- 課題
- 「安定志向の大企業」「関西のメーカー」という企業イメージが先行し、求めていたビジネス志向の高い学生の応募が少なかった。
- 大阪本社のため関西の学生との接点は多かったが、関東の学生との接点が不十分だった。
- 導入の決め手
- 担当者が元ユーザーであり、学生からの信頼と発信力に確信があったこと。
- 関東圏をはじめ、今まで会えていなかった層の学生に幅広くアプローチできること。
- 記事や動画など、効果的な採用広報コンテンツを提供できること。
- 得られた成果
- 入社者の関東:関西の比率が4:6から6:4へ逆転した。
- 採用活動を早期化でき、ビジネス志向の高い学生との接点が増えた。
世界的な総合空調専業企業であるダイキン工業。しかし、「機械メーカー」「関西の大企業」に対して学生に抱かれるイメージから、「自身でビジネスを切り開く学生」に出会う機会は多くありませんでした。そこで、同社はONE CAREERへの求人掲載、YouTube説明会「ワンキャリアライブ」を活用。早期層や関東・東京エリアの学生へのリーチを強化しました。今回は、人事本部採用グループの伊藤 淳さんに、ONE CAREERの導入背景や導入後の成果などを伺いました。
きっかけは「自分も使っていたから」。“関西の機械メーカー”という認知の変容へ挑戦

──ONE CAREERを知ったきっかけを教えてください。
伊藤さん:実は私自身が大学生時代にONE CAREERのユーザーでした(笑)。就職活動のときには、ONE CAREERのコンテンツを使って選考対策を練ったり、体験談をエントリーシート記入の参考にしたりしていました。大手の就活ナビサイトよりも学生が知りたい情報を探しやすく、就活をする上でのメイン媒体として利用していましたね。
──ありがとうございます!その後、今度は採用担当としてONE CAREERをご利用いただいていますが、どのような経緯があったのでしょうか?
伊藤さん:2019年4月にダイキン工業に新卒入社したのですが、初期配属が採用担当でした。そこで最初に与えられたミッションが「学生目線を活かして、新卒学生へ当社の認知を広げること」だったんです。予算には限りがあるので、どの媒体に注力して投資するかが重要なポイントでしたが、そこでONE CAREERを活用できないかと進言しました。
──なるほど。まずはその認知について、当時抱えていた課題を教えてください。
伊藤さん:ダイキン工業には「関西の機械メーカー」「ルームエアコンのメーカー」というイメージが定着してました。一方、ダイキンは日本でも屈指のグローバル企業であり、ベンチャー企業とも協業し新たなビジネス創出に取り組んでいます。会社としての採用のターゲットは「組織を巻き込んで自らビジネスを切り開く学生」であったので、求める人材像と企業イメージに大きなギャップがありました。
当社は採用ターゲットやメッセージは明確でしたが、それを広報する手段が当時は少なかったんですね。リクルーター面談などによる訴求も行っていましたが、やはり上流の母集団形成から認知の拡大、そして採用ブランドの変容を行っていく必要がありました。
──そこでONE CAREERを社内で提案した理由は何だったのでしょう。
伊藤さん:ユーザーとしても感じていたメディアとしてのターゲティングのしやすさ、そして発信力の高さです。ターゲットとしているビジネス志向の高い学生が多く利用しており、かつ当社がリーチできていない関東圏の学生の登録率も高いサービスという点がマッチしました。
さらにもう一つ、新型コロナウイルスの感染拡大で2020年3月頃からは学生との初期接点がオンラインになりましたよね。これまで行っていた面談や社員の出身大学・団体への訪問ができなくなってしまい、Web上でダイキン工業のことを知ってもらうためのコンテンツを作らなければいけなくなりました。当社でも独自にWeb説明会動画を作っていたのですが、どうしても堅苦しくなってしまったり、公開しても検索エンジンで上位に表示されなかったりと苦戦していました。そういった背景から、学生からの信頼性が高く訴求力のある、ONE CAREERの記事や動画コンテンツを活用していこうと決めました。
入社者の東日本:西日本の比率が6対4へ逆転。早期化への対応で優秀層との接点も創出
── ONE CAREER導入後の変化について教えてください。
伊藤さん:まず、これまで接触できなかった多くの学生にも興味を持ってもらえるようになりました。先述したように母集団の内訳が関西に偏っていたため、関東の学生へのリーチを増やしたかったのですが、それが改善しました。20年卒の入社者では関東と関西の比率が4対6でしたが、ONE CAREER導入後の21年卒ではそれが逆転して6対4になりました。全国的には関西よりも関東の方が学生の数は多いので、偏りがある程度解消されたと思いますし、全社的に東京拠点の活性化を考えていたタイミングだったので、ONE CAREERの活用で関東の学生にも多く応募いただけるようになったのは、大きな成果だと思っています。また、当社の選抜型インターンの参加者を見ていても、ONE CAREER経由で来られる学生は開拓者精神のある学生が多いなと実感しています。
──23年卒採用については、学部2年の2〜3月という早期から始められたそうですが、何か変化はありましたか?
伊藤さん:正直秘密にしたいくらい効果がありました(笑)。採用活動を早めたことで、かなり質の高い学生を集めることができました。業界軸が定まっていない時期からアプローチしたことで、メーカー業界や当社に対して、例えば冒頭で申し上げたような「関西のメーカー」「安定志向」といった先入観を持つ前に多様な学生と出会えたんです。せっかくONE CAREERに掲載するのであれば早期から使おうと考えたのが奏功しましたね。
“クチコミは最重要KPI” 学生の声が聴けることの採用への価値とは

──ONE CAREERをご利用いただく中で、特にご満足いただけたサービスを教えてください。
伊藤さん:ONE CAREER CLOUD採用計画です。投稿されたクチコミを見て、自社のイベントを学生たちが正直どう感じているのかを受け止めて改善に活かすという形でよく利用していますね。また、採用活動をする中で一番難しい、KPIの設定にも活用できるサービスだと感じています。
──どういうことでしょうか?
伊藤さん:採用の成功を定義するのって、かなり難しいと思うんです。ともすると学歴主義になりかねない部分もあるなと思っています。そんな中で、学生の素直な声で自社の選考やイベントを評価してもらえること、業界内や他業界、あるいは大学別のランキングを閲覧して相対的な自社の立ち位置を把握できることは非常にありがたいです。実際に当社ではクチコミ評価が採用ブランディングの状況を観る最重要指標の一つになっています。もちろん、良いクチコミだけでなく悪いクチコミを書かれることもありますが、貴重な声だと考えて、すべて素直に受け止めることにしています。
──最後に、ONE CAREERに対する今後の期待を教えていただけますか?
伊藤さん:ONE CAREERはサービスが素晴らしいことはもちろんですが、ワンキャリア自体がパーパスを持ったベンチャー企業であるという点を信頼しています。「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションを建前ではなく、真に追及しているからこそ、学生から信頼を得られるサービスを創造することができ、企業としても利用したいサービスが運営できているのだと思っています。ダイキン工業としても、学生さんに企業の様々な側面を知ったうえで、自身にマッチする会社を柔軟に選んでいただくために努力していきたいと考えており、ONE CAREERにはこれからも伴走をしてもらえたらと思います。
