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最近の採用市場では、次々と新しい採用手法が出てくることから、都度採用方法や効果の検証を行う必要があります。 そこで活用したいのはKPIの概念ですが、中にはKPIをこれまで使用したことがない方もいることでしょう。 採用の現場でもKPIを活用することで、よりピンポイントにどの歩留まりの数値が悪いのかを判断することが可能です。 この記事では、採用活動のKPIの設定の仕方から、設定すべき項目・運用方法までを徹底的に解説していきます。
採用活動のKPIとは
採用活動におけるKPI(Key Performance Indicator)は、採用プロセスの効果を測定し、採用目標の達成状況を評価するための重要な指標です。
KPIは採用活動の各段階でのパフォーマンスを数値化し、採用戦略がどの程度成功しているかを客観的に判断するための基準となります。
企業が新卒採用を行う際、単に多くの応募者を集めることや内定を出すことだけが目的ではありません。
適切な人材を効率的に採用し、組織の成長につなげることが最終的な目標です。
そのため、採用活動の各ステップで適切なKPIを設定し、進捗を定量的に把握することが重要です。
データをもとに採用活動の進捗をモニタリングすることで、停滞しているフローを可視化し、改善のうち手を取ることが可能です。
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採用活動のKPIを担当者が決めるべき3つの理由

採用活動においてKPIを設定することは、採用プロセスの効率性と効果を最大化するために不可欠です。
特に、採用担当者がKPIを決めることには大きな意義があります。
ここでは、その理由を3つ挙げて説明します。
採用活動の進捗を可視化できる
採用担当者がKPIを設定することで、採用活動の進捗を可視化することが可能になります。
具体的な数値目標を設定することで、各ステージの進捗状況をリアルタイムで把握できるようになります。
例えば、応募者数や面接通過率、内定承諾率など、各段階ごとの数値を追うことで、どの部分に改善が必要かを明確にすることができます。
これにより、採用プロセス全体の透明性が向上し、関係者間での情報共有がスムーズになります。
定量的に採用状況をモニタリングできる
KPIを設定することで、採用活動を定量的にモニタリングすることが可能です。
採用担当者は、設定したKPIを基に、採用活動がどの程度計画通りに進んでいるかを定期的に評価できます。
これにより、感覚や経験に頼らず、客観的なデータに基づいて意思決定を行うことができます。
例えば、応募者の質や数、採用コストなどを数値化することで、採用活動の効率性を高めるための具体的な施策を講じることができます。
KGI達成までのフローが見える
KPIを設定することで、最終的な目標であるKGI(Key Goal Indicator)達成までのフローが明確になります。
KGIは企業の採用活動における最終的な成果指標であり、例えば「一定期間内に優秀な新卒社員を10名採用する」といった具体的な目標を指します。
採用担当者がKPIを設定することで、KGI達成に向けた具体的なプロセスと進捗を把握することができます。
これにより、採用活動全体の戦略が一貫性を持ち、効率的に目標達成に向かうことが可能です。
採用KPIでモニタリングすべき項目リスト
採用活動を効果的に進めるためには、適切なKPIを設定し、それをモニタリングすることが重要です。以下は、採用活動においてモニタリングすべき主要なKPIのリストです。
- 応募者数: 採用活動の初期段階での基本的な指標です。応募者数は採用チャネルの効果や企業の知名度を測るバロメーターとなります。
- 書類選考通過率: 応募者が書類選考を通過する割合を示します。選考基準の適切さや応募者の質を評価するのに役立ちます。
- 面接通過率: 面接を通過する応募者の割合です。面接の質や選考プロセスの効率性を示します。
- 内定出し率: 最終的に内定を出した応募者の割合で、採用プロセス全体の効果を測る重要な指標です。
- 内定承諾率: 内定を承諾した応募者の割合です。企業の魅力や内定条件の適切さを判断する指標となります。
- 入社率: 内定を承諾し、実際に入社した人の割合で、採用活動の最終的な成功度を示します。
- 内定辞退率: 内定を辞退した人の割合で、内定条件やフォローアップの質に問題がないかを検討するための指標です。
採用活動のKPIを設定する流れ
採用活動のKPIを効果的に設定するためには、次の流れを踏むことが推奨されます。
数か質かでKGIを設定する
採用活動のKGI(Key Goal Indicator)を設定する際には、「数」と「質」のどちらを優先するかを明確にする必要があります。
数を重視する場合: 大量採用が必要な場合、応募者数や内定出し率などの数的指標が重視されます。
質を重視する場合: 高度なスキルや特定の専門性が求められる場合、書類選考通過率や面接通過率、内定承諾率など、質を測る指標が重視されます。
採用チャネルのフローを作成する
採用活動を効率化するためには、各採用チャネルのフローを明確にすることが重要です。これにより、どのチャネルが最も効果的かを判断しやすくなります。
チャネルの特定: 使用しているすべての採用チャネルをリストアップします(例:求人サイト、大学のキャリアセンター、リファラルなど)。
フローの可視化: 各チャネルにおける応募から入社までのプロセスをフローチャートとして可視化します。
効果の測定: 各チャネルごとのKPIを設定し、どのチャネルが最も効果的かを測定します。
各フローごとの歩留まり率を設定する
採用活動を効率化するためには、各採用チャネルのフローを明確にすることが重要です。これにより、どのチャネルが最も効果的かを判断しやすくなります。
チャネルの特定: 使用しているすべての採用チャネルをリストアップします(例:求人サイト、大学のキャリアセンター、リファラルなど)。
フローの可視化: 各チャネルにおける応募から入社までのプロセスをフローチャートとして可視化します。
効果の測定: 各チャネルごとのKPIを設定し、どのチャネルが最も効果的かを測定します。
フローごとのKPIツリーを作成する
KPIツリーは、採用プロセス全体を俯瞰し、どのKPIがどのように関連しているかを視覚的に示すツールです。
- KPIの階層化: 採用活動全体のKPIを階層化し、上位のKPI(KGI)から下位の具体的なKPIまでをツリー状に整理します。
- 関連性の明確化: 各KPIがどのようにKGIに貢献するか、その関連性を明確にします。
- モニタリングとフィードバック: ツリー構造を活用して、各KPIの進捗をモニタリングし、フィードバックを得て改善を図ります。
採用KPIを運用していく際のポイント

採用活動におけるKPIの運用は、単に数値を設定するだけでなく、その数値を活用して採用プロセスを改善し、最終的な目標達成に向けて進めることが重要です。
ここでは、採用KPIを効果的に運用していくためのポイントを紹介します。
KPI設定時は具体的な期限をあらかじめ設定する
KPIを設定する際には具体的な期限を設けることが重要です。
期限を設定することで、採用活動の各ステージにおける進捗をタイムリーに評価でき、必要なアクションを適切なタイミングで実施することが可能になります。
例えば、「3か月以内に応募者数を20%増加させる」といった具体的な期限付きの目標を設定することで、担当者は集中して目標達成に向けた戦略を立てることができます。
期限までに数値を達成することはもちろんですが、目標にしていた数値が誤っていることもあります。
定期的に数値を計測する
KPIの数値は、定期的に計測し、進捗を確認することが重要です。
定期的なモニタリングにより、採用プロセスのどの部分が順調に進んでいるか、またどの部分に問題があるかを早期に発見することができます。
問題が発生した場合でも迅速に対応することが可能となり、採用活動の質を維持することができます。
KPIの進捗に合わせて施策を変更する
KPIの進捗に応じて、採用戦略や施策を柔軟に変更することが求められます。
設定したKPIが順調に達成されている場合は、さらなる改善策を講じることで、より高い目標を目指すことができます。
一方で、目標達成が難しい場合は、採用チャネルの見直しや選考プロセスの改善など、具体的な施策を検討し、実行する必要があります。
数値に乖離があるならKPIの見直しも検討
実際の数値が設定したKPIと大きく乖離している場合は、KPI自体の見直しを検討することが重要です。
乖離の原因を分析し、現実的かつ達成可能なKPIに修正することで、採用活動の方向性を再確認し、より実効性のあるプロセスを構築することができます。
KPIの見直しは、単なる修正ではなく、より良い採用活動を実現するための重要なステップです。
採用KPIを設定して人材採用の目標を達成しよう
採用KPIを適切に設定し運用することで、採用活動の透明性と効率性を高め、目標達成に向けた道筋を明確にすることができます。
継続的な改善とデータに基づく意思決定を心がけることで、組織にとって最適な人材を効果的に採用することができるでしょう。
