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採用広報とは?広報が上手い企業の成功事例、戦略の立て方を解説!

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目次

    「採用広報の戦略ってどう立てるの?」「採用広報の成功事例は?」と悩んでいる採用広報担当者必見! 本記事では、採用広報戦略の立て方や広報活動が上手い企業の成功事例を解説します。また、採用広報を成功させるポイントや採用広報メディアの特徴も併せて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

    採用広報とは、自社の魅力や価値を求職者に向けて発信する活動です。単なる募集ではなく、企業理解や志望意欲の向上に直結する重要な取り組みです。

    ここでは、採用広報の基本的な意味や、導入によって得られる主なメリットについて解説します。

    採用広報の意味

    採用広報とは、自社の魅力や働く環境、ビジョンなどを求職者に向けて発信し、採用に結びつける広報活動のことです。

    単なる求人情報の掲載にとどまらず、企業の価値観や働き方、社員の雰囲気などを伝えることで、候補者が自社に対して具体的なイメージを持てるようにします。

    採用候補者との接点を増やし、エンゲージメントを高めるためのコミュニケーション活動ともいえます。SNSやブログ、動画などを活用しながら、候補者の関心や志向に応じた情報をタイミングよく届けていくことがポイントです。

    採用ブランディングとの違い

    採用広報と採用ブランディングは混同されがちですが、目的や役割に明確な違いがあります。

    採用広報は、求職者に対して働くイメージを具体的に持ってもらうための情報発信を通じて、認知から応募、選考までを支援する活動です。一方で採用ブランディングは、自社の理念や文化に共感してもらい、ファンを増やすことを目的としています。

    いわば、採用広報が採用活動の「手段」であるのに対し、採用ブランディングは「土台や方針」を形づくる活動です。両者を併用することで、より質の高い採用につなげることが可能になります。

    採用広報のメリット

    採用広報には、単に応募数を増やすだけでなく、企業と求職者の間に良質な関係を築くためのさまざまなメリットがあります。ここでは、採用広報によって得られる5つの主要なメリットについて、それぞれ詳しく解説します。

    企業認知度が向上する

    採用広報を継続的に行うことで、企業そのものの認知度が高まります。採用活動の目的は今すぐの応募だけではありません。

    SNSや採用ブログ、動画といったメディアを通じて情報発信を重ねることで、将来的に転職を考える層や潜在的な求職者にも存在を印象づけることができます。

    特に知名度が低い企業にとっては、まず「知ってもらう」ことが採用成功の第一歩です。ブランドの土台づくりにもつながるこの活動は、長期的な人材確保において非常に重要です。

    母集団形成が容易になる

    採用広報を通じて企業の魅力や働く環境を具体的に伝えることで、候補者の共感や興味を引きやすくなり、自然と応募者が集まる流れが生まれます。これは母集団形成の効率化につながり、採用活動全体の工数やコストを抑える効果も期待できます。

    特に、自社にマッチする人物像に向けた情報発信ができていれば、質の高い母集団を築くことも可能です。採用広報は、ただ数を集めるだけでなく、マッチ度の高い候補者を集める手段としても有効です。

    候補者の志望度が向上する・選考の迅速化

    候補者は、事前に企業の理念や働き方、社風などを知ることで、自分がそこで働く姿を具体的に想像しやすくなります。このように企業理解が深まると志望度が高まり、エントリーから選考への進行もスムーズになります。

    また、選考中の離脱も減少し、採用担当者とのコミュニケーションも円滑になります。結果として、選考全体のスピードが上がり、採用決定までの期間を短縮できます。

    ミスマッチを防ぐことができる

    採用広報によって、企業が抱える課題や今後の展望まで正直に伝えることができれば、入社後のギャップを減らすことができます。

    求職者は働く現場のリアルな姿を知った上で応募を検討できるため、「思っていたのと違った」といった理由での早期退職を防ぎやすくなります。

    採用活動における最大のリスクはミスマッチによる離職です。採用広報は、このリスクを未然に防ぎ、企業と候補者双方にとって良好なマッチングを促進します。

    業績・生産性が向上する

    適切な採用広報によってミスマッチが減り、自社の理念に共感する人材が集まれば、社員の定着率やモチベーションが高まり、結果として業績や生産性の向上にもつながります。

    採用は企業成長の基盤であり、入社後に活躍できる人材を確保することは、長期的な経営戦略にも直結します。

    採用広報は単なる「採用のための広報」ではなく、組織全体の活性化やビジネス成果の最大化にも貢献する重要な施策といえるでしょう。

    近年、採用市場の変化により、企業が自ら情報を発信していく「採用広報」の重要性が増しています。求職者のニーズや行動も多様化している今、従来の採用手法だけでは通用しません。ここでは、採用広報が注目されるようになった背景について解説します。

    1.売り手市場により転職潜在層へのアプローチが必要になってきた

    現在の採用市場は売り手優位の状態が続いており、企業にとって人材確保の難易度は年々高まっています。そのため、転職意欲が明確な顕在層だけに向けた施策では十分な母集団を形成することが難しくなっています。

    近年では「今すぐ転職は考えていないが、良い企業があれば検討したい」といった潜在層も多く、こうした層へのアプローチが採用成功のカギとなっています。

    採用広報は、求職者が情報収集を始める段階から、企業の存在を印象づける手段として有効であり、転職のタイミングが訪れたときに思い出してもらえる企業になるための継続的な情報発信が求められています。

    2.デジタルメディアの存在感が高まっている

    スマートフォンやSNSの普及により、求職者は企業情報をいつでもどこでも取得できるようになりました。求人サイトだけでなく、企業の公式SNSや社員の発信、クチコミサイト、YouTubeなど、多様なデジタルメディアが情報源として活用されています。

    こうした変化により、企業も一方通行の情報提供ではなく、タイムリーかつ共感性のあるコンテンツを継続的に発信していく姿勢が求められています。

    特に、動画やSNS投稿を通じて、社内の雰囲気や働く人の価値観を「見える化」することで、求職者との接点を強化することが可能です。

    採用広報は、これらのメディアを戦略的に活用することで、企業の存在感を高め、ターゲット層への浸透力を高める重要な手段となっています。

    3.   求職者が透明性の高い情報を求めている

    情報化が進み、求職者は企業に対してより高い透明性を求めるようになっています。表面的なイメージや奇麗な言葉だけではなく、実際にどのような職場なのか、どのような人が働いているのかといった「リアルな情報」が重視される傾向です。

    特にSNSやクチコミサイトの普及により、企業側が意図しない情報も簡単に広がるため、発信内容の誠実さが問われる時代になっています。

    こうした背景を受けて、多くの企業が採用広報を通じて働き方や制度の実態、社員の声などを率直に公開し、候補者に信頼される姿勢を打ち出しています。

    透明性の高い広報活動は、企業の信頼構築とミスマッチ防止にもつながるため、採用成功の土台として不可欠です。

    次に、採用広報の最新トレンドをご紹介します。

    採用広報の手法は急速に変化しており、最新のトレンドを常に把握しておくことが重要です。ここでは、特に「動画コンテンツでの配信」や「音声メディアを用いた採用広報」の二つに注目して解説していきます。

    動画コンテンツでの配信

    採用広報の手段として、動画コンテンツの活用が急速に広がっています。テキストや画像だけでは伝えきれない「社内の雰囲気」や「社員の人柄」、「働くリアル」が、動画ではより直感的に伝わります。社員インタビューや1日の仕事風景、オフィスツアーといった映像は、企業の価値観やカルチャーを伝える上で効果的です。

    特に、Z世代を中心とした若年層の就活生は、企業選びにおいて「共感」や「雰囲気のフィット感」を重視しています。そのため、文字情報よりも視覚的に情報を得られる動画への関心が高く、採用動画は企業と学生との距離を縮める重要なツールになっています。

    動画コンテンツを活用する際は、目的やターゲットを明確にし、自社らしさが伝わる構成・演出を心がけましょう。自社で動画の企画から配信まで手が回らない場合は、採用広報支援サービスの活用も有効です。

    動画コンテンツを活用した採用広報には、「ワンキャリアクラウド」がおすすめです。効果的な動画制作から配信まで一貫して支援し、母集団形成や志望度向上をサポートできますので、ぜひワンキャリアクラウドを活用してみてください。

    音声メディアを用いた採用広報

    近年、採用広報において「音声メディア」の活用が注目を集めています。PodcastやVoicyなどの音声プラットフォームを通じて、企業の文化や社員のリアルな声を届けることで、テキストや動画では伝えきれない「温度感」や「人柄」を伝えられるのが魅力です。

    通勤・通学時間や家事の合間といった「ながら聴き」ができるため、情報の接触頻度が高まりやすく、認知・興味喚起フェーズで有効な手段です。また、経営層や現場社員が出演することで、企業の価値観やビジョンに共感した求職者との接点づくりにもつながります。

    特にZ世代は広告や形式的な広報よりも、リアルで信頼できる情報を重視する傾向にあり、音声メディアはそのニーズに合致します。継続的に発信することで「この企業の人と働きたい」と思わせる土壌づくりが可能です。採用競争力を高める新たな選択肢として、音声メディアを用いた採用広報は有効な手段といえるでしょう。

    採用広報を効果的に進めるためには、自社の採用目的やターゲット層に合った戦略設計が欠かせません。発信内容から媒体選定まで、計画的に進めることが重要です。

    ここでは、自社に最適な採用広報戦略の立て方について解説します。

    1. 採用広報の目的を決める

    採用広報の第一歩は、「なぜ採用広報を行うのか」という目的を明確にすることです。応募数を増やす、内定承諾率を上げる、ミスマッチを防ぐなど、目的は企業によって異なりますが、根本には自社の採用課題をどう解決したいのかという視点があります。

    短期的な成果にとどまらず、中長期的にどのような組織づくりを目指すのか、経営戦略との整合性を意識することが重要です。目的が定まれば、情報発信の軸もブレずに設計でき、関係者との連携もしやすくなります。

    2. 「誰に、何を伝えたいか」決める

    採用広報では、「情報を届ける相手=ターゲット」を明確にする必要があります。

    たとえば、新卒採用と中途採用、エンジニアと営業職では、求める人物像も伝えるべき情報も変わってきます。ペルソナを設定することで、求職者の価値観や情報収集行動に合った表現や媒体を選びやすくなります。

    また、発信するメッセージの内容も明確にします。仕事内容・企業理念・社風・成長機会など、ターゲットに「この企業で働いてみたい」と思ってもらえる情報に絞り込みましょう。

    3. 具体的なコンテンツを企画する

    採用広報における情報発信では、単なる説明ではなく共感を呼ぶコンテンツ作りが求められます。特に重要なのが、仕事・職場・人間関係といったリアルな情報を伝えることです。

    動画やインタビュー、社員の日常を切り取った記事など、求職者が働く姿を具体的に想像できるものが有効です。

    求める人物像に響く言葉を選ぶ

    求職者の心に響く言葉を使うには、まず自社が求める人物像を深く理解する必要があります。その上で、彼らが価値を感じるキーワードや表現を選ぶことが重要です。

    たとえば、挑戦を好む人材には「裁量の大きさ」や「成長機会」という言葉が刺さる可能性があります。伝えたい内容を誰にどう届けるかを明確にし、言葉選びにも一貫性を持たせましょう。

    自社の強みや特徴を伝える

    他社と比較されたときに「この会社にしかない」と思わせるポイントを伝えることが重要です。業界での立ち位置、技術力、組織文化など、独自の強みを具体的に紹介しましょう。

    また、これから整備する制度や取り組み中のプロジェクトなど、未来志向の魅力も採用広報では効果的です。経営層や現場と連携して、自社の本質的な価値を言語化しましょう。

    競合と差別化する

    採用市場では多くの企業が似たような表現を使いがちですが、差別化のカギは「リアルさ」です。社内のエピソードや、社員が感じているやりがい・苦労などを率直に伝えることで、求職者に信頼される情報です。

    他社との違いを打ち出すには、表面的なキャッチコピーよりも、実態に根ざしたストーリーを発信することが大切です。

    4. 発信する方法・媒体を決める

    どんなに良いコンテンツも、届ける手段が適切でなければ届きません。媒体の選定は、ターゲット層の行動特性に合わせて行いましょう。

    若年層にはInstagramやTikTok、ビジネス職にはLinkedInや自社採用サイトなど、媒体によってリーチできる層が異なります。

    自社のリソースや予算も加味しながら、ペイドメディア・オウンドメディア・アーンドメディアの3つを適切に組み合わせて、効率的な配信設計を行うことが大切です。

    5. KPIを設定する

    採用広報の成果を可視化するためには、定量的なKPIの設定が欠かせません。

    短期的には記事のPV数、SNSでのエンゲージメント、資料のダウンロード数など、中長期的には応募数、内定率、入社後の定着率などを指標として設けます。これによりPDCAサイクルをまわしやすくなり、取り組みの改善点も明確になります。

    数値に表れにくいブランディング効果についても、求職者アンケートなどを通じて可視化する工夫が必要です。

    6.  アクション実行・振り返りを行う

    戦略を立てたら、実行と検証を繰り返すフェーズに入ります。特に採用広報は「やりっぱなし」では意味がありません。

    計画通りに進んでいるか、仮説どおりの成果が出ているかを定期的に確認し、必要に応じて戦略を修正します。また、社内の関係者と連携して定期的に報告・共有することで、採用広報が全社的な取り組みとして定着しやすくなります。

    採用広報の効果を最大化するには、学生の行動フェーズに応じて適切な手法を選ぶことが求められます。タイミングや情報ニーズに合わせた発信がカギとなります。

    ここでは、学生のフェーズ別に適した採用広報の方法とメディアについて解説します。

    認知フェーズ

    認知フェーズは、まだ自社を知らない学生に対して「知ってもらう」ことが目的です。ここからは、代表的な4つの手法について詳しく解説します。

    求人サイト

    求人サイトは、学生が就職活動を始める際に最も利用する媒体のひとつです。リクナビやマイナビなどの大手サイトに情報を掲載することで、多くの就活生の目に触れる機会を確保できます。

    企業の知名度が低くても、多くの企業が集まる場であるため露出効果は高く、初期の認知を獲得するには非常に有効です。

    ただし、自社の情報が他社と並列に表示されるため、短い文字数で魅力を伝えるコピーやビジュアルが求められます。また、費用対効果やクリック率の管理も重要です。

    近年では、ワンキャリアのような新しいタイプの就活サイトも注目を集めています。

    「はじめてのキャリア選び」に特化したワンキャリアは、学生の登録率が高く、2025年卒で約60%、学生利用率は5年連続2位を獲得しています。全国の学生に幅広く使われており、文理・エリア問わず多様な母集団の形成が可能です。

    また、掲載の自由度が高く、テキストや画像で自社の魅力を十分に伝えることができるため、大手企業に埋もれずに学生の目に留まりやすいというメリットもあります。

    こうした媒体を活用することで、知名度や採用時期に左右されにくく、戦略的かつ継続的な母集団形成を実現できます。

    ウェブ広告

    ウェブ広告は、自社サイトや採用ページへの流入を促すための導線づくりに役立ちます。GoogleやYahoo!の検索連動型広告、YouTubeの動画広告、InstagramやTikTokといったSNS広告など、多様なチャネルがあり、ターゲット層に応じて出稿先を選べます。

    興味・関心を持ちそうな学生の行動履歴や属性に合わせた配信が可能なため、無駄なく訴求できるのが強みです。短期間で認知度を上げたいときや、特定の学部・志向の学生に絞ってアプローチしたい場合にも有効です。

    一方で、予算管理や広告運用の知識が求められるため、専門人材の確保や外部パートナーの活用が必要になるケースもあります。

    SNS

    SNSは、就活生が日常的に利用している情報収集ツールであり、親近感と拡散力を兼ね備えた媒体です。X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどは、企業文化や社内の雰囲気をカジュアルに伝えるのに適しています。

    人事担当者や若手社員が自ら発信するアカウントは、企業との距離を縮める効果があり、フォローやシェアを通じて認知が自然に広がっていきます。特に動画やビジュアルを活用した投稿は視覚的な訴求力が高く、短時間で印象を残すことができます。

    ただし、投稿頻度や反応率が成果に直結するため、継続的な運用とクリエイティブの質が成否を分けます。

    外部イベント

    合同企業説明会や大学主催のキャリアイベントなどは、多数の学生と直接会話ができる貴重な機会です。企業ブースに足を運んでもらうことで、名前を知らない学生にも直接アピールが可能です。

    また、リアルな場で社員が企業の魅力を語ることで、デジタルでは伝えきれない雰囲気や熱量が伝わりやすくなります。ただし、同じイベントに多数の企業が出展しているため、印象に残るブース設計やプレゼンテーションが欠かせません。

    パンフレットやノベルティなどの配布物、ブースの導線設計なども含めたトータルな戦略がポイントです。

    興味・応募フェーズ

    興味・応募フェーズでは、学生が「この会社ちょっと気になる」と思い始め、情報収集やエントリーを検討する段階です。

    ここでは、興味関心をさらに深めてもらうための代表的な5つのメディアや手法をご紹介します。

    自社ホームページ

    企業のコーポレートサイトは、学生が企業理解を深めるために訪れる重要な情報源です。会社概要や沿革、事業紹介などを通して、企業の全体像を把握できます。

    特に、IR情報やCSRの取り組みなどが掲載されている場合、学生の「安心感」にもつながります。ただし、採用目的ではないため、情報が網羅的であっても「応募の後押し」にはつながりにくい側面もあります。

    そのため、興味を持って訪れた学生に対しては、採用サイトへの導線やリンクの配置も意識して設計する必要があります。

    自社採用ページ

    自社採用ページ(採用サイト)は、興味を持った学生に対して、より深い情報を届けるための最適な場です。

    仕事内容や募集要項に加え、社員インタビューや社内イベントの紹介、働き方やキャリアパスなどを通じて、「この会社で働くイメージ」を具体化させることができます。

    また、採用ピッチ資料や社風紹介動画などを掲載することで、入社後のミスマッチを防ぐ効果もあります。

    一方で、採用ページにアクセスしてもらうための認知拡大施策やSNS・検索広告との連携も欠かせません。情報の鮮度維持も重要で、常にアップデートしていく姿勢が求められます。

    自社ブログ

    自社ブログは、企業のカルチャーや働く人の思い、日常業務の雰囲気などを伝えるのに適したコンテンツ媒体です。社員が執筆した記事や、部署ごとの取り組み、イベントレポートなどを発信することで、社内のリアルな空気感を届けることができます。

    形式ばらない文章や写真・イラストなどを交えて発信することで、読者にとって親しみやすく、ファン化にもつながります。ただし、定期更新が求められるため、運用に一定のリソースが必要です。

    記事の内容やトーンは、ターゲット層にあわせて戦略的に設計し、ブランディングと親和性のあるメッセージを心がけましょう。

    動画コンテンツ

    動画は、テキストや画像では伝えきれない職場の雰囲気や社員の表情、企業のエネルギーを直感的に伝えることができる強力なツールです。

    社員インタビューや部署紹介、1日の仕事風景などを映像で伝えることで、視聴者に「この職場で働いてみたい」という具体的なイメージを持たせられます。YouTubeやSNSと連携すれば、拡散性も高まり、認知から応募までの導線づくりにも役立ちます。

    さらに近年では、採用動画を対話型のライブコンテンツとして活用する動きも進んでいます。

    たとえば「ONE CAREER LIVE(※1)」は、オンライン企業説明会や合同説明会をテレビ番組のような高品質な映像で配信できるサービスです。累計750回以上の開催実績があり、プロの司会者とのクロストークを通じて学生が飽きずに視聴できる構成が魅力です。

    また、専用スタジオによる撮影・編集体制に加え、チャット機能でリアルタイム質問対応、視聴中のエントリー受付、アーカイブ動画の活用など、オンラインでもエンゲージメントを高める仕組みが充実しています。

    動画コンテンツは作成して終わりではなく、どう見てもらい、どう行動につなげるかまでを設計することが重要です。ライブ形式や双方向機能を取り入れることで、より効果的な母集団形成や志望度向上が実現できます。

    (※1)参考:ワンキャリア「ONE CAREER LIVE

    就活・転職クチコミサイト

    OpenWorkやキャリコネなどのクチコミサイトは、就活生が「実際の働きやすさ」や「評価されている点」「離職率」などをチェックするためによく利用されます。

    企業が発信する情報に加え、社員や元社員による第三者的な意見を知ることで、学生はより現実的な判断材料を得ることができます。

    「ワンキャリア転職(※2)」も、こうした情報を提供する転職支援プラットフォームの一つです。

    「すべてのキャリアをオープンに。」をコンセプトに、転職実例や面接体験談、クチコミなどの独自コンテンツを掲載しています。

    たとえば「どの企業からどこへ転職したのか」「どんな志向で転職を決めたのか」といった実例をもとに、ユーザーが自分のキャリアを具体的に考えるヒントを得ることができます。

    また、クチコミだけでなく求人掲載機能もあり、興味を持った企業にそのまま応募することも可能です。情報収集から応募まで一気通貫で行えるのが大きな特徴です。

    企業側は、ポジティブなクチコミが増えるように職場環境を整備し、透明性ある姿勢を示すことが大切です。

    また、悪いクチコミに対しても正面から向き合うことで、誠実な企業イメージを形成できます。自社のブランディングと評価を照らし合わせる場として、有効活用すべき媒体です。

    (※2)参考:ワンキャリア転職「企業の年収・クチコミ・選考対策等の転職情報が満載

    選考~内定・入社フェーズ

    選考~内定・入社フェーズでは、志望度を高めた学生に「選考を受ける・内定を受ける・入社を決める」行動を後押しすることが目的です。情報の透明性や安心感が重要になる段階です。

    自社ホームページ

    選考を進める中で学生が改めて確認したくなるのが、自社の公式ホームページです。企業の成り立ちや事業の広がり、沿革、グループ企業など、「会社の全体像」に関する正確な情報源として役立ちます。

    また、業界内での立ち位置や財務情報なども判断材料になり得るため、信頼性のある内容を丁寧に掲載しておくことが求められます。

    内定後の家族説明や進路相談の際に使われることもあるため、外部に誇れる情報設計と見やすさを意識した構成が望まれます。

    自社採用ページ

    選考や内定段階において、自社採用ページは「最終的な判断」を後押しする重要な役割を果たします。選考フローや福利厚生、入社後の研修制度、働き方の多様性といった具体的な情報が、学生の安心感につながります。

    また、先輩社員のキャリアステップや入社の決め手に関するコンテンツを掲載しておくと、「自分もこの会社で成長できそう」という納得感が生まれやすくなります。形式的な情報だけでなく、感情や価値観に響くストーリー設計が、内定承諾率の向上に効果を発揮します。

    自社ブログ

    選考中や内定後に学生が知りたいのは、「その会社に入ってどんな日々が待っているのか」というリアルな情報です。自社ブログでは、社員の日常や仕事のエピソード、オフタイムの様子などを紹介することで、企業文化や人間関係の空気感を伝えることができます。

    これは学生にとって不安解消につながるだけでなく、入社後のイメージを具体化する手助けにもなります。選考の合間に定期的に配信されるブログ記事は、「この会社は自分に合ってそうだ」という実感を育み、内定辞退防止にも寄与します。

    採用広報は、ただ情報を発信するだけでは効果を発揮しません。求職者に響く内容や発信方法を工夫することが重要です。

    ここでは、採用広報を成功に導くために押さえておきたい6つの実践ポイントについて解説します。

    1.目的にあったコンテンツを発信する

    採用広報では、情報を発信すること自体が目的ではなく、「誰に」「何を」届けるかが重要です。母集団形成、志望度向上、ミスマッチ防止など、採用課題に応じた目的を明確に設定し、それに合ったコンテンツを設計しましょう。

    目的とずれた内容では効果が薄く、成果につながりません。ターゲット層が必要とする情報を的確に届けることで、企業と求職者の相互理解が進み、納得感ある応募行動を促すことができます。

    2.企業の存在目的・社会的意義を伝える

    求職者が企業を選ぶ際、給与や福利厚生だけでなく、企業の存在意義や社会貢献性を重視する傾向が強まっています。

    採用広報では、自社の事業が社会にどう役立っているのか、なぜ存在するのかといった根本的な意義をわかりやすく伝えましょう。

    社会課題への取り組みや持続可能な開発目標(SDGs)との関わりを発信することで、企業に共感する人材との接点を広げ、理念に合った仲間を引き寄せるきっかけになります。

    3.現場の社員を巻き込む

    採用広報に説得力を持たせるには、現場で働く社員の協力が欠かせません。人事主導の一方的な発信ではなく、実際に働く人の声やストーリーを届けることで、求職者にとってリアリティのある情報になります。

    社員インタビューや職場紹介記事、イベント登壇などに現場を巻き込むことで、企業の雰囲気や風土が自然と伝わります。また、現場との連携を深めることで、情報の正確性や更新性も保たれ、広報活動の質も向上します。

    4.年度ごとに採用広報計画を見直す

    採用広報は一度作って終わりではなく、社会や求職者のニーズの変化に応じて見直すことが大切です。年度ごとに活動の成果を振り返り、改善点や強化すべき施策を整理しましょう。

    KPIの達成度や媒体ごとの効果測定など、数値をもとに次年度の方針を立てることで、計画的で一貫性のある運用が可能になります。

    また、新しいツールやトレンドを積極的に取り入れ、自社の採用戦略に柔軟性を持たせることも成功の鍵となります。

    5.競合他社の採用広報戦略を調査する

    採用広報は情報戦です。他社と比較される前提で、自社の戦略を磨く必要があります。そのためには、競合他社の採用ページやSNS、コンテンツ内容を調査し、自社に足りない要素や参考になる表現を見つけ出しましょう。

    ただ模倣するのではなく、自社ならではの視点に落とし込む工夫が必要です。差別化ポイントを明確にし、同じ業界内で埋もれないための発信設計を行うことが、求職者の関心を引く第一歩になります。

    6.自社の実態を「正直に」伝える

    採用広報で大切なのは、表面的な良いことばかりを伝えるのではなく、自社のリアルな姿を誠実に届けることです。

    たとえば、理想的なイメージを押し出すだけでは、入社後のギャップによる離職を招く恐れもあります。一方で、成長途中の課題やチャレンジしている取り組みも含めて発信することで、共感や信頼を得られます。

    ありのままの社風や文化を伝えることで、企業と求職者の相互理解が進み、ミスマッチの少ない採用につながります。

    採用広報に力を入れている企業は、魅力的なコンテンツや一貫したメッセージ発信で成果を上げています。他社の成功事例からは多くのヒントを得ることができます。

    ここでは、採用広報が上手い企業7社の具体的な取り組み事例について解説します。

    株式会社マネーフォワード

    マネーフォワードでは「#タイムズマネフォ」という採用オウンドメディアを運営し、働く人やカルチャーをリアルに伝えています(※3)。

    記事や連載を通じて、社員の1日の流れやリレーインタビュー、カルチャーヒーローの紹介など、多角的に「中の人」の姿を発信していることが特徴です。

    また、お堅いイメージを払拭(ふっしょく)し、自由で責任感ある職場風土やベンチャーらしいスピード感も積極的にアピールしています。発信の一本化やSlack文化を踏まえた名称設定などもポイントで、候補者の不安をワクワクに変えるメディアづくりを目指しています。

    (※3)参考:タイムズマネフォ「マネーフォワードの採用オウンドメディア『#タイムズマネフォ』公開のお知らせ

    株式会社メルカリ

    メルカリは「mercan(メルカン)」というオウンドメディアを活用し、社員の多様な働き方や会社のバリュー・カルチャーを可視化しています(※4)。

    「mercan(メルカン)」では、グローバル採用や評価制度、育児支援策も積極的に発信し、現場のリアルな声を届けています。編集チームだけでなく全社員が記事執筆に参加し、多様な視点が生まれているのも特徴です。

    さらにCulture Docで価値観や行動指針をわかりやすくまとめ、求職者との期待値ギャップ解消にも注力しています。カルチャーが自然と浸透し、候補者との本質的な対話を生む仕組みが構築されています。

    (※4)参考:MarkeZine「人事領域にマーケティング思考は必須 メルカリの採用広報戦略

    and factory株式会社

    and factoryは「スピード」「クオリティ」「チャレンジ」「チームプレイ」のコアバリューを掲げ、社員の多様な働き方や家庭との両立事例を積極的に発信しています(※5)。

    広報自身も子連れで面接やイベントに参加するなど、リアルな等身大の情報を社内外にオープンに発信しています。

    プレスリリースやSNS拡散では画像やタイトル選定に工夫を凝らし、多くの人に届く情報設計を実践していることも特徴です。単なる美辞麗句でなく、実態や挑戦、社員の日常を「盛らず」に伝える姿勢が共感を集めています。協力的な社内文化も強みです。

    (※5)参考:PR TIMES「頭がパンクするほどの挑戦を『and factoryらしく』伝えたい。家庭にも生きる広報術とは?

    サイボウズ株式会社

    サイボウズは「100人100通りの働き方」を掲げ、ダイバーシティやリモートワークなど多様な働き方を積極的に発信しています。

    技術広報活動では現場エンジニアが積極的に登壇やブログ執筆を行い、コミュニティ参加も推奨しています(※6)。また、開発本部内のコネクト支援チームが情報発信を支援し、社員の自発的な発信を後押ししています。

    全社的な情報のオープン化やインクルーシブな雰囲気づくりが特徴で、入社前後のギャップを埋め、共感層の採用や離職率低下に大きな成果を上げています。

    (※6)参考:note「サイボウズの技術広報のお仕事

    サイバーエージェント社

    サイバーエージェントは「CyberAgent Way」というオウンドメディアを中心に、グループ全体の多角的な事業・カルチャーを発信しています(※7)。社員が自然と使う言葉や共通価値観を大切にし、スローガン開発も徹底しています。

    コンテンツ制作では、読者視点を重視した丁寧な作り込みと社内外への波及力を両立させることが特徴です。

    採用候補者に限らず投資家やユーザーも意識し、幅広い関係者に響く発信を心がけています。カルチャーの透明性が新卒の離職率低下やミスマッチ防止につながり、企業ブランディングも強化されています。

    (※7)参考:ワンキャリア「オンライン化で社風が伝わりにくい今、採用広報はどうあるべき? 『メルカリ×サイバーエージェント』2社の実例に学ぶ

    freee社

    freeeは「スタートアップの広報」マインドを貫き、急成長しながらも最新情報の収集と地道な発信を徹底しています(※8)。

    広報部は新商品の発表や社会課題への取り組み、記者会見やイベント運営まで幅広く担当し、現場と密に連携しながら、社内外へリアルな情報を発信し続けています。

    独自のミッション「スモールビジネスを、世界の主役に」を掲げ、働く人やプロダクトの魅力をストーリーとして発信していることも特徴です。業界全体への波及効果や、従業員から信頼される広報体制も大きな強みです。

    (※8)参考:freee 採用サイト「どんなに組織が拡大しても、“スタートアップの広報”というマインドは忘れないーーー2人の現役広報が語る、今のfreeeで広報する魅力とは?

    株式会社SmartHR

    SmartHRは「情報はすべてオープンに」という創業時からのカルチャーを採用広報にも徹底しています(※9)。代表や社員のブログ、オープン社内報、外部記事など、幅広いチャネルを活用して会社の実態を丁寧に発信していることが特徴です。

    イベントや公開雑談では、社員や現場の雰囲気をリアルに伝え、長期的なタレントプールの形成に成功しています。経営会議の内容や評価制度などもオープン化し、入社前後のギャップを最小化しています。

    きれいに飾らず「素」のままの会社を発信する姿勢が、候補者や社内外から高い支持を集めています。

    (※9)参考:Wantedly「ナイル渡邉が気になる、あの会社の採用広報 #1 SmartHR瀧田成紗氏|採用広報のカギは“カルチャー”を発信すること

    いかがでしょうか。

    本記事では、採用広報の基本から最新トレンド、自社に合った戦略の立て方、そして成功企業の事例までをご紹介しました。

    採用広報は、単なる情報発信にとどまらず、企業の魅力を適切に伝え、共感を生むことで、優秀な人材とのマッチング精度を高める重要な手段です。売り手市場が続く今、求職者は「どんな会社で、誰と働くのか」を重視しており、企業側もその期待に応える透明性のある広報が求められています。

    採用広報に正解はありませんが、「目的」と「相手」を明確にし、試行錯誤しながら自社らしさを発信する姿勢こそが、最終的に採用力を高める近道です。ぜひ本記事を参考に、貴社の採用広報戦略を見直し、より多くの「ともに働きたいと思える人材」と出会えるきっかけを作ってください。

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