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最近では学生により自社を知ってもらうため、母集団形成を行うために学生を自社に招待するイベントを開く企業も増えています。 その中で注目されているのが、オープンカンパニーです。 オープンカンパニーはオープンキャンパスと同様に学生に対して自社に招待し、自社について知ってもらうことが目的です。 しかし内容がインターンシップと似通っていることから、どのレベル感で開催すべきなのか、開催に向けたフローはどうすべきなのか悩んでいる方も多いことでしょう。 この記事ではオープンカンパニーとはそもそもどんなプログラムなのか、実施目的やメリット・事例まで詳細に解説していきます。
オープン・カンパニーとは
オープン・カンパニーとは、企業が学生に対して自社の業務や職場環境を公開し、理解を深めてもらうためのプログラムです。
このプログラムでは、企業のオフィスや工場を訪問し、実際の業務を見学したり、社員との交流を通じて企業文化を体感したりする機会が提供されます。
一般的には、短期間で行われることが多く、特に新卒採用の一環として実施されることが多いです。
企業はこのプログラムを通じて、自社の魅力を直接学生に伝え、将来的な採用につなげることを目指しています。
オープン・カンパニーの目的
オープン・カンパニーの主な目的は、学生に企業の実態を知ってもらい、企業理解を深めることです。
これにより、学生は自分のキャリアプランに合った企業を選ぶことができ、企業側も自社にマッチした学生を見つけやすくなります。
また、企業の透明性を高め、信頼感を醸成することも目的の一つです。
さらに、企業のブランド力や認知度を向上させることで、優秀な人材の確保につなげる狙いもあります。
オープンカンパニーの学生最新動向
オープンカンパニーを自社で取り入れるか、インターンとどう差別化するかを迷っている人事も多いことでしょう。
以下は2023年に株式会社ワンキャリアで実施した、学生がキャリア形成に関わる取り組みのイベントに対する意向度のアンケート結果です。

一般的にインターンシップの人気が高いと思われがちですが、オープンカンパニーも学生からの参加意向度が高いことがうかがえます。
また、インターンシップの場合も、長期間ではなく1週間程度の短期間での参加に興味をもちがちです。
そのため学生の集客を目的にしているのであれば、オープンカンパニーと短期間のインターンシップをゴールに応じて使い分ける必要があります。
オープン・カンパニーとインターンシップの主な違い
オープンカンパニーとインターンシップの違いは、大きく分けて以下の4つです。
- 対象が全学年か訴求したい特定の学年か
- 所要日数が短期間か長期間か
- カリキュラムやプログラムの中に職業体験を含むか
- 学生から取得した情報を採用活動に活用できるか
オープンカンパニーは全学年を対象に門戸を開いているのに対して、インターンシップは対象学年を絞って、将来のエントリーにつなげようとします。
また所要日数も、オープンカンパニーはかかったとしても数日程度であるのが一般的ですが、インターンシップはプログラムに応じて1Dayや数か月~年単位のものもあります。
プログラム内容も異なり、オープンカンパニーは業界全体の情報など就活に役立つ情報を提供するのがメインですが、インターンシップは自社で構築したプログラムをもとに職業体験を行います。
オープンカンパニーと会社説明会の違い
オープンカンパニーと会社説明会の違いは、大きく分けて以下の3点です。
- 実施目的が学生のキャリア形成支援か採用か
- 提供情報が学生にとって有益な情報か
- 参加対象を就活生にするか全学年対象にするか
オープンカンパニーは、一般的に幅広い学生に対してキャリア支援を行うことを目的に実施されます。
そのため対象学年を設定しないことが多く、幅広い年齢層の学生を集客して業界や自社の立ち位置についての情報共有を行います。
一方で会社説明会の場合、学生を自社に集めて自社の魅力を訴求し、選考へのエントリーを目的にしています。
そのため集客する学生も、就活生にあたる大学4年生に絞られてきます。
オープン・カンパニーのメリット
オープン・カンパニーは、企業と学生の双方にとって多くのメリットがあります。
以下にその主なメリットを挙げます。
意欲の高い学生と接触できる
オープン・カンパニーに参加する学生は、企業や業界に対して高い関心を持っていることが多いため、企業側は意欲的で積極的な学生と直接接触する機会を得られます。
これにより、企業は自社に対する理解度や関心の高い学生を早期に見つけ出し、将来的な採用活動において有利な立場を築くことができます。
また、学生も自分のキャリアに対する具体的なイメージを持つことができるため、双方にとって有益な交流が実現します。
企業イメージや認知度の向上につながる
オープン・カンパニーを通じて、企業は自社の文化や価値観、働く環境などを直接学生に伝えることができます。
これにより、企業の透明性が高まり、学生からの信頼を得やすくなります。
さらに、参加した学生が企業の良さを周囲に伝えることで、企業の認知度やブランドイメージの向上にもつながります。
特に競争が激しい業界においては、こうしたプログラムが企業の差別化要因となり得ます。
社内の人材育成にも効果的
オープン・カンパニーの実施は、社内の人材育成にも貢献します。
プログラムの企画や運営に携わる社員は、学生に対して自社の魅力を伝えるためのスキルを磨く機会を得ます。
また、学生との交流を通じて、若い世代の考え方や価値観を知ることができ、社内コミュニケーションの向上や新たな視点の獲得につながります。
このように、オープン・カンパニーは単なる採用活動の一環にとどまらず、社員の成長を促す機会としても活用されています。
オープン・カンパニーの注意点
オープン・カンパニーは多くのメリットを提供しますが、実施にあたっていくつかの注意点もあります。以下にその主な注意点を挙げます。
取得した学生情報を採用活動に利用できない
オープン・カンパニーは短期間のプログラムであるため、参加学生の詳細な情報を取得し、それを直接採用活動に結びつけることは難しい場合があります。
企業は、学生の興味や意欲を確認することはできますが、具体的なスキルや適性を評価するには限界があります。
そのため、採用活動に活用するには、別途インターンシップや選考プロセスを通じて、より深い評価を行う必要があります。
学生との深いコミュニケーションはとれない
オープン・カンパニーは通常1日から数日間の短期間で実施されるため、学生と深いコミュニケーションを取ることが難しいことがあります。
企業の雰囲気や業務内容を説明する時間は限られており、学生一人ひとりと詳細な対話を行うのは難しいかもしれません。
そのため、プログラムの設計においては、限られた時間で効果的な情報提供と交流を行う工夫が求められます。
伝えられる情報量は少ない
短期間のオープン・カンパニーでは、企業の全ての側面を学生に伝えることは難しいです。
企業文化や業務の詳細、キャリアパスなど、深い理解を得るためには十分な時間が必要ですが、オープン・カンパニーではその時間が限られています。
そのため、プログラムの中で特に伝えたいポイントを絞り込み、効果的に情報を伝えることが重要です。
また、参加者の質問に対して柔軟に対応することで、学生が求める情報を補完することができます。
オープン・カンパニーを実施して学生の企業理解を高めよう
オープン・カンパニーは、学生に企業の実際の業務や文化を体験させる絶好の機会です。
これにより、学生は企業の魅力を直接感じ、将来の就職先としての理解を深めることができます。
また、企業にとっては、学生との双方向の交流を通じて信頼関係を築き、優秀な人材を引きつけるための基盤を構築するチャンスです。
このような取り組みは、長期的な関係構築にもつながり、企業の成長を支える重要な要素となります。
