目次
「オウンドメディアリクルーティングってなに?どんなメリット、デメリットがあるの?」と考えている採用担当者様必見!
本記事では、オウンドメディアリクルーティングのすべてを解説します。メリットやデメリットは当然のこと、オウンドメディアリクルーティングを成功させるポイントや成功事例もご紹介しますので、参考にしてください。
オウンドメディアリクルーティングとは? 意味やその他の採用手法との違いを解説!
まずは、オウンドメディアリクルーティングの基本概念や、その他の採用手法との違いについて見ていきましょう。
オウンドメディアリクルーティングの基本概念
オウンドメディアリクルーティングとは、企業や個人が自ら所有するメディア(オウンドメディア)を活用して求職者に対して企業の情報を発信し、採用活動を行う手法です。
オウンドメディアには具体的に、企業の公式ウェブサイト、ブログ、SNSアカウントなどが含まれます。
この手法では、企業自身が情報の発信者となり、求職者に直接アプローチすることが可能です。
企業のビジョンや文化、働く環境などを自らの言葉で伝えることができるため、求職者とのミスマッチを減らし、企業に適した人材を採用することが目指されます。
求人サイトとの違い
求人サイトは、企業が求人情報を掲載し、求職者がその情報を検索して応募するプラットフォームです。
多くの求職者が利用するため、短期間で多数の応募を集めやすいという利点があります。
しかし、求人サイトでは他社の求人情報と並列に表示されるため、自社の情報が埋もれてしまう可能性もあります。
一方、オウンドメディアリクルーティングでは、企業が独自に情報を発信するため、求職者は企業の詳細な情報を深く理解することができます。
企業の文化やビジョン、具体的な業務内容などを詳しく伝えることで、求職者が自社に対する理解を深めた上で応募してくれる可能性が高まります。
ダイレクトリクルーティングとの違い
ダイレクトリクルーティングは、企業が自ら求職者に直接アプローチして採用活動を行う手法です。
LinkedInやWantedlyなどのプラットフォームを利用して、企業が求めるスキルや経験を持つ人材に対して直接コンタクトを取ることが一般的です。
この方法は、特定のスキルを持つ人材を迅速に採用したい場合に効果的です。
オウンドメディアリクルーティングとの違いは、アプローチの方法にあります。
オウンドメディアリクルーティングは、企業が発信する情報を求職者が自ら探し出し、興味を持ってもらうことを重視します。ダイレクトリクルーティングのように、企業が自ら求職者にアプローチすることはありません。
企業が発信する情報を求職者が探し出すため、オウンドメディアリクルーティングでは企業のビジョンに共感する人材を自然と引き寄せることが可能です。
つまり、ダイレクトリクルーティングが「攻め」の採用手法であるのに対し、オウンドメディアリクルーティングは「引き」の採用手法とも言えます。
人材紹介との違い
オウンドメディアリクルーティングと人材紹介の最大の違いは、「情報の伝達経路」と「コスト構造」です。
人材紹介はエージェント(第三者)が候補者を選定・推薦するため、採用担当者の工数は削減できます。しかし、企業の魅力がエージェントの主観を通して伝わるため、現場のリアルな温度感や細かなニュアンスまでは伝わりにくい点が課題です。また、人材紹介は基本的に成果報酬型のため、大量採用には不向きなコスト構造になっています。
一方、オウンドメディアリクルーティングは、企業が「直接」情報を発信します。第三者のフィルターを通さず、自社の価値観や社員の声をありのままに届けられるため、求職者との深い共感を生み出しやすいのが特徴です。オウンドメディアの制作や運用といった費用は生じますが、作成したコンテンツはWEB上に残り続ける「資産」となり、長期的には採用コストを大きく抑えることが可能です。
オウンドメディアリクルーティングが注目されている3つの背景
オウンドメディアリクルーティングが注目される背景には、現代の採用環境におけるさまざまな変化があります。
特に「働き方や労働価値観の多様化」、「優秀な人材の採用難易度の上昇」、そして「情報収集の方法の多様化」の3つが大きな要因となっています。
働き方や労働価値観が多様化している
近年、働き方や労働価値観に対する意識が大きく変化しており、リモートワークやフレックスタイム制、副業の許可など、多様な働き方が求められています。
これに伴い、求職者は自分のライフスタイルや価値観に合った企業を選ぼうとする傾向が強まっています。
オウンドメディアを活用することで、企業は自社の柔軟な働き方や独自の文化を発信し、求職者に対して自社の魅力を具体的に伝えることができます。
これにより、求職者が自分に合った企業を見つけやすくなり、企業側も適した人材を引き寄せることが可能です。
優秀な人材の採用難易度が上がっている
少子高齢化や技術革新の進展により、特にITや専門技術を持つ優秀な人材の採用がますます難しくなっています。
競争が激化する中で、企業は他社と差別化を図る必要があります。
オウンドメディアを通じて、企業のビジョンや価値観、成長機会などを効果的に伝えることで、求職者に対して魅力的な選択肢であることをアピールできます。
特に、企業文化や働く環境についての詳細な情報を提供することで、求職者の関心を引き、応募を促進することができます。
仕事選びに関する情報収集の方法が増加している
インターネットの普及により、求職者はさまざまな方法で企業情報を収集できるようになりました。
企業の公式ウェブサイトやSNS、ブログ、口コミサイトなど、情報源は多岐にわたります。
オウンドメディアを活用することで、企業は求職者が求める情報をタイムリーかつ正確に提供できます。
これにより、求職者は自分に適した企業を見極めやすくなり、企業側も自社にマッチする人材を効率的に見つけることができます。
オウンドメディアリクルーティングを運用する6つのメリット
オウンドメディアリクルーティングを導入することにより、企業は多くのメリットを享受することができます。
以下、6つのメリットについて解説します。
自社の魅力をより詳しく伝えられる
オウンドメディアは、企業が伝えたい情報を自由に発信できるプラットフォームです。そのため、企業のビジョンやミッション、プロジェクト事例、社員インタビュー、働く環境の紹介など、多様なコンテンツを通じて、求職者に対して企業の魅力を多角的に伝えることができます。
これにより、求職者は企業に対する理解を深め、自分に合った職場かどうかを判断しやすくなります。
採用ミスマッチを減らすことができる
オウンドメディアを通じて企業の詳細な情報を発信することで、求職者は入社前に企業の文化や価値観を理解することができます。
これにより、入社後のミスマッチを防ぎ、早期退職のリスクを軽減することができます。
求職者が企業の理念や働き方に共感した上で応募するため、企業側も自社に適した人材を採用しやすくなります。
自社の認知度が上がる
オウンドメディアリクルーティングの大きなメリットは、これまで接点のなかった層に対して、自社の存在を認知させられる点にあります。
一般的な求人サイトでは、知名度のある大手企業や、給与条件が極めて高い企業に人気が集中しがちです。知名度が低い企業は膨大な求人情報の中に埋もれてしまい、社名すら見つけてもらえないケースも珍しくありません。
しかし、オウンドメディアであれば、キーワード検索やSNSでの拡散を通じて、求職者に見つけてもらう入り口を無数に作ることができます。 例えば、「エンジニア 技術スタック」「若手 裁量権」「フルリモート 働き方」といった、求職者が関心のあるテーマで記事を発信することで、そのトピックに関心がある層が検索経由でサイトに流入します。
記事を読んだ求職者は「こんな面白い取り組みをしている会社があったのか」と認知し、そこから企業自体への興味を持つようになります。単なる「社名の認知」ではなく、自社の強みやカルチャーを理解した上での「質の高い認知」を獲得できるのが、オウンドメディアならではの強みです。
従業員の帰属意識が高まる
オウンドメディアを通じて企業のビジョンや成功事例を発信することは、従業員のモチベーションを高め、帰属意識を強化する効果があります。
社員インタビューやプロジェクトの紹介などを通じて、社内の取り組みや成果を共有することで、従業員は自分の仕事に誇りを持ちやすくなります。
これにより、従業員のエンゲージメントが向上し、離職率の低下にもつながります。
採用コストを削減できる
長期的に考えた場合、一人あたりの採用コストを大幅に削減できる点も、オウンドメディアリクルーティングのメリットの1つです。
例えば、人材紹介では、採用決定者の年収の何%かの手数料が発生します。また、求人広告サイトへの掲載は、採用の成否に関わらず掲載費がかかり続ける「掛け捨て型」のコスト構造になりがちです。毎年何名も採用する企業にとって、これらの外部コストは経営を圧迫する要因になるかもしれません。
一方、オウンドメディアリクルーティングは、サイト構築やコンテンツ制作・人件費といった初期費用はかかりますが、成果報酬のような追加コストは一切かかりません。
また、一度作成したコンテンツはWeb上に残り続け、24時間365日集客を行い続ける「資産」となります。運用を続けてコンテンツが充実するほど、広告費をかけずに自然検索からの流入が増えるため、結果として採用単価は下がっていきます。採用人数が多い企業や、通年採用を行う企業ほど、このコスト削減効果は顕著に現れるでしょう。
潜在層へのアプローチができる
オウンドメディアを活用することで、企業は求人情報を探していない潜在的な求職者にもアプローチすることができます。
ブログ記事やSNS投稿を通じて、企業の文化や価値観、業界内での立ち位置を伝えることで、将来的に就職を考える可能性のある人々に自社を印象付けることができます。
これにより、求職者の選択肢に入る可能性が高まり、採用の裾野を広げることができます。
オウンドメディアリクルーティングを運用する4つのデメリット
オウンドメディアリクルーティングは多くのメリットがある一方で、デメリットや課題も存在します。
以下、4つのデメリットについて解説します。
導入や運用に手間がかかる
オウンドメディアリクルーティングの最大のハードルは、立ち上げから日々の運用に至るまで、社内リソースと工数を割く必要がある点です。
求人サイトや人材紹介であれば、情報の掲載や候補者の選定を外部に任せることができますが、オウンドメディアの場合は全てが「自前」になります。具体的には、メディアのコンセプト設計、Webサイトの構築、SNSでの拡散といった多岐にわたる業務が発生します。これらは、従来の人事担当者の業務範囲を超えていることが多く、Webマーケティングや編集の知識も求められます。
また、「ただ情報を発信すればいい」わけではありません。ターゲットに響く質の高いコンテンツを継続的に発信し続ける必要があり、更新が止まってしまえば、かえって「活気がない会社」というネガティブな印象を与えかねません。 そのため、導入にあたっては専任の担当者を配置するか、現場社員を巻き込んだ編集チームを結成するなど、継続可能な運用体制の構築が不可欠です。
「片手間で運用できる」と安易に考えると、形骸化してしまうリスクが高い手法であることを理解しておきましょう。
成果を出すには長期的な運用が必要になる
オウンドメディアリクルーティングは、「即効性」においては他の採用手法に劣ります。 今日始めて明日応募が来るような魔法のツールではありません。
例えば、求人広告ではお金を払えばすぐに掲載され、露出が保証されます。一方、オウンドメディアは検索エンジン(Googleなど)に評価され、検索結果の上位に表示されるまでに時間がかかります。
また、コンテンツが数記事しかない状態では、訪れた求職者に十分な情報を伝えきれず、応募というアクションに結びつきにくいのが現実です。記事が蓄積され、サイト自体の情報価値が高まって初めて、採用ブランディングとしての効果を発揮します。 そのため、「来月の欠員をすぐに埋めたい」という緊急度の高い採用には不向きです。
オウンドメディアリクルーティングは、あくまで「中長期的な採用力を底上げするための投資」と捉え、短期的な結果に一喜一憂せず、腰を据えて運用を続ける忍耐力が求められます。
自社従業員の協力がないと成功しない
オウンドメディアで質の高いコンテンツを継続的に発信するには、現場社員へのインタビュー、写真撮影への参加、記事の執筆依頼など、自社従業員の協力が不可欠です。
ここで壁となるのが、通常業務で多忙な社員のリソース確保です。「採用は人事の仕事」という意識が強い組織では、これらの依頼が「余計な業務」と捉えられてしまい、協力が得られず計画が頓挫してしまうケースが少なくありません。
そのため、オウンドメディアを成功させるには、単にメディアを立ち上げるだけでなく、「採用は全社員で取り組むべき経営課題である」という文化を醸成する必要があります。経営層から現場へ協力の重要性を発信してもらう、協力してくれた社員を評価する仕組みを作るなど、社内の協力体制を築くための「社内広報」的な動きも、運営担当者の重要な役割となります。
サイト運営に関する知識が求められる
オウンドメディアリクルーティングは、単に記事を書いて公開すれば終わりではありません。求職者に記事を届けるための「Webマーケティング」や「サイト運営」に関する専門的な知識が求められます。
具体的には、検索エンジンで自社の記事を上位表示させるためのSEO(検索エンジン最適化)対策や、どの記事がよく読まれているかを分析するためのアクセス解析(Googleアナリティクス等)のスキルです。また、記事を入稿するための操作知識や、読者がストレスなく回遊できるサイトデザイン(UI/UX)への配慮も必要になります。
従来の人事担当者は対人業務のプロフェッショナルですが、これらの「Web・ITスキル」には不慣れな場合が多く、すべてをゼロから習得して一人で回すのは非常に困難です。
そのため、導入にあたっては、社内のマーケティング部門や広報部門と連携体制を組むか、あるいは外部の制作会社やコンサルタントに一部業務を委託するなど、不足しているノウハウを補うための体制づくりを検討する必要があります。
【5STEP】オウンドメディアリクルーティングの導入方法
オウンドメディアリクルーティングを効果的に進めるには、事前の設計から運用・改善まで体系立てたプロセスが重要です。ここでは、導入時に押さえるべき5つのステップについて解説します。
STEP1. ターゲット・ペルソナを明確に設計する
オウンドメディアやコンテンツ制作に進む前に、まず求める人材像や採用要件を明確に定義することが重要です。
求める人物像をペルソナとして言語化し、募集ポジションに必要なスキルや経験を洗い出すことで、メディア運営の方向性が決まり、効果的な採用活動につながります。
その際、現場で活躍している社員へのヒアリングを行い、ターゲット層の学歴・経験・志向性を整理するとスムーズです。
STEP2. 採用計画を立て、KGIとKPIを設定する
採用活動の成功には、計画的な戦略設計が不可欠です。採用人数や採用期限などの目標(KGI)を定め、その達成に向けた指標(KPI)を設定することで、オウンドメディアで実施すべき取り組みが明確になります。
目標達成に向け、コンテンツ制作の優先順位や公開頻度を定めると、運用方針をブレずに進められます。
STEP3. 自社の魅力や強み・ポジショニングを整理する
求職者に魅力が伝わるコンテンツ制作のためには、自社の強みや特徴を整理し、競合他社との違いを明確にすることが必要です。
入社を決めた社員の声を参考にしながら、ターゲット層から共感が得られるポイントをまとめると、コンテンツの方向性が定まりやすくなります。競合との比較を通じてポジショニングを再確認し、差別化できる要素を抽出すると効果的です。
STEP4. オウンドメディアを作成する
オウンドメディアをまだ保有していない場合は、採用サイトやSNSアカウントの立ち上げから着手します。社内にWeb制作スキルを持つ担当者やエンジニアがいる場合には協力を依頼し、制作体制を整えましょう。
既にメディアを保有している場合は、次のステップとしてコンテンツ制作に進み、自社の魅力が伝わる内容を充実させます。求職者が求める情報を意識しながら、発信内容を構築することが重要です。
自社で制作する場合
社内に制作体制がある場合は、費用を抑えながらスピーディに構築が可能です。まずは無料あるいは安価なツールやSNSを活用し、テスト的に運用を開始する方法もあります。小規模から始めたい場合や、外注するほどの規模ではないケースに適しています。
Web制作会社に外注する場合
外注する場合は、十分なヒアリングを行い、制作意図を理解してくれる会社を選ぶことが重要です。採用向けのオウンドメディア構築に実績のある制作会社を選定し、発注企業が実際に成果を得た事例を確認すると安心です。
得意分野や強みは制作会社ごとに異なるため、フィットするパートナーを慎重に検討しましょう。
STEP5. 効果測定を行う
コンテンツ公開後は、閲覧数やクリック数などのデータを基に効果測定を行います。どのテーマが候補者に響いたのかを分析し、改善に活かすことで成果につながりやすくなります。
また、入社者に対して「役立ったコンテンツ」をヒアリングすることで、より精度の高い改善が可能です。SNSや広告での拡散も並行しながら、地道に訪問者数を伸ばすことがポイントです。
オウンドメディアリクルーティングにおすすめのコンテンツ
採用目的のオウンドメディアでは、求職者が企業への理解や共感を深められる内容を掲載することが欠かせません。ここでは、特に効果が期待できるおすすめのコンテンツについて解説します。
経営者の考え方や理念
経営者の考え方や理念の発信は、オウンドメディアリクルーティングのコンテンツとして効果的です。経営者が自らの言葉で、企業の価値観や事業で大切にしている姿勢を伝えることで、求職者の仕事観に影響を与えることができます。
起業した背景や企業の存在意義、どのような価値を社会に提供したいのかといった実体験や具体例を交えて発信することで、共感や信頼感につながります。
また、現在だけでなく将来の展望や長期的なビジョンまで一貫性のあるメッセージを届けることで、応募行動を後押ししやすくなります。
従業員へのインタビュー
従業員インタビューは、現場で働く従業員のリアルな声を通じて職場環境や企業文化を伝えられる、求職者にとって重要性の高いコンテンツです。
インタビュー対象は、求める人物像に近い従業員や、社内で活躍しているハイパフォーマーを選ぶと効果的です。入社理由、仕事の魅力、業務内容、キャリアの展望などを中心に構成することで、入社後の働く姿を具体的にイメージしやすくなります。
若手向けには入社数年以内の従業員への取材も有効です。対談形式や座談会など形式を変えることで、より幅広い視点を届けられます。
自社サービス・新規事業に関する内容
自社が提供しているサービスや商品、新規事業に関する情報発信も効果的です。サービスの特徴を紹介するだけでなく、開発の背景や課題意識、事業を通じて社会や顧客にどのような価値を提供したいのかといった視点を交えて掲載することで、求職者が企業姿勢や事業への思いを理解しやすくなります。
その結果、「このサービスに関わりたい」「この会社で働きたい」と感じてもらえる可能性が高まります。オウンドメディアリクルーティングでは、単なるPRではなく、事業の意義や将来性が伝わる内容にすることが重要です。
社内制度や福利厚生に関する内容
社内制度や福利厚生は、求職者が働きやすさや長期的なキャリア形成をイメージするうえで欠かせない情報です。制度の種類や内容を単に列挙するだけでなく、その制度を設けた背景や意図を併せて伝えることで、企業が従業員を大切にしている姿勢を伝えることができます。
ワークライフバランスの重視やキャリア支援の取り組みについて具体的に紹介することで、求職者が自分の希望する働き方が実現できるかどうかを判断しやすくなります。
社内イベントに関する情報
社内イベントに関する情報発信も、職場の雰囲気や従業員同士の関係性を伝えるうえで重要です。新年会や社内運動会などの社内交流イベントだけでなく、社内セミナーや展示会開催の様子を紹介することで、企業文化や組織の活発さを表現できます。
写真や参加者コメントを交えた発信は、求職者が実際の職場の空気をイメージしやすく、安心感や親近感につながります。イベントの裏側や準備の様子を掲載する方法も効果的です。
オウンドメディアリクルーティングを成功させるポイント
成果を生み出すオウンドメディアリクルーティングには、長期的な視点での運用体制や効果測定を踏まえた改善が不可欠です。ここでは、成功に導くために押さえたいポイントについて解説します。
長期的な運用を前提に体制を整える
オウンドメディアリクルーティングは短期的な施策では成果が見えにくく、長期的な運用体制を前提に取り組むことが重要です。転職潜在層に向けたブランディングを意識し、有益な情報を継続的に届けることで、求職者との関係性や信頼感を徐々に構築できます。
そのためには、経営者の理解とコミットメントを得たうえで、運用チーム内で価値観・魅力の共通認識を持ち、継続的に情報発信できる体制を整える必要があります。
定期的に新規コンテンツの制作・公開をする
採用に関するコンテンツは、定期的に制作し公開することで、求職者にとって有益な情報源として認知されやすくなります。動画やインタビュー、社内制度紹介など形式を変えて発信することで、幅広い層に訴求することが可能です。
潜在層に向けて継続的に情報提供を行うことで、自社への理解・共感を深めてもらい、応募につながる可能性を高められます。コンテンツはSNSで拡散し、より多くの求職者の目に触れる工夫も有効です。
求職者が自社での未来を具体的にイメージできるコンテンツを作る
オウンドメディアでは、求職者が入社後の働く姿を具体的にイメージできる内容を掲載することが効果的です。従業員インタビュー、キャリアパスの紹介、社内での役割や求める人物像などを明確に提示することで、自身のスキルや経験が活かせるかどうか判断しやすくなります。
企業文化や価値観、実際の業務内容が伝わるコンテンツは、ミスマッチ防止や早期退職の軽減にもつながります。
効果分析や改善を行う
オウンドメディアリクルーティングでは、公開したコンテンツの閲覧数やクリック数などのデータを基に効果測定を行い、改善につなげることが不可欠です。
どのテーマが求職者に響いたのか、応募や興味につながったのかを分析し、コンテンツの質と方向性を見直していきます。また、入社者へのヒアリングによって有益だった情報を確認することも効果的です。継続的にPDCAを回すことで成果が生まれやすくなります。
ジョブディスクリプションを明確にする
募集職種の業務内容、求められるスキルや経験、役割やミッションなどの詳細を明確に示すジョブディスクリプションは、オウンドメディアリクルーティングに欠かせません。
求職者は、自分が応募資格を満たしているか、自身の経験を活かせるかを判断しやすくなり、応募者の質やマッチングの精度が向上します。期待する役割やキャリアパスを理解してもらうことで、採用ミスマッチや早期退職の防止にもつながります。
KGIとKPIを明確にする
オウンドメディアリクルーティングを成功させるには、KGIとKPIを明確に設定し、成果と進捗を可視化して管理することが重要です。KGIは最終的な目標であり、「条件に合致した人材を◯人採用する」などが該当します。
一方、KPIはKGIを達成するための中間指標で、「応募者数」や「月間PV数」などが例となります。明確な指標設定により運用方針が定まり、効果的な採用活動につながります。
オウンドメディアリクルーティングの成功事例5選
オウンドメディアリクルーティングは、多くの企業が導入し成果を上げています。成功企業の取り組みを知ることで、自社での活用イメージを具体化できます。ここでは、代表的な5つの成功事例について解説します。
メルカリ|mercan(メルカン)・mercari careers
メルカリは、採用サイト「Mercari Careers」を5年ぶりにフルリニューアルしました。リニューアル後のサイトでは、トップページにインデックス情報を集約し、求職者が必要な情報へスムーズに回遊できるよう設計されています。
以前の採用サイトは強いインパクトがあり、そのイメージが残るなかで新しいサイト像を描くことが難しい状況にありましたが、長期的な視点でリニューアルを進めたことで、採用サイトとしてのあるべき姿を明確に示すことができました。
採用サイトの改善と合わせて、オウンドメディアである「メルカン(mercan)」も改修され、より良い形へ見直しを行うことができています。採用サイトとメディアの改修を個別ではなく長期プランとして連動させたことで、運用上の課題解消につながった点が特徴です(※1)。
(※1)参考:ニュートラルワークス「mercari careersリニューアル:会社の成長とともに、採用サイトも新たなフェーズへ」
サイボウズ|サイボウズ式
サイボウズが運営するオウンドメディア「サイボウズ式」は、企業の認知度向上を目的として運用されており、明確なゴールやPV数の目標値は設定されていません。ユーザーにとって有益な記事の発信を重視し、継続的なコンテンツ制作に注力している点が特徴です。
メディア開設後は記事数が順調に増加し、コンテンツの蓄積によって読者数の拡大につながっています。検索経由の流入だけでなく、ブログやソーシャルメディアからの流入も多く、幅広い経路で読まれていることが強みです。
ターゲットはビジネスパーソン全般と幅広く設定されていますが、特に「社内プロジェクトを効率的に進める方法を知りたい人」にとって役立つ内容となっています。長期的に記事を増やすことで認知を高める運用方針は、オウンドメディアリクルーティングの成功事例として参考になります(※2)。
(※2)参考:ベイジ「採用マーケティングの教科書」
baigie|baigie日報
baigieは、社員が日々の業務を振り返る「baigie日報」を公開しています。面接の際、応募者から日報に関する話題が挙がることが多く、日報を読んだうえで応募している人は、すでに同社へ強い興味を持っていることがわかるとされています。
日報には、社員が仕事への向き合い方や日々の行動指針を結び付けた考察が含まれており、応募者がどの内容に惹かれたのかを確認することで、より深い人物理解につながっています。
公開されている日報のトラフィックは月1万PV前後とされていますが、同社では数値の大きさを重視していません。多くの読者に届かなくても、必要な誰か1人に届くことを価値として捉えており、その1人が自社にとって最適な人材となり得る場合もあるためです。
大規模なリソースを投下する運用ではありませんが、情報発信のスタンスとして継続し、採用に好影響を与えている点が特徴です(※3)。
(※3)参考:doda「コロナ禍でも社員が倍に!採用・エンゲージメントに効く『ベイジの日報』とは【連載 第1回 隣の気になる人事さん】」
サイバーエージェント|CyberAgent Way
CyberAgent Wayは、サイバーエージェントが自社の事業・技術・カルチャーを総合的に発信するオウンドメディアです。トップページには最新記事やニュース、動画、特集など多様なコンテンツが整理され、目的に応じてスムーズにアクセスできる設計が採用されています。
採用や技術など読者層に合わせたカテゴリ分けや、生成AIやDXといったタグを活用した構造によって、検索性と回遊性が高い点が特徴です。
記事には目次の配置、読みやすいタイポグラフィ、豊富な画像や図版、ソーシャル共有機能など、ユーザー体験を重視した工夫が随所に盛り込まれています。
採用カテゴリでは、学生や社会人向けのキャリア支援記事を中心に、開発者やデザイナーが学生時代に得た経験を語る記事、再び新卒として挑戦できる制度「Re:Career採用」を紹介するコンテンツなど、キャリア形成に役立つ内容が掲載されています。
トヨタ自動車|トヨタイムズ
トヨタ自動車は、従来十分に発信できていなかった職場の情報を積極的に公開し、オウンドメディア「トヨタイムズ」と連携した採用ブランディングを強化しています。入社者へのアンケートでは、「トヨタイムズが入社のきっかけになった」という回答が多く、求職者への影響力の高さが明らかになっています(※4)。
トヨタイムズでは、会社トップの想いや企業としての方向性など、経営層からのメッセージを中心に発信しています。そのうえで採用に関わるコンテンツとして、職場で働く人々の想いや業務への姿勢を取り上げ、応募者が実際の働く環境を具体的にイメージできるよう工夫されています。
また、talentbookなどのサービスを活用し、社員一人ひとりの価値観やストーリーを伝える取り組みを行っている点も特徴です(※5)。
(※4)参考:doda「なぜトヨタは新卒採用一辺倒からキャリア・第二新卒採用に注力したのか。大変革した人事・採用戦略とは」
(※5)参考:HR NOTE「トヨタが実践する採用マーケティングで注目の『ナラティブ』とは?|株式会社PR Table【セミナーレポート】」
オウンドメディアリクルーティングに関するよくある質問(FAQ)
オウンドメディアリクルーティングを導入する際、サイト構成や運用方法など多くの疑問が生じることがあります。ここでは、採用担当者から特に多い質問とその回答について解説します。
Q. 集客用のオウンドメディアとは別サイトにすべき?
リクルーティング目的のオウンドメディアは、集客用オウンドメディアと同一サイト内に設置しても、別で立ち上げても問題ありません。
リクルーティングコンテンツの露出は主にSNS投稿によって行われ、ユーザーはコンテンツのURLへ直接アクセスする仕組みのため、どのメディア内に配置されているかが結果に影響することはほとんどありません。
すでに集客用オウンドメディアがある場合は同じサイト内に掲載してもよく、反対にリクルーティング専用サイトのみの立ち上げでも支障はありません。
Q. コンテンツはどうやって露出させる?
オウンドメディアリクルーティングのコンテンツを広く届ける方法として最も有効なのはSNS投稿です。集客用コンテンツのようにSEOからの流入を狙う方法は、企業内部に関する情報は検索されにくいため成果が出にくい傾向があります。
そのため、コンテンツは各SNSに最適な形式にアレンジして投稿し、ワンクリックでオウンドメディアへ遷移できる導線を整えることが重要です。
Q. オウンドメディアリクルーティングはどんな企業におすすめ?
オウンドメディアリクルーティングは、規模や知名度を問わずどの企業でも導入するメリットがあります。
大企業にとっては採用サイトや広告運用にかかるコスト削減につながり、中小企業やスタートアップにとっては知名度が低くても自社の想いや姿勢を伝えることで応募獲得のチャンスを広げられます。
特別に不向きな企業はなく、リソースを確保できるのであれば取り組む価値があります。
おわりに
本記事では、近年急速に重要性が高まっている「オウンドメディアリクルーティング」について、その定義から導入メリット、具体的な成功事例までを網羅的に解説してきました。
少子高齢化による労働人口の減少や、個人のキャリア観の多様化が進む現代において、従来の「待ちの採用」や「求人媒体頼み」だけでは、優秀な人材を獲得し続けることは難しくなっています。だからこそ、企業自らが主体となって情報を発信し、自社のカルチャーや価値観に深く共感してくれる人材を引き寄せるこの手法が、今後の企業成長を左右する重要な鍵となるのです。
もちろん、記事内でお伝えした通り、オウンドメディアの構築や運用は一朝一夕で成果が出るものではありません。ターゲットの選定からコンテンツの企画、そして継続的な更新と、多くのリソースと忍耐が求められます。しかし、そこで積み上げたコンテンツは決して無駄にはならず、企業の「資産」として残り続けます。長期的には採用コストの大幅な削減や、定着率の高い理想的なマッチングを実現してくれるはずです。
「何から始めればいいかわからない」という場合は、まず自社の伝えたい本当の魅力と一緒に働きたい人物像を再定義することから始めてみてはいかがでしょうか。貴社の想いが正しく求職者に届き、素晴らしい人材との出会いが生まれることを願っています。

