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会社が学生を雇用する際には、さまざまな書類を渡すことになっています。採用通知書や内定通知書などがその代表的な例です。それでは、実際に採用を決めた際にどのような書類を学生に渡す必要があるのでしょうか。 今回は企業の採用担当者に向けて、学生に渡す書類の種類や記載内容について詳しく解説します。また、それぞれの文章をどのタイミングで学生に通知するかについても合わせて確認しましょう。
新卒採用にかかわる通知書の種類

新卒採用の合否結果を書面で通知する書類は「採用通知書」、「内定通知書」、「不採用通知書」の3種類です。以下で3つの書類について詳しく解説します。
採用通知書
採用通知書は、企業側からエントリーした学生に対して、正式に採用する旨を伝える役割があります。採用通知書を採用者へ渡すことにより、他社の採用選考を中止し、入社意思を固めてくれる効果を期待できます。また、応募者の不安を和らげ、電話による口頭連絡で起こりうる認識の相違といったリスクを防ぐメリットもあります。
しかし、採用通知書には法的な拘束力がないため、発行義務はありません。採用通知書は添え状、入社承諾書、返送用封筒と一緒に学生に送付することが一般的です。
内定通知書
内定通知書とは企業がエントリーした学生に対して、内定を通知する書類です。内定とは入社後の雇用契約について合意・成立ができた状態を表します。内定通知書に法的効力はありませんが、内定という労働契約には法的効力があります。そのため、企業が入社日前の内定取り消しを行うためには、特別な理由が必要です。
内定通知書は添え状、内定承諾書、労働条件通知書、返信用封筒を同封して学生に送付します。労働条件通知書とは、賃金や勤務地、契約期間などを学生に提示する資料のことです。内定通知を行い、学生が承諾したことを確認後、採用通知を行う流れが一般的です。採用通知を内定通知書にまとめる企業も多く存在します。
不採用通知書
不採用通知書とは書類選考や面接時の段階で、不採用になったことを学生に通知する書類のことです。不採用にあたって履歴書などの応募書類を返却する必要がある場合は、不採用通知書に同封して応募者に送付します。多くの企業ではトラブル防止や対応スピードを考慮して、通知メールや電話連絡で早めに不採用通知を行うこともあります。
学生に採用通知を出す流れ

通知書の種類についてご紹介しましたが、実際に学生に対して採用通知を行う流れはどうなるのでしょうか。以下で学生に採用通知を出す具体的な流れや、通知方法について解説します。
1.学生に簡易的な様式で連絡
まず、学生に対して電話やメールで内定の連絡を簡易的に行います。その際に、通知書などの書類を送付することを伝えるのが一般的です。なお、メールや電話連絡は面接から1週間以内の午前中に行うことをおすすめします。時間が空くほど内定辞退の可能性が高まるため、学生を安心させる意味でも速やかに送りましょう。
2.内定通知書を発行・郵送
通知書類には問い合わせ先や返送期日も記載して送付します。内定通知に必要な内定承諾書や労働条件通知書などの書類を同封して郵送しましょう。
3.学生が内定承諾書を返送
内定通知をもらった学生が入社の意思があることを企業に返事します。学生側からこの段階で内定を辞退される可能性もあります。
4.採用通知書を発行・郵送
内定を承諾した学生に対し、1週間ほどを目安に採用通知書を郵送します。企業によってはまとめて採用内定通知書として送付することもあります。
採用通知書に記載すべき項目

採用通知の一般的な伝え方をご説明しましたが、学生に対して送付する採用通知書にはどのような内容を記載すべきでしょうか。ここでは採用通知書の記載項目や書き方、注意点についてご紹介します。
日付・学生の氏名
採用通知書には一般的なビジネス文書と同じく、日時と相手の宛名(学生の氏名)を記載します。採用通知書に記載する日付は採用通知書を出した当日で、右上に記入しましょう。学生の敬称には「様」や「殿」を使い、左側に記入します。
社名・代表取締役の氏名
採用通知書の差出人は会社とし、学生の氏名より下側かつ書類の右側に住所や会社名も含めて署名しましょう。代表取締役の氏名の横には押印も行います。
選考の参加のお礼と採用決定のお知らせ
採用通知書にはまず、採用試験に応募・面接に来てくれたことに対する感謝の気持ちを文面に記載します。その後、採用の決定を通知する文章を記載しますが、この時厳正に選考を行ったことを記載すると学生の印象も良くなります。
入社日や労働条件
採用通知書に記載する入社日は新卒採用の場合、4月1日と明示するのが一般的です。採用通知の際は、雇用形態や賃金、就業場所、就業時間などの労働条件を学生に伝えなければならないことになっています。この時の労働条件は求人票に掲載している条件や説明会で伝えた内容と乖離がないようにしましょう。採用通知書とは別に労働条件通知書として同封するケースもあります。
人事担当者の連絡先
最後に、採用通知書には人事担当者の電話番号やメールアドレスを記載します。連絡先をしっかりと記載し、学生からの内定辞退や入社前の相談に対応できるようにすることで採用内定者の信頼度も上がるためおすすめです。
採用通知を理解して自社に最適な人材を採用しましょう

今回は新卒の人材採用をする際に送付する通知書の種類、新卒採用の通知の流れ、採用通知書に記載する項目についてご紹介しました。
通知書には内定通知書、採用通知書、不採用通知書の3種類があり、企業によっては内定通知書と採用通知書をまとめることもあります。また、採用の通知に関しては多くの企業で簡単に電話やメールで学生に採用の旨を伝え、後ほど郵送で通知書を送付することが一般的です。求職者への丁寧な連絡を心がけて安心してもらいつつ、採用通知を上手に活用し内定辞退を未然に防ぐようにしましょう。
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