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こちらの記事では、新卒採用でよくある失敗の原因を分析し、成功に導くための具体的な対策を解説します。応募が集まらない等の失敗事例や、求める人物像の明確化といった成功のポイントを網羅しています。この記事を読めば、自社の課題に合った改善策が見つかります。
新卒採用で失敗してしまう企業の特徴
新卒採用がうまくいかない企業には、共通点があります。学生からの認知不足や基準の曖昧さなど、見落としやすい要因が失敗を招きます。ここでは、新卒採用で失敗してしまう企業の特徴について解説します。
学生からの認知が不足している
企業の魅力が十分に伝わらなければ、学生は働くイメージを描けず応募をためらってしまいます。募集要項が必要最低限の内容にとどまると、事業や社風が見えず志望度は高まりません。
また、動画やスライドでの紹介だけでは現場とのギャップが生じることもあります。実際にオフィスを見学したり、年齢が近く活躍している社員と交流したりする機会を設けることが重要です。社員の表情や動き、職場の雰囲気を体感することで「ここで働いてみたい」と思えるきっかけが生まれ、応募数や質の向上につながります。
さらに、自社の事業や目標、既存社員の個性を積極的に発信し、情報を「見える化」することで、学生からの認知を高めることができます。
欲しい人材の基準があいまい
求める人物像が定まっていないまま採用活動を進めると、適性のある学生を見極められず、入社後にミスマッチが起きやすくなります。学生が持つ働くうえでの軸や行動特性、夢や目標を丁寧に聞き取り、適性を把握することが不可欠です。
そのうえで、現場で働く社員と学生を直接会わせる機会を設けると、企業側は学生がどの部署に合うかを判断しやすくなり、学生もリアルな職場をイメージできます。採用担当者だけで判断せず、現場スタッフの視点を取り入れることで、学生と企業の双方にとって納得感のあるマッチングが可能になります。
選考プロセスが長い
面接後の合否連絡や次回選考の案内が遅れると、学生は不安になり志望度を下げてしまいます。選考途中で辞退につながることも多く、せっかく出会えた人材を逃す原因となります。
合否の連絡が遅い企業や、対応が冷たい企業は「学生を大切にしていない」という印象を与えてしまい、他社に目移りするリスクが高まります。特に就職活動中の学生は複数の企業を比較しているため、スピード感のある対応が欠かせません。
条件を満たした人材にはできる限り早く結果を伝えることを意識し、最近の学生の思考を理解したうえでプロセスを設計する必要があります。迅速で丁寧な対応は、志望度を維持し優秀な学生を確保するために欠かせないポイントです。
新卒採用の失敗事例7選と考えられる原因
新卒採用では、応募が集まらない、内定辞退が続くなどさまざまな失敗が起こり得ます。背景には戦略不足やプロセスの問題があります。ここでは、新卒採用の失敗事例7選と考えられる原因について解説します。
応募が集まらず、人材を確保できなかった
突発的な退職で欠員が生じた場合、早急に補充できなければ既存社員への負担が大きくなります。
しかし現在の採用市場は売り手優位であり、求人を出せば人材が確保できる時代ではありません。応募が集まらない状況が続くと社員の離職がさらに進み、悪循環に陥る危険もあります。
原因の1つは、従来型の採用手法に固執していることです。合同説明会やナビサイトだけでなく、SNSや求人サイトのメッセージ機能を使ったダイレクトリクルーティング、社員紹介によるリファラル採用、カジュアルに候補者を招くミートアップなど多様な手法を検討すべきです。
さらに、自社サイトを通じて魅力を発信し、求める人材に合う採用方法を模索することが応募不足を解消する鍵です。
求める人材に出会えない
募集が一定数集まっても理想の人材に出会えないのは、ターゲット定義や採用手法の選定が不十分な可能性があります。
自社にとって「優秀」とは何かを明確にせずに採用を進めると、結果的にミスマッチが起きやすくなります。ターゲット像が抽象的、あるいは理想が高すぎることも原因です。
また、従来型の求人媒体だけではターゲット層に届かないケースもあります。OB訪問やイベント参加、SNS活用などターゲット層に合わせた方法を取り入れ、母集団の量と質を両立させる必要があります。
採用後にミスマッチが起きた
採用ミスマッチは、待遇や仕事内容、社風の認識が食い違うことで「思っていた職場と違う」と感じさせ、早期退職やモチベーション低下を招きます。
大きな原因は、求める人物像を定義できていないことです。企業側が明確な基準を示せなければ、応募者も自分が合うかどうか判断できず、双方にとって中途半端な選考になってしまいます。
さらに、求人内容が不十分で具体性に欠けると、仕事内容と応募者のスキルや希望が噛(か)み合わず、早期離職の引き金になります。採用時点で情報を明確に開示し、相互理解を深める工夫が必要です。
選考辞退が多く発生する
選考途中で辞退が発生するのは珍しくなく、その背景には説明不足や選考スピードの遅さがあります。仕事内容や社風が伝わらないと志望度が下がり、他社に魅力を感じた学生は離脱してしまいます。
また、面接回数が多すぎて選考が長期化することや、面接後の連絡が遅いこともモチベーションを下げる要因です。学生は複数企業を比較しているため、「連絡が来ないから他社に決めた」となることもあります。
選考フローのテンポ感や担当者の対応品質を見直すことが、辞退を防ぐために不可欠です。
内定辞退が多い
有効求人倍率の上昇により、学生は複数の内定を持つことが一般的になりました。そのため、自社への就労イメージが曖昧なままだと、条件面や雰囲気の比較で他社に流れてしまいます。
原因の多くは、内定後のフォロー不足です。内定者の不安を放置すれば、心変わりが起きやすくなります。内定者懇親会やカジュアル面談、体験入社などを通じてコミュニケーションを取り、不安を解消し自社への愛着を育むことが大切です。内定後の関係構築が、辞退防止のカギを握ります。
1年以内の離職率が高い
せっかく採用しても、入社後すぐに辞めてしまうケースは少なくありません。背景には、採用時点での情報不足によるミスマッチ、人間関係の不和、待遇への不満などがあります。
特に1年目は環境に慣れず、上司との関係や同期との比較で挫折を感じることが多い時期です。採用時に十分な情報提供ができていれば、リスクを軽減できます。
さらに、入社前インターンや職場体験を通じて実際の環境を知ってもらうことで、入社後のギャップを小さくし、早期離職を防ぐ効果が期待できます。
入社した人材が戦力化に時間がかかる
新卒採用は入社がゴールではなく、定着・活躍して初めて成功といえます。入社後に戦力化が進まない原因には、人材配置の不適切さやフォロー体制の不足があります。資格や経験があっても実務で生かせない、または職場環境になじめず力を発揮できない場合もあります。
ここには、面接で能力を見抜けなかった面接官の力量不足や、配属後のサポート不足も影響しています。配属部署との連携やメンター制度を取り入れ、早期に適応できるように支援することが必要です。教育やフォローを怠れば、戦力化が遅れ、離職リスクも高まります。
新卒採用に失敗するとどうなる?
新卒採用が失敗すると、人材不足や育成機会の喪失、無駄なコストなど、企業に深刻な影響が及びます。採用は組織の成長を左右する重要な活動です。ここでは、新卒採用に失敗するとどうなるかについて解説します。
人手不足により、企業の成長が止まる
必要な人材を確保できない場合、その負担は既存社員に集中し、長時間労働や有給取得の困難化といった労働環境の悪化を招きます。特に欠員補充がうまくいかないと、社員が疲弊して退職が連鎖する悪循環に陥る可能性もあります。
新卒採用は即戦力よりも将来のリーダー候補を確保する意味合いが強いため、短期的には人手不足が顕在化しないこともありますが、長期的には若手人材の不在や業務の属人化が進み、企業成長に深刻な影響を及ぼします。
さらに社員の忠誠心や帰属意識が下がれば、生産性の低下や業績悪化につながりかねません。このように、新卒採用の失敗は単なる人員不足にとどまらず、企業力そのものを弱めるリスクをはらんでいます。
新人育成が出来ず、スキルの継承が出来なくなる
新人教育は先輩や上司が自らの業務時間を割いて行います。しかし早期離職者が出てしまうと、育成に投じた時間と労力はすべて無駄となり、教育担当者のリソースまで失われます。
結果として新人育成が進まず、業務遂行に不可欠なノウハウや暗黙知が継承されなくなります。これにより、作業効率の低下やミスの増加といった悪影響が広がります。
特に「業務のコツ」「トラブル対応」といった現場でしか学べないスキルが次世代に伝わらなくなると、組織全体の力は確実に低下します。採用の失敗が教育投資を無駄にし、スキルの連鎖を断ち切ることになる点を理解しておく必要があります。
採用コストが無駄になる
採用活動には求人サイトへの掲載費やホームページの改修費、採用担当者の工数など多くのコストが発生します。
例えば10名の新卒を採用するのに500万円かかれば、1人あたり50万円の採用コストが計算されます。ところが、入社後に早期離職が発生すれば、その投資は回収される前に失われ、企業収益を直接圧迫します。
さらに人材不足が解消されない場合、追加の求人広告費や外部委託、派遣社員の活用といった新たなコストも発生し、予定以上の出費を強いられます。
求人広告や大手サイトの利用は必要不可欠ですが、せっかくかけた費用を無駄にしないためにも、定着して貢献できる人材を採用することが求められます。
採用を成功させるためのポイント12選
新卒採用を成功させるには、明確な基準設定や学生との接点強化、プロセス改善など多面的な工夫が必要です。効果的な施策を理解することが、採用力向上につながります。ここでは、採用を成功させるためのポイント12選について解説します。
求める人物像を明確にする
採用を成功させるためには、まず自社が本当に必要としている人物像を明確に定義することが不可欠です。「高学歴な人」「明るい人」など抽象的な基準では、選考の軸がぶれて採用の失敗につながります。
また、面接の場で他の魅力に引きずられて、当初の条件を満たさない人材を採ってしまうケースも見受けられます。そのため、人事担当者は日々、自社に必要な条件を再確認し続けることが大切です。
そのうえで、学生の条件が適合しているかを確認できる質問を事前に準備しておき、採用基準を一貫して運用しましょう。必要に応じて学生に条件を明示することも有効であり、企業と学生双方の認識のずれを防ぐことにつながります。
多様な採用手法を活用して学生との接点を増やす
現在は多くの企業がインターンシップを活用し、学生と早期に接点を持つことで自社の魅力を伝えています。
特に中小企業は大手と比べて集客に苦戦するため、求人サイト以外のルート確保が重要です。インターンに加えて送客サービスや新卒紹介を活用すれば、学生との接点を大幅に増やすことができます。
送客サービスは、自社の採用ターゲットに合った学生を説明会や選考に呼び込む仕組みで、効率的に母集団を形成できる点が特徴です。
また、マイナビの調査によると学生は「やりたい仕事ができる」「安定している」「社風がよい」を重視するため、発信内容を丁寧に設計することも必要です。
さらに都市部だけでなく、ブルーオーシャンである地方学生へのアプローチも有効です。地方大学の説明会参加や、紹介サービスを通じた接触は新たな母集団形成につながります。
採用管理システム(ATS)を導入する
学生は複数の企業にエントリーしているため、連絡の遅さが志望度低下や辞退につながりやすいです。メール返信や面接日程調整が後手に回れば、「他社の方が対応が早い」と判断され、優秀な学生を逃すことになります。
そこで有効なのが採用管理システム(ATS)の導入です。エントリー状況や面接の進捗(しんちょく)、次のアクションを一元管理できるため、抜け漏れを防ぎ迅速な対応が可能になります。特にエントリー直後の即レスや面接リマインド、結果通知から次回案内までのスピード感を維持するには、システムを活用した仕組み化が不可欠です。
学生に「この会社は自分を大切にしてくれている」と感じてもらえるかどうかは、レスポンスの早さに大きく左右されます。
新卒採用にはワンキャリアがおすすめ
新卒採用の効率化と質的向上の両立を目指す一手として、採用担当者向け「ワンキャリア」をご紹介します。学生に広く利用されている就職サイト「ワンキャリア」と連携し、貴社の採用マーケティングを後押しする専門ツールです。
候補者データの一元管理や選考状況の見える化はもちろん、学生へのスカウト機能、イベント成果の分析、データに基づいた求人作成まで、多彩な機能で戦略的な採用を可能にします。結果として、採用担当者は日々の事務作業に追われることなく、学生との対話という本来注力すべき業務に時間を割けるようになり、採用成果の最大化が期待できます。
採用プロセスを見直す
採用フローが長すぎると学生は途中で他社に決めてしまい、逆に短すぎると十分な見極めができず不安を与えます。最適なバランスを取ることが重要です。
特に「内定を出すタイミングが遅れて他社に取られた」というケースは非常に多く、選考スピードが採用成功を大きく左右します。
一方で、短期間で安易に内定を出すと「本当に評価されたのか」と学生が不安を抱え、志望度を下げる要因にもなります。競合他社のフローを参考にしつつ、自社に最適なプロセスを設計しましょう。選考期間の設計は、学生との接点で信頼関係を築き、定着につなげるための重要なポイントです。
面接官のトレーニングに力を入れる
面接官の力量不足は、履歴書や経歴だけを鵜呑(うの)みにして実務能力を見極められない事態を招きます。
公平で一貫した評価を行うには、面接官に対する体系的なトレーニングが不可欠です。職種ごとの評価基準を設定し、それに沿った質問や深掘りを行えるように準備しましょう。
さらにロールプレイ研修や模擬面接を通じて、学生の本質を見抜く力を養うことも効果的です。面接官が基準を理解し、公平な評価を行える体制を作ることで、採用の質が向上し、入社後のミスマッチも減らすことができます。
自社を理解してもらうことを意識する
説明会や面接で「理解できましたか?」と尋ねるだけでは、学生は曖昧なままうなずき、実際には理解していないまま帰ってしまうことがあります。この状態では志望度は高まらず、途中辞退につながるリスクがあります。
そのため、Yes・Noで答えられる質問ではなく、自分の言葉で説明してもらうオープンクエスチョンを投げかけましょう。学生が自分の考えをアウトプットすることで理解度が深まり、企業への関心も強まります。
また、よい面だけでなく課題や懸念点を共有することで、入社後のギャップを最小化できます。人事と学生の双方向コミュニケーションを意識することが、ミスマッチ防止と志望度向上の両方に役立ちます。
内定後フォローを充実させる
複数の内定を得るのが一般的な学生にとって、自社への愛着が薄ければ辞退につながります。そこで内定後のフォローが不可欠です。定期的な連絡や面談を通じて不安や疑問をヒアリングし、懇親会や体験入社で社員と交流する場を提供しましょう。
こうした取り組みによって、学生は企業理解を深め安心感を得られます。また、企業側も配属先を検討するうえで内定者の志向性を把握できる利点があります。
ただし懇親会の運営を誤ると逆効果になるため、雰囲気づくりには十分注意しましょう。フォローの質が内定辞退率を大きく左右します。
入社直後の研修に力を入れる
新入社員は入社直後、学生から社会人への切り替えがうまくいかず不安を抱えがちです。この時期に研修で「社会人スイッチ」を入れられるかどうかが、成長スピードや定着率を左右します。
研修では基礎的なビジネスマナーだけでなく、将来の目標やキャリアビジョンを描かせる機会を設けることも効果的です。また、入社後だけでなく内定者研修を通じて早期から準備を始めれば、不安を払拭(ふっしょく)しモチベーションを高めることができます。
こうした研修への投資は、長期的に見れば離職防止と人材育成の両面で大きなリターンを生みます。
メンター制度を導入する
メンター制度は、直属の上司とは別に年齢や社歴の近い先輩が相談役として新入社員をサポートする仕組みです。新入社員は気軽に悩みを相談でき、孤立感を防ぐことができます。また、キャリア形成のきっかけにもなり、定着率向上に直結します。
さらに、この制度は先輩社員の成長機会にもなり、会社全体での学習文化を育てるメリットがあります。制度導入により社内コミュニケーションが活性化し、組織力強化にもつながる点が大きな利点です。
求人内容を具体的に記載する
求人票が抽象的だと、応募者は業務を正しくイメージできず、入社後にギャップを感じやすくなります。例えば「元気な方」ではなく「チームで協力しながら進める業務が多いため、積極的に対話できる方」といった形で具体的に示しましょう。
仕事内容や役割を細かく記載することで、求める人材像が伝わりやすくなり、結果的にマッチ度の高い応募が集まります。他社との差別化にもつながるため、求人情報は詳細に記載することが重要です。
会社全体で採用活動に協力する体制を作る
採用を人事任せにせず、全社で協力体制を整えることが成功への鍵です。特に不足が生じている部署の現場社員が採用に関与することで、学生にとっては実際の職場を知るきっかけになり、安心感を与えます。
また、入社後に早期離職が発生する要因の1つが「風通しの悪さ」です。改善に向けた取り組みを同時に進め、職場環境の魅力を高めておくことも必要です。採用は全社的な課題であるという意識を共有し、協力体制を築きましょう。
社員の意欲を向上させる取り組みを行う
採用の定着と活躍を支えるのは、入社後に「働き続ける理由」を提供できるかどうかです。資格取得支援や研修制度などのスキルアップ施策に加え、フレックスタイムやリモートワークなど柔軟な働き方を導入することも効果的です。
社員が「成長できる」「働きやすい」と感じられる環境を整えることで、モチベーションが向上し、結果的に離職防止にもつながります。採用はゴールではなくスタートであることを忘れず、入社後も社員の意欲を高める施策を継続的に行いましょう。
新卒採用で失敗しないためのおすすめ採用手法
採用活動では、媒体に依存せず多様な方法を取り入れることが成功の鍵です。自社サイトやSNS、紹介制度などを組み合わせることで効果を高められます。ここでは、新卒採用で失敗しないための、おすすめ採用手法について解説します。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業側から学生のプロフィールを検索し、「会いたい」と思った人材に直接アプローチする「攻め」の採用手法です。求人広告を出して応募を待つ従来の方法とは異なり、企業が主体的に動く点に最大の特徴があります。
この手法の大きなメリットは、大手ナビサイトでは出会えない層にアプローチできることです。企業の知名度や規模に関わらず、学生一人一人の経験や価値観を見てスカウトできるため、自社にマッチした優秀な人材を発見しやすくなります。熱意のこもった個別のメッセージは、学生の応募意欲を高める効果も期待できます。
一方で、候補者の検索、プロフィールの読み込み、個別のスカウト文作成といった一連の作業に相応の工数がかかる点がデメリットです。テンプレートのような画一的なメッセージでは学生の心に響かず、効果が薄れてしまうため、一人一人に向き合う丁寧な運用が求められます。
手間はかかりますが、自社の魅力を直接伝え、質の高い母集団を形成できるため、多くの企業にとって導入する価値のある有効な採用手法です。
自社サイトでの採用
就活ナビサイトは利用者数が多く、大学でガイダンスを行うほど学生にとって一般的な存在です。しかし大手や有名企業の掲載数も膨大なため、中小企業は埋もれてしまい、検索や閲覧すらされないリスクがあります。
そのため、自社専用の採用サイトを設けることが有効です。自社サイトであれば、仕事内容や事業内容、社風などを自由に掲載でき、学生が応募前にしっかり理解できます。さらに採用ページを整備すれば、ナビサイトと連携して応募を促進することも可能です。
自社が直接発信できるチャネルを持つことで、他社との差別化を図り、母集団形成の安定につながります。
ソーシャルリクルーティング(SNS採用)
ソーシャルリクルーティングは、学生が日常的に利用するSNSを活用した採用手法です。XやInstagram、TikTokなどで情報を発信すれば、学生にとって身近な媒体で接点を作ることができ、求人情報だけでなく社風や社員の雰囲気を伝えやすい利点があります。
ただし更新頻度が低いと埋もれてしまうため、定期的な発信とコメント・メッセージへの対応といった工数が欠かせません。また、投稿が不適切だと炎上リスクもあるため、企画や運営には注意が必要です。
メリットとリスクを理解したうえで取り組むことで、SNS採用は学生に強く印象づけられる有効な手段です。
リファラル採用
リファラル採用は、既存社員から知人や後輩を紹介してもらう仕組みで、近年注目されています。紹介者と候補者の間に信頼関係があるため、入社前に企業文化や雰囲気、課題などを共有でき、学生は納得感を持って応募できます。
そのため入社後のミスマッチが少なく、定着率が高い傾向にあります。また、紹介者である社員も「自分の推薦者」という意識を持つため、定着を後押しするサポート役となりやすい点も強みです。
求人広告に比べコストが抑えられる一方で、紹介の広がりが限定的になりがちなため、制度を定着させる工夫も必要です。信頼に基づく採用手法として、効果的に取り入れる価値があります。
新卒採用に失敗しないための対策に関してよくある質問(FAQ)
内定辞退を防ぐための対策で最も重要なのは?
最も重要なのは、内定者との継続的で質の高いコミュニケーションを通じて、心理的なつながりを深めることです。内定を出してから入社まで期間が空くと、学生は不安や迷いを感じやすくなります。
定期的な連絡はもちろん、社員との座談会や懇親会、個別の面談などを通じて、会社の雰囲気や人柄を伝え、信頼関係を構築することが不可欠です。「この会社の一員になりたい」「この人たちと働きたい」と思ってもらえるような、丁寧なフォローアップが内定辞退を防ぐ鍵です。
内定者研修は、どのくらいの頻度で行うべきですか?
内定者研修の最適な頻度は、企業の状況や内定者の構成によって異なりますが、回数よりも「目的」と「質」を重視することが大切です。やみくもに回数を増やすと、かえって学生の負担になってしまう可能性があります。
例えば、「入社前の不安解消」が目的なら月1回のオンライン交流会、「同期との連帯感醸成」が目的なら内定式後の対面イベント、「スキル習得」が目的ならeラーニングと月1回の進捗確認、といったように目的を明確にしましょう。量より質を意識し、内定者が「参加してよかった」と思えるような、バランスの取れた企画が求められます。
採用活動の工数が多く、業務負担が大きいです。効率化する方法はありますか?
採用活動の業務負担を軽減し、効率化するには主に2つのアプローチが有効です。1つは、採用管理システム(ATS)を導入することです。ATSを活用すれば、候補者情報の一元管理や選考進捗の自動追跡、メールの自動送信などが可能になり、煩雑な事務作業が大幅に削減されます。これにより、担当者は学生との対話といった、より本質的な業務に集中できます。
もう1つの方法は、採用代行(RPO)を活用することです。採用計画の立案やスカウトメールの送信、面接調整といった業務の一部または全部を専門の外部企業に委託します。プロのノウハウを用いることで、自社のリソースを圧迫することなく、採用活動全体の質とスピードを向上させることが可能です。
オンライン採用と対面採用、どちらを重視すべきですか?
どちらか一方を重視するのではなく、両方のメリットを生かした「ハイブリッド型」の採用活動を行うのが最も効果的です。それぞれの特徴を理解し、採用フェーズに応じて使い分けることが重要です。
例えば、会社説明会や一次面接など、多くの学生に情報を届けたい初期段階では「オンライン」を活用して効率を高めます。そして、最終面接や内定者との面談など、個人の魅力や企業文化へのフィット感を深く見極めたい重要な段階では「対面」の機会を設け、相互理解を深める、といった使い分けが理想的です。
採用活動の成果を客観的に評価するには、どのような指標を用いればよいですか?
採用活動の成果は、最終的な採用人数だけでなく、多角的な指標を用いて評価することが重要です。主に以下のような指標が用いられます。
- 応募数: どれだけ多くの候補者から興味を持ってもらえたか。
- 選考通過率: 各選考段階(書類、面接など)で、次のステップに進んだ候補者の割合。
- 内定承諾率: 内定を出した候補者のうち、実際に入社を承諾した割合。魅力付けが成功しているかを示します。
- 採用単価(コスト・パー・ハイヤー): 採用者1人あたりにかかった費用の総額。コスト効率を測ります。
- 入社後定着率: 採用した人材が、入社後にどのくらいの期間、在籍し続けているか。採用のミスマッチがなかったかを示します。
これらの指標を定期的に分析することで、採用活動の課題を特定し、次年度以降の改善につなげることができます。
まとめ
新卒採用は企業の未来を左右する重要な活動ですが、本記事で解説したように、多くの企業が応募者不足や入社後のミスマッチといった課題に直面しています。これらの失敗は、採用コストの損失だけでなく、企業の成長停滞にも直結する深刻な問題です。
採用活動の成功は、単に選考プロセスをこなすだけでは実現できません。まずは「どのような人材が欲しいのか」という人物像を明確に定義し、会社全体で共有することから始まります。そのうえで、多様な採用手法で学生との接点を増やし、選考を通じて自社の魅力を正しく伝える努力が不可欠です。
さらに、採用活動は内定がゴールではありません。内定後の手厚いフォローや、入社後の研修・メンター制度を充実させることで、内定辞退や早期離職を防ぎ、新入社員の確実な戦力化につながります。
本記事でご紹介した失敗事例や成功のポイントを参考に、ぜひ貴社の採用戦略を根本から見直し、未来を担う優秀な人材の獲得を実現してください。

