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「新卒採用と中途採用、どちらに力を入れるべきか」
企業の採用方針を考える上で、このような悩みを抱えていませんか?
本記事では、新卒採用と中途採用のメリット・デメリットを多角的に比較します。さらに、新卒採用を成功させるポイントから、よくある失敗例まで網羅的に解説します。
最後まで読めば、新卒採用への漠然とした不安や疑問は解消されるでしょう。自社の成長戦略に合った最適な採用方針を決定するための、確かなヒントが得られます。
新卒採用とは何か
まず、新卒採用とは何かについて詳しく解説します。
新卒採用の概要とプロセス
企業にとって新卒採用とは、将来の組織を担う人材への先行投資です。卒業見込みの学生を対象に、スキルよりポテンシャルを重視して採用し、長期的な視点で自社の中核を担う人材へと育成していく、極めて戦略的な採用活動といえます。
一般的なプロセスとしては、まず広報活動を解禁し、会社説明会や情報発信を通じて学生の母集団を形成します。次に、エントリーシート(ES)や適性検査、複数回の面接を通じて候補者を選考し、内定を出します。
その後は、入社意欲を高め、内定辞退を防ぐためのフォロー活動が重要です。近年は通年採用やインターンシップからの採用も増えており、自社の採用戦略に合わせたプロセスの設計が求められます。
新卒採用が重要視される理由
人事戦略において新卒採用が重要視されるのは、組織に多くのメリットをもたらすからです。第一に、自社の理念や価値観を一から浸透させやすく、企業文化を色濃く受け継ぐ人材を育成できます。第二に、ゼロから育てることを前提とするため、将来の幹部候補となる人材を長期的な育成計画のもとで確保できます。
さらに、若手社員の新しい視点は、既存社員や組織全体に良い刺激を与え、事業の成長やイノベーションの起爆剤となり得ます。これらは、中途採用だけでは得難い、新卒採用ならではの大きな価値といえるでしょう。
新卒採用における企業文化の影響
新卒採用を成功させる上で、人事担当者は企業文化の役割を強く意識する必要があります。企業の文化は、それ自体が強力な採用ブランドとなり、価値観の合う優秀な学生を引きつけます。選考では「カルチャーフィット」を見極めることが、入社後のミスマッチを防ぎ、定着率を高める鍵です。
一方で、採用した新卒社員は、未来の企業文化を創る存在です。彼らは文化を継承すると同時に、その多様な価値観で組織を活性化させ、時代に即した文化へと発展させていく原動力にもなります。採用と文化の好循環を創り出すことが、人事の重要なミッションです。
新卒採用のメリット9選
新卒採用には、将来を見据えた人材育成や企業文化の浸透など、数多くのメリットがあります。ここでは、企業が新卒採用に注力するメリットを具体的な9つの視点から紹介します。
企業文化を継承した人材になる
新卒採用では、企業文化や理念を受け入れやすい人材を育成できるのが大きなメリットです。就労経験のない新卒者は、他社の価値観や慣習に染まっていないため、自社の文化や考え方に素直に適応しやすい特徴があります。
また、新卒者は企業の理念やビジョンに共感して入社を希望するケースも多く、企業として大切にしている精神性・行動様式を次世代へと継承していける可能性が高まります。
企業文化は制度やマニュアルではなく、社員一人一人のふるまいや姿勢に根付くものです。だからこそ、まっさらな状態から育てられる新卒社員は、文化の担い手としても重要な存在になるといえるでしょう。
新たな考え方や視点を導入できる
新卒社員は、これまでの職場経験がないからこそ、柔軟な発想や視点を持ち、組織に新たな気づきをもたらす存在です。固定概念にとらわれない意見や提案は、既存のルールや業務フローの改善につながる可能性もあります。
また、新卒者を育成する場面では、先輩社員が研修を担当するケースが多くみられます。この過程を通じて、既存社員が自分の仕事を客観的に見直す機会となり、業務のブラッシュアップが促されることも少なくありません。
新しい視点の流入と既存社員の振り返りが同時に起きることで、社内全体の活性化にもつながっていきます。
将来の幹部候補となる
新卒は、長い時間をかけて育成できるため、将来の幹部候補としての可能性を秘めています。会社の理念や業務への理解を深めながら、複数の部署を経験することで、幅広い視野を持った人材に成長させることができます。
また、新卒者は特定の職種や働き方に固執する傾向が少なく、柔軟に業務に対応できる人が多いのも特徴です。勤務地にもこだわらないケースが多いため、ジョブローテーションや転勤を通じて成長の機会を広げることができます。
自社の価値観に共感し、一から育てた人材だからこそ、経営幹部としての資質を持った人材に育ちやすいといえるでしょう。
1人当たりの採用コストが抑えられる
新卒採用は、中途採用に比べて1人当たりの採用コストを抑えられるというメリットがあります。新卒採用は一括で広報・選考・研修を行うことが多いため、複数名をまとめて対応でき、イベントや説明会の開催数も少なくて済みます。
また、毎年同じ時期に採用活動が集中することで、採用フローや担当者の業務が標準化され、ノウハウが蓄積しやすい点も効率化に寄与しています。
実際のデータでも、新卒採用のコストは中途採用より十数万円程度低く、長期的に見たコストメリットは大きくなります。採用だけでなく、育成まで見据えた投資として考えても、新卒採用はコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。
企業知名度やイメージの向上につながる
新卒採用に力を入れることは、企業の知名度やイメージの向上にもつながります。新卒市場は母集団が大きく、学生は熱心に企業情報を収集しているため、採用広報の効果が広く波及しやすいのが特徴です。
また、ユニークな採用活動を行っている企業は、メディアに取り上げられることもあり、注目度の高い採用活動はブランディングにも寄与します。
たとえ不採用になった学生であっても、企業の理念や価値観に共感してもらえれば、自社のファンとして関係を持ち続ける可能性も高まります。
採用を通じて築いた接点が、採用以外の場面でも企業の印象を良くし、中長期的な企業価値の向上につながります。
社内の年齢構成の偏りをなくすことができる
新卒採用を定期的に行うことで、社内の年齢構成をバランス良く整えることができます。社員が特定の世代に集中していると、その世代が定年を迎える時期に一斉に人材が抜け、組織の力が一気に低下してしまうリスクがあります。
毎年若手人材を採用していれば、年齢層の偏りを防ぎつつ、経験豊富なベテラン社員から若手への知識継承もスムーズに行えます。また、年齢の多様性は組織に新しい視点や柔軟性をもたらし、変化の激しい環境にも対応しやすくなります。
安定した人材構成が維持されることで、企業の継続的な成長や安定した経営にもつながっていきます。
選考スケジュールが立てやすい
新卒採用では、政府によって定められたスケジュールに沿って採用活動を行うため、計画的に準備を進めやすいという利点があります。たとえば、広報解禁は3月、選考解禁は6月、内定解禁は10月といったように、年間スケジュールが明確です。
このため、中途採用のように都度調整が必要になることは少なく、採用フローや研修の準備も効率的に行えます。また、入社時期も毎年4月に統一されているため、一括で教育体制や配属の準備がしやすいのもポイントです。
採用活動にかかる手間を軽減し、業務のスムーズな進行にも貢献する点で、新卒採用は企業にとって合理的な選択肢といえるでしょう。
既存社員の成長につながる
新卒採用は、既存社員にとっても成長の機会です。新入社員の教育や指導にあたることで、自身の業務内容やスキルを見直し、理解を深めることができます。
また、後輩の手本になろうとする姿勢が生まれることで、既存社員のモチベーション向上にもつながります。教育を通じて「人に教える力」や「マネジメント力」が磨かれるため、リーダーシップの育成にも有効です。
さらに、新卒社員の新しい視点や価値観が、組織に良い刺激を与え、職場全体の活性化にもつながります。こうした連鎖的な成長効果が、新卒採用の隠れた大きなメリットの1つです。
中小企業も優秀な人材を獲得できる
中小企業にとって、新卒採用は優秀な人材と出会う貴重な機会です。中途採用市場では、優秀な人材はすでに就業中で転職しにくく、仮に市場に出てきても競争率が高くなります。
一方、新卒市場は年間45万人以上の学生が対象であり、規模や知名度に左右されずにアプローチできる可能性があります。採用活動を工夫すれば、学生の価値観やビジョンとマッチした人材を中小企業でも獲得できます。
将来性のある人材を早期に採用し、自社でじっくり育成することで、経営基盤の強化にもつながります。新卒採用は、中小企業にとっても人材戦略の鍵を握る重要な手法です。
【対処法付き】新卒採用のデメリット6選
メリットが多い一方で、新卒採用には特有の課題も存在します。採用活動で失敗しないためには、デメリットを把握し、適切な対処法を講じることが大切です。
戦力になるまでに時間・コストがかかる
新卒採用の最大のデメリットは、戦力になるまでに時間とコストがかかることです。就労経験がない新卒者は、社会人としての基礎から教育を行う必要があり、研修期間は数カ月から1年に及ぶ場合もあります。
その間は企業に貢献できる働きが期待しづらく、企業にとっては投資期間と位置づけられます。さらに、研修費用や担当者の工数といった育成コストも発生します。
こうした負担に備えるためには、教育体制の整備に加えて、中長期的な人材育成を見越した採用計画と資金計画が不可欠です。新卒者を戦力化するまでの道のりを見越した、持続可能な採用戦略が求められます。
採用にかかる時間が長い
新卒採用は、募集から内定、入社までに1年近くを要することが一般的です。企業説明会や複数回の選考など、学生の適性を見極めるために多くの工数がかかる点が特徴です。
また、内定後も入社までは半年以上の期間が空くため、懇親会や面談などで継続的なフォローが必要となり、採用担当者への負担は非常に大きくなります。
中途採用であれば短期間で入社に至るケースが多い一方、新卒採用では一貫した計画と人材リソースの確保が欠かせません。業務に支障をきたさないよう、余裕をもったスケジューリングと社内体制の構築が必要です。
学生が一斉に就活をするため人材確保競争が激しい
新卒採用は、限られた時期に多くの企業が一斉に採用活動を行うため、優秀な学生の獲得をめぐる競争が激化します。学生側も複数企業への応募・選考を並行して進めており、企業が選ばれる側になる状況も珍しくありません。
特に売り手市場の状況では、知名度の高い大手企業に人気が集中し、中小企業や新規参入の企業は不利な立場に立たされがちです。
こうした競争環境のなかで人材を確保するには、採用ブランディングや選考プロセスの工夫、早期のアプローチなど、戦略的な取り組みが求められます。
多くの企業を受けるため内定辞退のリスクが高い
学生は就職活動中、複数の企業の選考を同時に進めることが一般的であり、そのため内定を出しても辞退されるリスクは常に存在します。実際、内定後も就職活動を継続し、他社と比較して最終的な進路を決めるケースが増えています。
企業側は、入社意思を高めるために内定後フォローを継続的に実施する必要があります。懇親会や面談などを通じて接点を維持し、志望度を下げない工夫が不可欠です。
ただし、いかにフォローを行っても一定数の辞退は避けられないと理解し、リスクを前提に複数名の確保や辞退を見越した採用計画を立てておくことが現実的な対処法といえるでしょう。
入社時期が固定されている
新卒採用では、入社時期が4月に固定されていることがほとんどです。これは、教育や配属の準備を一括で行えるメリットもありますが、反面、企業側の柔軟な人材補充が難しくなるという制約にもなります。
業績やプロジェクトの状況にかかわらず、必要なタイミングでの人材補強ができないため、即戦力を求める状況では、新卒採用は適応しにくい場合があります。
また、同時期に多数の新入社員が入社することにより、受け入れ側の負担も大きくなります。配属先の調整や育成体制の強化を事前に行うことで、スムーズな立ち上がりを実現することが重要です。
社会人経験がないため、ミスマッチが起こりやすい
新卒者は社会人経験がないため、働くことの具体的なイメージを持てていないことが多く、入社後のミスマッチが起こりやすい傾向があります。仕事内容や職場環境に対する理解が不十分なまま入社し、「思っていた仕事と違う」と感じて早期離職に至るケースもあります。
厚生労働省(※1)によると、大卒新卒者の3年以内離職率は約34.9%と高水準です。特に小規模事業所では5割を超えることもあり、企業にとっては深刻な課題です。
ミスマッチを防ぐには、採用段階から企業文化や職場のリアルな情報を積極的に伝えることが重要です。また、入社後の丁寧なフォローや育成も欠かせません。
(※1)参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」
中途採用のメリット5選
中途採用は即戦力を確保できる手段として、多くの企業で活用されています。ここでは、経験豊富な人材を迎えることで得られる主なメリットを5つに整理してご紹介します。
即戦力を獲得できる
中途採用の最大のメリットは、即戦力となる人材を獲得できる点です。すでに一定の職務経験やスキルを持っているため、入社後すぐに業務に対応してもらえるケースが多く、戦力化までの時間が短縮されます。
特に、同業界や同職種の経験がある場合には、教育・研修の手間を大幅に省くことができ、育成にかかるコストも削減できます。新卒採用のように長期的な育成を前提とせずに採用できるため、急ぎのポジション補填(ほてん)や即応が求められる業務にも適しています。
社会人としての基本的なマナーやビジネススキルを備えている点も、中途採用人材の強みといえるでしょう。
欲しい人材をピンポイントで確保できる
中途採用では、求める経験やスキル、資格などを明確にしたうえで採用活動を行えるため、必要な人材をピンポイントで確保しやすいという特徴があります。たとえば「業界経験3年以上」「◯◯資格保有者」など、業務に直結する要件を設定しやすいのが利点です。
これにより、即戦力の人材を効率良く見つけることができ、組織の人員配置の最適化にもつながります。特に、急な欠員補充や事業拡大による人材ニーズが生じた際には、中途採用の柔軟性が大きな助けとなります。
条件に合う人材が見つかれば、選考から入社までが数週間から数カ月で完了するため、スピーディーな人材補充が可能です。
短期間で採用できる
中途採用の大きな特徴は、採用から入社までのスピード感です。新卒採用のように1年がかりのプロセスを必要とせず、数週間から数カ月で入社に至るケースが一般的です。
これは、急な人員補充や新規事業の立ち上げなど、早期の人材確保が求められる場面において非常に有効です。また、入社後すぐに業務に就いてもらえるため、組織のパフォーマンス維持や向上にも直結します。
ただし、スピーディーな採用であっても、ミスマッチを防ぐためには、事前の要件定義や選考フローの丁寧な設計が欠かせません。スピードと質を両立させることが、中途採用成功の鍵です。
自社が持っていないノウハウを得られる
中途採用は、自社にないノウハウやスキルを取り込む絶好のチャンスでもあります。特に、同業他社からの転職者であれば、実践的なスキルや業務改善の知見を持ち込んでくれることがあります。
また、異業種からの転職者も貴重な存在です。新たな視点や価値観が社内に刺激をもたらし、既存の枠組みにとらわれない発想によって、業務プロセスの見直しやイノベーションが促されることもあります。
さらに、前職で築いた人脈を活用し、新しい取引先やビジネスチャンスの創出につながる可能性もあります。このように、中途採用は単なる人材補充にとどまらず、企業全体に好影響を及ぼすきっかけになるでしょう。
研修にかかるコストを抑えることができる
中途採用は、すでに社会人としての基礎が身についている人材を対象とするため、研修コストを抑えられる点も大きな利点です。ビジネスマナーや業界知識を一から教える必要が少なく、入社後すぐに実務に入ってもらえるケースがほとんどです。
同業種・同職種の経験があれば、より短期間で業務に順応し、現場の負担も軽減されます。一方、採用単価が新卒より高くなる場合もありますが、その分のコストは教育費の削減や早期の活躍によって十分に回収が可能です。
人材育成に時間をかけられない状況や、即戦力を求める職種では、コストパフォーマンスに優れた選択肢といえるでしょう。
中途採用のデメリット2選
中途採用には即戦力性という魅力がある一方で、注意すべきデメリットもあります。ここでは、見落としがちなリスクや課題点を2つに絞ってお伝えします。
企業文化になじむのに時間がかかる
中途採用者は、前職での経験や価値観を持って入社するため、自社の企業文化になじむまでに時間がかかるケースがあります。特に、前職で特定のやり方や考え方に慣れていた場合、新たな職場環境にストレスを感じやすくなる傾向があります。
以前の企業文化と自社の方針に大きな違いがあると、業務に対する姿勢やコミュニケーションのスタイルにギャップが生じ、結果として職場の一体感を損なってしまうこともあります。
このような文化的なミスマッチが放置されると、業務効率やチーム連携に悪影響を及ぼし、商品・サービスの質の低下にもつながりかねません。入社後のフォローや受け入れ体制の整備が重要です。
すぐに転職してしまう可能性がある
中途採用には、早期離職のリスクも伴います。転職者はすでに職務経験がある分、新しい職場に対する適応力や判断基準も明確であり、少しでも業務や社風にミスマッチを感じれば、早期に転職を選択することがあります。
また、転職経験があることで、「転職する」という行動そのものへの心理的ハードルが低くなっている傾向もあります。そのため、1社に長く勤め続けることよりも、自分に合う環境を柔軟に探す姿勢を持つ人も少なくありません。
中途採用は1人あたりの採用コストが高いため、こうした早期離職のリスクを軽減するには、採用段階での見極めと、入社後の適切なフォローが欠かせません。
新卒採用を成功させるポイント
成果の出る新卒採用には、計画的な準備と工夫が欠かせません。ここでは、採用活動を成功に導くために押さえておきたい6つのポイントを紹介します。
採用計画の策定を慎重に行う
新卒採用を成功させるためには、事前の採用計画を綿密に立てることが重要です。毎年の採用活動が前年の踏襲に終始している企業もありますが、学生の意識や市場環境は年々変化しており、柔軟な対応が求められます。
特に、就活生は「知名度」や「企業規模」よりも、「やりがい」や「成長性」といった要素を重視する傾向が強まっています。このような学生の価値観を理解し、それに対応した採用計画を立てることで、採用のミスマッチを減らすことができます。
また、採用後の人材育成や配置を視野に入れたタレントマネジメントの視点を取り入れることも効果的です。採用を単発の施策としてではなく、組織全体の人材戦略の一環として捉える姿勢が重要です。
なお、ワンキャリアでは、6万件以上の学生の体験談や競合企業の選考情報、大学ごとの学事スケジュールなどを活用して、精度の高い採用計画を立てることが可能です。自社分析・競合比較・学生動向の把握をワンストップで行えるため、変化の激しい採用市場でも柔軟な戦略立案を実現できます。
多様な採用手法を採用する
近年の学生は、就職先に「仕事のやりがい」や「自己成長性」を強く求める傾向があります。こうした価値観に対応するためには、従来の就活ナビサイトや一括エントリー形式の採用活動に加えて、多様な手法を取り入れることが有効です。
たとえば、学生のリアルなクチコミや選考体験が集まる「ワンキャリア」のようなプラットフォームでは、エントリー時期だけでなく選考期間中にも学生の高い利用が見込めます。学生の関心や動向をデータで把握できるため、企業側は戦略的にアプローチすることが可能です。
さらに、自社と競合の評価の違いや学生の反応を可視化できる点も魅力です。採用手法を複線化し、データに基づく施策を講じることで、学生の志望度を高めやすくなり、結果として定着率の向上にもつながるでしょう。
内定者のフォローをしっかり行う
新卒採用では、内定から入社までの期間が長いため、フォロー施策の有無が入社意欲に大きな影響を与えます。近年は内定を得ても就職活動を続ける学生が多く、他社との比較が常態化しています。
このような背景を踏まえると、懇親会や内定者向けイベント、定期的な面談などを通じて、企業との関係性を維持・強化していく取り組みが欠かせません。学生が「この企業で働きたい」と思える接点を継続的に提供することが、辞退防止につながります。
また、入社後の期待値と実態のギャップを小さくするためにも、事前に業務内容や働き方に関するリアルな情報を共有しておくことが効果的です。
オンラインでの採用活動にシフトする
新型コロナウイルス感染症の影響をきっかけに、採用活動のオンライン化が一気に進みましたが、学生側の意識もその流れに順応しています。
企業側としては、採用活動の初期段階からオンライン面談やウェブセミナーなどを取り入れることで、学生との接点を増やしやすくなります。
オンラインならではの機動力を生かせば、遠方の学生ともスムーズに接触でき、より多くの母集団形成が可能です。また、学生にとっても場所を問わず参加できることで負担が軽減され、応募のハードルが下がります。
ただし、リアルに比べて情報の伝達や相互理解が難しくなる面もあるため、伝えたい企業情報を整理し、分かりやすく発信する工夫が求められます。
インターンを充実させる
長期インターンへの参加率が高まるなかで、インターンの内容や質が企業選びに直結する傾向が強まっています。学生にとって、インターンは企業文化や仕事内容を深く理解する貴重な機会です。
そのため、表面的な業務紹介ではなく、実際の業務に近い体験や社員とのリアルな交流を重視した設計が重要です。また、「やりがい」や「自己成長性」を実感できるような構成にすることで、学生の志望度を大きく高めることができます。
単なる就業体験ではなく、相互理解を深める場としてインターンを位置づけることで、ミスマッチの防止にもつながり、採用後の定着率向上にもつながるでしょう。
魅力的な企業情報を発信する
学生は就職活動において、企業のウェブサイトや採用動画といった「企業発信のリアルな情報」を重視する傾向があります。特に、社員インタビューや社内の雰囲気が伝わるコンテンツに価値を感じているのが特徴です。
企業としては、単に条件や制度を説明するのではなく、「どんな人が、どんな思いで働いているか」「どんな価値を社会に提供しているか」といった点を伝える情報発信が求められます。
リアリティのある情報を積極的に提供することで、学生との信頼関係を構築しやすくなり、共感を得たうえでのエントリーにつながります。媒体を問わず、自社の魅力を自ら伝える姿勢が採用成功の鍵を握ります。
新卒採用に力を入れるべき企業の特徴
新卒採用の効果を最大化できるのは、どのような企業なのでしょうか。ここでは、新卒採用に向いている企業の特徴を3つに分けて解説します。
企業文化を重要視している
企業文化を大切にしたいと考える企業にとって、新卒採用は非常に有効な手段です。社会人経験がない新卒者は、企業理念やビジョンを一から丁寧に教え込むことができるため、自社の文化を純粋に継承してくれる存在です。
一方で、中途採用者は前職の価値観や仕事の進め方に強く影響を受けている場合が多く、企業文化に染まりきるのが難しいケースもあります。そのため、文化の根幹を維持したい企業にとっては、まっさらな状態の人材を育てていくことが最も現実的な方法といえるでしょう。
自社らしさを次世代に伝え、組織の一体感を育むためにも、新卒採用は重要な役割を果たします。
新規事業を始めようとしている
新規事業の立ち上げを検討している企業にとって、新卒者の柔軟な発想や積極性は大きな武器です。新卒者は固定概念にとらわれず、フラットな視点で物事をとらえる力に長(た)けており、未経験の領域に対しても柔軟に対応できる資質を持っています。
また、先輩社員も経験していない分野であれば、新卒者が主体的に意見を出し、業務に取り組む環境が自然と生まれます。新規事業のプロジェクトにおいては、立場や経験に関係なく全員が対等な立場で関与することが多く、若手にも責任感が芽生えやすいといえるでしょう。
新卒採用は、事業の成長だけでなく、組織の活性化や人材育成の好循環を生むきっかけにもなります。
社員の成長意欲を高めたい企業
若手人材の育成に力を入れたいと考えている企業にとって、新卒採用は有効な手段です。優秀な学生ほど、就職先に「どのように成長できるか」を重視しており、そのニーズに応える体制を整えることが、採用の競争力につながります。
新卒者を積極的に受け入れ、育成制度やキャリアパスを明示することで、企業としての成長支援の姿勢を示すことができます。また、育成文化が根づくことで、社内の既存社員の意欲向上や指導力の強化といった副次的な効果も生まれます。
社員の成長を重視する企業文化を築くことは、長期的な人材定着や組織の持続的な発展にも直結するでしょう。
新卒採用でよくある失敗例
せっかくの採用活動も、戦略を誤ると期待した成果につながらないことがあります。ここでは、新卒採用でありがちな失敗パターンを3つに分けて紹介します。
採用基準がぶれてしまう
新卒採用において、採用基準があいまいなまま選考を進めてしまうことは大きな失敗の要因となります。中途採用と異なり、新卒者は実務経験がないため、明確なスキル要件ではなく、将来的なポテンシャルや価値観の一致が重要です。
そのため、採用基準が定まっていないと、選考のたびに評価軸が変わってしまい、ミスマッチを引き起こす原因になります。また、基準があいまいだと、その後の育成や評価、配置といった人材マネジメントの軸も定まらず、組織としての一貫性が失われてしまいます。
採用活動に入る前に、自社が求める人物像や採用の目的を明確にし、全社で共通認識を持つことが不可欠です。
採用人数の見積もりが甘い
採用活動では、採用する人数を適切に見積もることが非常に重要です。人数の設定があいまいなままでは、教育体制やフォロー体制が追いつかず、入社後に人材が十分に生かされない事態を招いてしまいます。
特に新卒採用では、一度に複数名を迎えることが多いため、自社が実際に育成可能な人数を見極めたうえで採用枠を設計する必要があります。必要な母集団の規模や選考通過率も踏まえ、逆算的に計画を立てることが欠かせません。
無理な採用人数の設定は、教育コストの増大や離職リスクの増加にもつながるため、慎重な戦略立案が求められます。
欲しい人材が明確になっていない
新卒採用におけるよくある失敗の1つが、「どんな人材が必要か」が明確ではないまま採用活動を始めてしまうことです。目的のない採用では、結果的に年齢構成が偏ったり、社内の人間関係に悪影響を及ぼしたりするリスクがあります。
たとえば、既存社員の多くが高齢である場合に、急激に若手を増やすことは、社内のコミュニケーションギャップを広げる要因にもなります。表面的には平均年齢が若返っても、組織としての結束力や育成バランスが崩れてしまう可能性があるでしょう。
こうしたリスクを避けるためにも、自社の現状と将来のビジョンに照らして「なぜ」「どのような人材が必要なのか」を言語化しておくことが重要です。
新卒採用にはワンキャリアがおすすめ
新卒採用の効率化と質的向上を両立させたい人事担当者の皆様には、「ワンキャリア」の活用がおすすめです。
これは、多くの学生が利用する就職サイト「ワンキャリア」と連携した、新卒採用向けの採用マーケティングプラットフォームです。候補者情報の一元管理や選考進捗(しんちょく)の可視化はもちろん、学生へのスカウト機能、イベントやインターンの効果測定、データに基づいた魅力的な求人票作成まで、戦略的な採用活動を支える機能が満載です。
煩雑な事務作業から解放され、学生との対話といった本質的な業務に集中できるため、採用成果の最大化に大きく貢献します。
まとめ
この記事では、新卒採用のメリット・デメリットを中途採用と比較しながら、その成功のポイントや注意点について多角的に解説しました。新卒採用は、育成に時間やコストがかかる一方で、企業文化の継承、組織の活性化、将来の幹部候補の確保といった、計り知れない価値を企業にもたらします。
重要なのは、これらのメリット・デメリットを正しく理解し、自社の経営戦略と連動した採用計画を策定・実行することです。

