社なので、そういう印象を払拭していきたいと思っていました。
――ONE CAREERの印象や期待はいかがでしたか?
小野さん:“就活のプロ”である内定者や、直近まで就活していた新卒の新人からヒアリングした結果、100%近くがONE CAREERを利用していました。「ONE CAREERのYouTubeで企業研究していました」という声を多く聞いていたので、もっとアプローチできると思えました。
動画では自社で企画するよりも多くの視聴が見込めそうで、洗練されたデザインで学生受けが良さそうだったのも大きいですね。大手志向の皆さんが使っていることは知っていて、優秀な学生に接触したかった当社としても魅力的なサービスでした。
司会との生のやりとりで、社員の人間味が伝わる
――求人広告掲載や動画配信でONE CAREERを利用していただいています。動画の「ワンキャリ企業説明会」はどのように活用されましたか?
小野さん:エントリー済みの学生さんに動画のURLを送って見てもらったり、インターンやイベントの合間にアーカイブを流したりと、興味を持っていただいた学生さんの目に触れるようにしています。エントリーしても、インターンや本選考が始まるまでの間に、興味をなくしてしまうこともあります。その意味で動画は接点の1つになりましたね。

――実際に出演されていかがでしたか?
小野さん:やはり雰囲気まで伝えられるというのが、動画の強みだなと感じました。司会の方が企業の特色に合わせて深掘りし、学生目線の質問をしてくださるので、うまく引き出してもらえました。採用担当者だけで、会社側の勝手な思いを伝えるのとは違います。
藤井さん:一回目の出演は緊張しますが、準備した内容を話すという感じではありません。学生さんには本音といいますか、その瞬間に思ったことを話していると理解してもらえるはずです。
小野さん:うまく話せなかったとしても、司会の方がうまくフォローしてくださるので助かります。
藤井さん:しゃべり慣れてない人でも大丈夫だなと。緊張していても逆に人間味があることが伝わりますし、「首都高って意外と堅くなくて、私でも入れるかな」と思ってくれる学生さんが増えるんじゃないかなと期待が持てました。

――藤井さんは業界別の企画に登壇くださいました。
藤井さん:インフラ業界トーク(現:動画版業界地図「インフラ業界編」)に出演し、動画を見た学生から直接「鉄道会社を検討していたけれど首都高が気になるようになった」といったコメントをもらいました。母集団の形成にも寄与していると思います。他社さんがどんな気持ちで採用しているのかも知ることができて有意義でした。
「動画→インターン→本選考」の流れでエントリー数が10%増
――「動画を見てくれているな」という感触はありますか?
藤井さん:動画を見ていただいて、当社について理解した上で面接に進む学生さんの割合は高いなと感じています。ONE CAREERユーザーの多くは企業研究で動画を視聴していると思うので、選考が進んでも残っている学生さんの質は、おのずと高くなっていると思います。
小野さん:以前よりも、企業研究をされている学生さんが増えたという実感がありますね。肌感覚ですが、最終面接に残った学生さんや内定者の半分ほどは動画を見てくれていました。
本選考のエントリー数も前年比で110%を達成しました。昨年は新しいコンテンツを次々導入したので、ワンキャリ企業説明会だけの効果とは言えないものの、一助にはなっています。
――インターンシップに力を入れていらっしゃいますが、動画との連動はいかがでしたか?
小野さん:昨年は初めて夏のインターンシップを企画して、冬は数年ぶりに現場でのインターンも実施しました。その際に、インターンの応募時期が重なるように、ワンキャリ企業説明会の配信時期を調整しました。年間の採用計画に動画をうまく絡めることで、インターンとその後の本選考の応募につながったと感じています。

学生のクチコミを参考に、採用イベントの改善につなげていきたい
――動画以外を含め、ONE CAREERを導入した効果を実感されていることはありますか?
小野さん:学生さんにはもちろん、私たちにとってもクチコミが非常に参考になっています。学生さんの生の声が分かることで、例えばインターンの進め方で「これは良かった」「こう改善しよう」と次につながります。学生さんから「インターンのグループワークのフィードバックが良かった」というクチコミがあった時、フィードバックは重視しているので、とてもうれしかったですね。
藤井さん:私も就活生だった頃にONE CAREERを利用し、特に内定者のエントリーシートは重宝していました。当時はゼロでしたが、最近では首都高速道路のクチコミも増え、インターンや選考のイメージがつきやすくなっていると思います。その意味で選考のハードルが下がってくれていたらな、と期待しています。
小野さん:インターンや本選考を通して感じる変化は、多くの学生さんと出会えるようになったということです。イメージ面でも大きく、「ONE CAREERに載っていますね」「見ましたよ」「採用に力を入れてますね」という声を多くいただきます。お声をいただくたびに、やりがいを感じます。
――今後は何に力を入れたいですか?
小野さん:女性のエントリー数が課題です。当社には、道路に直接関連する事業はもちろん、商品開発や新規事業の提案など女性の活躍の場が多くありますが、まだ十分に伝えられてはいません。女性向けの動画やイベントなど、女性にアプローチできるサービスを活用していきたいです。
藤井さん:「インフラ企業って忙しそう」「休みづらいんじゃないか」と思われがちですが、そんなことはありません。育休産休や休暇も取りやすく、転勤がないのでライフプランが立てやすい特徴もあります。自分の仕事が形に残る、暮らしを支えるというやりがいも大きいです。こうした点も伝えていけたらと思っています。
小野さん:道路を計画するというのは楽しい仕事です。まちを変え、数十年単位で未来を描きます。高い技術力を誇る現場があるのが当社の大きな魅力なので、道路の現場を見てもらい、社会貢献性の高さやインパクトを実感してもらえる企画を多く用意したいです。

