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地方採用に悩みを抱えている方必見! 難しいと言われる地方採用の現状と課題、成功させるポイント、効果的な手法を紹介し、地方における新卒採用を強化する方法を解説します。
地方採用とは?
地方採用とは、首都圏など都市部以外に所在する地域の企業が人材を採用する取り組みを指します。少子高齢化による人手不足が深刻化する中で、企業は地域に根ざした採用活動を強化しています。ここでは、地方採用の概要と重要性について解説します。
地方採用の重要性
地方採用の重要性は、深刻化する人材不足の中で「地域企業が持続的に成長するための基盤」を築くことにあります。近年は若年層の大都市圏への流出が進み、地方では採用難が顕著です。
こうした状況下で自社に合う人材を確保するには、地域ごとの採用市況を正確に把握し、戦略的な施策を実施することが欠かせません。
地方採用の市況
地方採用を取り巻く環境は、労働人口の減少や都市部への人口集中、そして有効求人倍率の上昇といった要因によって厳しさを増しています。
地方の労働人口の減少
地方では、全国に先駆けて急速な人口減少と高齢化が進んでおり、労働力人口の縮小が深刻な問題となっています。
国土交通省によると、2000年を基準とした場合、2050年には地方の労働人口が約40%減少すると予測されています(※1)。
背景には、若年層の都市部への流出があり、魅力的な就業機会の不足がそれを後押ししています。結果として、地方企業は限られた人材の中で採用活動を行わざるを得ず、採用難が一層進む状況です。
(※1)参考:国土交通省|地方における人口・労働力の変化
都市部の労働人口減少
首都圏や近畿圏などの大都市圏では、依然として転入超過の状態が続いています。しかし、日本全体の少子高齢化の影響は免れず、都市部でも労働人口は減少傾向にあります。
都市部の労働人口は2050年には約6000万人まで減少する見込みです。この結果、都市部の企業が地方にまで採用活動を広げるケースが増えており、地方での採用競争が激化しています。
有効求人倍率の増加
有効求人倍率は、求職者1人当たりの求人数を示す指標で、1を超えると求人が求職者を上回る「売り手市場」を意味します。
厚生労働省の発表によると、2024年度の全国平均は1.25倍(※2)で、2010年頃の約0.5倍(※3)から大幅に上昇しています。さらに、2025年4月時点では1.26倍と依然として高水準を維持しています(※4)。
都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)は、就業地別では、福井県が1.91倍と最も高く、福岡県が1.06倍で最も低い結果となりました。また、受理地別では、東京都が1.76倍と最高値を示し、神奈川県が0.90倍で最低となっています。
こうした状況では企業間の人材獲得競争が避けられず、地方採用の難易度は引き続き高まっているといえるでしょう。
(※2)参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について」
(※3)参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(平成22年12月分及び平成22年分)について」
(※4)参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年4月分)について」
地方採用を行うメリット4つ
企業にとって、地方採用は対象範囲を広げるため容易ではないですが、それでも地方採用を行うことのメリットも存在します。
こちらでは、地方採用を実施することで企業が持つ4つのメリットについて解説します。
自社が求める人材と出会える可能性が高くなる
地方採用を行うことで、自社が求める人材に出会える可能性が高くなります。
対象が広がることで、これまで出会えなかった学生にリーチできます。母集団の数を増やすとともに、さまざまな価値観やスキルを持った学生と出会えるため、その中から自社とマッチする人材に出会える可能性も大きくなるでしょう。
自社のブランディングに効果的
地方で採用を行うことで、自社に対するプラスのイメージが形成されやすくなります。
例えば、現地に直接足を運んで、地方で企業説明会やミートアップなどのイベントを開催すれば、自然に「採用活動に真剣に取り組んでいる」「地方学生の就職活動にも協力的」というイメージを与えられるでしょう。
さらに、地方学生に届けるための採用広報やSNSでの発信に力を入れることも、採用ブランディングの一環となり効果的です。
配属先を理由とした離脱を防げる
地方採用を通じて地方学生を選ぶことにより、配属先による離脱を防げます。
全国に支店を持つ企業の場合、最初や将来の配属先が地方になるときがありますが、その際にそれが原因で内定を辞退してしまう学生がよくあります。
一方で、都市部の学生と比べて、地方学生は地方配属にそこまで抵抗がない傾向が高いです。むしろ地方配属を好む学生もいるため、配属先を決める際に、エリアごとの倍率が均等になりやすいです。
それにより、社員一人一人が希望するエリアに配属され、内定辞退や早期離職を防ぐことができるでしょう。
リファラル採用が強化しやすい
都市部の学生と比べて、地方学生の間でのコミュニティが深い傾向にあります。ゼミやサークルでの後輩との関係性も強いため、そのつながりを自社のリファラル採用に生かすことができます。
また、企業説明会や選考を通して良いイメージを与えられれば、内定まで至らなかった学生からも良いクチコミを得ることができます。初回での母集団形成に苦戦するかもしれませんが、一度成功すれば、次回からの母集団形成は徐々に容易になっていくでしょう。
地方採用を行うデメリット2つ
地方採用を行うことで、上記で説明したようなメリットもありますが、どうしても避けられないデメリットも存在します。
こちらでは、地方採用を行う際に意識すべきデメリット2つについて解説します。
通常より採用コストがかかる
地方採用を行うことで、その分アプローチする学生が拡大するため、採用担当者の出張費や、学生の交通費・宿泊費などの費用負担も増えるのが当然です。また、地方に特化した新たな採用手法やサービスを導入することとなれば、それにかかるコストも発生します。
採用活動を行う上で、採用コストを抑えることは欠かせない課題です。
地元での就職を希望する学生が多い
地方学生の場合、都市部の学生よりも、地方就職を希望する割合は高い傾向にあります。特に、地元就職を希望する学生が多いことがあります。
その場合、「地元で就職する」の軸が企業選びの条件の中でも譲れないときもあり、注意する必要があります。
地方採用における課題|解決策も解説
地方採用には、母集団形成の難しさや魅力発信の不足など、都市部とは異なる課題が存在します。これらの要因を正しく理解し、改善策を講じることが成功の鍵です。ここでは、地方採用で直面しやすい課題とその解決策について解説します。
求める人材像が明確ではない
地方採用で成果を上げるためには、まず「どのような人材を採用したいのか」を明確にすることが不可欠です。求める人材像が定まっていないと、訴求内容が抽象的になり、応募者とのミスマッチを招いてしまいます。
明確化の第一歩は、企業全体の経営戦略から必要な人材を逆算して定義することです。その上で、性格・スキル・経験などを具体的に設定し、ペルソナとして言語化します。
例えば、「営業職」なら、単に「コミュニケーション能力が高い」ではなく、「初対面の相手と関係構築し、提案まで導ける経験を持つ」など、行動レベルで落とし込むことが重要です。
採用関連部署だけが採用に関わっている
地方企業では、人事や総務など採用関連部署だけが採用を担うケースが多く、これが採用活動の停滞を招く一因になっています。採用は全社的な取り組みと捉え、経営層や他部署の社員も巻き込むことが成功への鍵です。
まず、朝礼や社内報で採用活動の進捗を共有し、SNSなどを活用して社外にも採用の動きを発信しましょう。また、採用担当者自身が自社の商品・サービスの強みを理解し、顧客に提供している価値を把握することも大切です。
現場メンバーへのヒアリングや体験を通じて、自社の魅力を自分の言葉で語れるようにすることが、採用力の底上げにつながります。
地方で働く魅力が十分に伝えられていない
せっかく求人を出しても、「地元で働く魅力」が伝わっていなければ応募は集まりません。総務省のアンケートによると、移住者が地方を選ぶ理由の上位には「自然環境の良さ」や「働き方を変えたい」という意識が挙げられています。
つまり、地方には都市部にはない価値があり、それを的確に訴求できていないことが課題です。自社のサイトや採用ページでは、地方での暮らしや働くメリットを具体的に紹介しましょう。
社員のインタビューやU・Iターン事例を掲載することで、求職者がリアルな働き方を想像しやすくなります。
母集団形成が十分ではない
地方は人口が少なく、採用候補者となる母集団の形成が都市部よりも難しい傾向にあります。そのため、地方在住者だけに絞るのではなく、全国規模でターゲットを設定することが重要です。
リモートワークの普及やU・Iターン希望者の増加を踏まえ、地元以外の求職者にもアプローチしましょう。また、すぐに転職を考えていない「潜在層」への情報発信も有効です。将来的な採用候補者を育てる視点で、SNSやオウンドメディアなどを活用し、継続的に自社の魅力を発信していくことが求められます。
自社の採用課題を把握できていない
自社の採用課題を明確にできていないと、改善策を立てられず採用活動が停滞します。特に地方企業では、採用専任者が少なく、現場社員が兼任で採用を行うケースも多いため、課題の把握が後回しになりがちです。
課題を整理する際は、「外的要因(環境のせい)」ではなく「内的要因(自社の取り組み)」に目を向けることが大切です。例えば、「応募者が少ない」という状況でも、原因が「自社の魅力を伝えきれていない」点にあるなら、訴求方法の見直しが必要です。
自社だけで課題を抽出するのが難しい場合は、社労士やコンサル会社など外部の専門家に相談し、客観的な視点を取り入れましょう。こうした分析を通じて、効果的な改善策を打ち立てることができます。
地方採用を成功させるためのポイント7つ
地方採用を成功に導くには、採用手法や情報発信の工夫、地域特性を踏まえたアプローチが欠かせません。オンライン活用やターゲット設計など、多角的な視点が求められます。ここでは、地方採用を成功させるためのポイントを7つ解説します。
オンライン説明会や面接を積極的に導入する
地方採用を成功させるためには、オンライン説明会や面接の導入が欠かせません。遠方の求職者は「移動の負担」や「交通費の高さ」が応募をためらう要因となるため、オンライン化によって参加ハードルを下げることが重要です。
Zoomなどのウェブ会議ツールを活用し、応募書類をPDFなど電子データで提出できるようにすれば、選考プロセス全体をスムーズに進められます。特にU・Iターン希望者の中には「まずはオンラインで話を聞きたい」と考える層も多いため、事前のテストや接続確認を徹底し、トラブルのない環境を整備しておきましょう。
ターゲットの幅を広げる
地方では母集団そのものが小さいため、採用基準を厳しく設定しすぎると応募者を確保しにくくなります。そのため、地方採用ではターゲット層を広げる柔軟な発想が必要です。
具体的には、未経験者も応募対象とする、求めるスキルや経験の基準を一部緩和する、といった対応が効果的です。また、転職潜在層—「今すぐ転職は考えていないが、良い条件なら検討する」層—にもアプローチすることで、将来的な採用母集団を拡大できます。条件を広く設定し、多様な人材が応募しやすい環境を整えることが、地方採用成功のカギです。
地方ならではの魅力を打ち出す
地方で働く魅力を打ち出すことは、採用活動全体の訴求力を高める重要なポイントです。自然環境の豊かさ、通勤ストレスの少なさ、家賃の安さ、地域コミュニティの温かさなど、都市部にはない価値を明確に伝えましょう。
これらの情報は、自社サイトやSNS、採用動画などを通じて幅広く発信することが効果的です。「満員電車がない」「自然と触れ合える」といった具体的な生活イメージを伝えることで、「地方での暮らしに興味があるが不安を感じている」層にも安心感を与えられます。
スカウトメールを活用する
地方採用では、求人を待つだけでなく、自社から積極的にアプローチを行う「攻めの採用」も重要です。特に、ダイレクトリクルーティング機能のある求人サイトを活用してスカウトメールを送ることで、U・Iターン希望者や潜在層に直接アプローチできます。
スカウト文面では、地方ならではの魅力や、リモート勤務・移住支援制度などの具体的な情報を盛り込みましょう。「都会にはない暮らし方ができる」「自然に囲まれながら働ける」など、求職者の価値観に刺さるメッセージを意識することで、返信率を高められます。
ペルソナ設計を徹底する
採用ターゲットを明確にするためには、ペルソナ設計が欠かせません。ペルソナとは、求める人材像を具体的に可視化した「架空の人物モデル」のことです。
地方採用では、どのような価値観を持ち、どんな生活を理想とする人が自社にマッチするのかを細かく設定しましょう。
例えば、「自然環境の良い地域で子育てしながら働きたい」「安定よりも地域貢献を重視したい」といった動機をもつ人材像を定義すれば、求人や採用メッセージの方向性が明確になります。ペルソナに基づく採用活動は、的確な訴求とミスマッチ防止の両立につながります。
U・Iターン希望者を狙う
Uターン(地元回帰)やIターン(地方移住)を希望する層は、地方採用の有力なターゲットです。彼らは地域の文化や暮らしに関心があり、地方企業にポジティブな印象を持っているケースが多くあります。
オンライン説明会や都市部での合同イベントを通じて、移住者の体験談や現地の暮らしを紹介することで、地方で働くリアルなイメージを伝えられます。加えて、移住支援金・社宅制度・家賃補助などの支援制度を整えることで、転職希望者の不安を軽減し、応募への後押しができます。
学校との関係を築く
地方採用では、地元の学校や教育機関との関係構築も欠かせません。新卒学生やU・Iターンを検討する若手層との接点を持つには、大学や専門学校での企業説明会、インターンシップ受け入れなどの取り組みが効果的です。
継続的な関係を築くことで、地域の学生に「信頼できる地元企業」として認知され、将来の採用母集団形成にもつながります。学校関係者との連携を通じて、地域社会に根ざした採用基盤を育てることが、長期的な地方採用戦略の成功を支える要素です。
地方採用におすすめの手法
地方採用を成功させるには、使用する手法も大事になってきます。
こちらでは、地方採用で成果を出しやすいおすすめの手法について3つ解説します。
ダイレクトリクルーティング
企業側から学生に直接アプローチできるダイレクトリクルーティングは、地方採用と相性の良い手法です。
地域別・大学別のターゲティングがしやすく、母集団形成が難しい地方エリアでも、効率的に候補者と出会えるというメリットがあります。
また、地方学生は、大手ナビサイトでの露出が少ないケースもあるため、スカウトメールなどで「直接声をかけてもらえた」という印象を与えられます。これにより、企業認知度が低くても関係構築がしやすくなります。
求人サイト
求人サイトを活用するのも地方採用に効果的です。
地方学生でも今ではインターネットでの求人サイトを閲覧することが多くなり、自社の露出度を上げることができます。
さらに、求人サイトでは、自社の情報を多く記載することができるため、自社にあった人材を集めるにも効果的です。
地方採用の場合も、ワンキャリアなら悩み解決!
「地方大学に情報が届かない」「限られた人事リソースで複数地域をカバーできない」といった課題を抱える企業は少なくありません。
そんなときこそ、ワンキャリアの活用がおすすめです。
ワンキャリアでは、全国の大学生が利用するプラットフォームを通じて、地方学生にも確実に自社の情報や魅力を届けることができます。
また、スカウト機能や選考データをもとに、地方ごとの母集団形成から選考改善までを一貫してサポートできる特徴があります。
効率的な地方採用活動を行いたい方は、ぜひワンキャリアの使用を検討してみてください!
おわりに
こちらの記事では、地方採用の重要性、地方採用を成功させるポイントやおすすめの手法について詳しく解説しました。
今まで地方採用に悩んでいた方は、これからでも地方採用に力を入れ、全国において優秀な人材を自社に集めるようにしましょう!

