目次
「新卒採用の母集団形成を成功させたいけど、方法が分からない」と悩んでいる採用担当者必見! 本記事では、新卒採用における母集団形成の方法を10通り解説します。また、新卒採用の母集団形成を成功させるポイントや実際に新卒採用の母集団形成を成功させた事例もご紹介しますので、参考にしてください。
新卒採用における母集団形成とは? 重要性を確認
新卒採用において「母集団形成」は、採用活動の出発点であり成功の土台です。ここでは母集団形成の意味や重要性について解説します。
母集団形成は新卒採用の「スタート地点」
母集団形成とは、自社の求人に興味を持ち応募してくれる学生を集めることを意味します。採用活動は「学生を集める→企業に惹きつける→学生を選定する」という三段階で進みますが、その第一歩が母集団形成です。
単に数を集めるのではなく、自社とマッチする学生にアプローチできるかが成否を分けます。応募数を確保しつつ、選択肢を広げることで適切な見極めにつなげられるため、採用の出発点として欠かせない役割を担っています。
母集団形成は新卒採用の成功を左右する「最重要ポイント」
母集団形成は採用活動の初期段階でありながら、その後の結果を大きく左右する最重要ポイントです。応募者の量だけを追い求めても、自社が本当に採用したい人材が含まれていなければ意味がありません。
量と質をいかに両立させるかが、成功の鍵です。実際に、多くの企業が母集団形成を大きな課題と感じており、毎年改善に取り組んでいる状況です。それほどに採用の成果に直結する重要ステップといえるでしょう。
新卒採用で母集団形成を行うメリット
母集団形成を適切に行うことで、採用活動の効率化や定着率向上につながります。ここではその具体的なメリットについて解説します。
優秀な新卒人材を確保できる
少子高齢化の影響で優秀な学生の争奪戦は年々激しくなっています。母集団形成を戦略的に進めることで、単なる人数集めではなく、自社の理念やビジョンに共感し、活躍できる学生を集めることが可能になります。
他社との差別化を図りながら、質の高い人材を計画的に確保できる点は大きなメリットです。
採用コストを適正化できる
採用活動では広告費や選考にかかる人件費、さらには内定辞退による追加コストまで多くの費用が発生します。質の高い母集団をあらかじめ形成できれば、無駄な応募者対応を減らし、選考にかかる時間と労力を抑えられます。その結果、採用活動全体の効率化が進み、コストを適正な範囲にコントロールできます。
採用ミスマッチを防止し、定着率を高めることができる
自社が求める人物像に近い学生を母集団に集めることで、入社後のギャップを小さくし、早期離職のリスクを下げられます。定着率が上がれば採用のやり直しにかかるコストも減少し、組織の安定性も高まります。ターゲットを意識した母集団形成は、採用後の働き方にスムーズにつながる重要な施策です。
生産性向上や事業成長につなげられる
母集団形成を行うことで採用活動を計画的に進めやすくなり、歩留まりデータを活用して必要人数を逆算することも可能です。質の高い人材を継続的に採用できれば、業務の生産性は高まり、事業全体の成長に直結します。
さらにデータを活用することで採用の精度を高められ、将来的な組織力の底上げにつながる点も見逃せません。
新卒採用の母集団形成における課題
母集団形成には「数」と「質」の両立といった多くの課題があります。ここでは企業が直面しやすい代表的な課題について解説します。
母集団の「数」を増やす難しさ
採用活動では、最終的に数名を採用するためにも、その数倍以上の応募者を確保する必要があります。しかし、少子高齢化による労働人口減少や売り手市場の影響もあり、母集団の数を十分に集めるのは容易ではありません。
特に知名度の低い企業や中小企業では、学生に認知してもらう段階から工夫が求められます。
学生との接点が足りていない
母集団の数が集まらない背景には、学生に知ってもらう機会が不足していることがあります。とくにBtoBやニッチな業界では社名自体の認知が低く、情報発信の場を広げなければ接点が作れません。
近年は就職情報の収集手段が多様化しており、大手ナビサイトだけでは学生に届かないケースも増えています。そのため、複数の手法を組み合わせ、幅広く接点を持つ取り組みが不可欠です。
内容が学生に響いていない
接点を作っても、学生にとって魅力的に映らなければエントリーにはつながりません。大手ナビサイトには膨大な企業が掲載される一方で、学生が実際にエントリーする数は限られています。
そのなかで選ばれるには、自社で働く価値や他社との差別化を明確に伝える必要があります。人材紹介を利用する場合も、まずはエージェントに自社の強みを理解してもらわなければ、学生に紹介される可能性は低くなります。
母集団の「質」を高める難しさ
数を増やすこと以上に難しいのが、質の高い母集団を形成することです。応募者が増えすぎれば選考の負担が増し、1人あたりに十分な時間を割けなくなります。結果として候補者の見極めや動機付けが不十分になりかねません。採用要件に合う人材を明確にしなければ、自社にマッチした学生を効率よく集めるのは困難です。
選んだ手法が目的や採用ターゲットに合っていない
母集団形成の手法には、広く数を集めるものから特定層に絞ったものまで様々あります。ところが、やみくもに手法を試してもターゲットに届かなければ成果にはつながりません。学生の属性や志向によって有効な媒体やイベントは変わるため、狙う人材像を明確にした上で手法を選び、その効果を振り返ることが重要です。
【10選】新卒採用における母集団形成の方法
新卒採用で母集団形成を行うメリットや課題について理解したところで、次は母集団形成の方法を見ていきましょう。ここでは、大きく10個の方法をご紹介します。
就職サイト
就職サイトを通じて、自社の採用情報を記載してもらうことは、新卒採用の母集団形成に効果的です。以下、就職サイトで母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
就職サイトの最大のメリットは、圧倒的な数の学生と接点を持つことができるということです。
母集団形成において、まず重要となるのは「数」の確保ですが、就職サイトに採用情報を掲載することで、多くの学生との接点を持つことができ、認知度向上に直結します。また、その場で企業へのエントリーもしやすくなっているため、認知だけでなくエントリーの数を増やすにも適切な方法と言えます。
デメリット
一方で、「掲載すれば応募が集まる」とは限らない点には注意が必要です。大手ナビサイトには数千社が掲載されるため、学生の目に触れてもスルーされるケースもあり、競合他社との差別化が難しいという課題があります。
また、掲載費用が高額なケースがあり、費用対効果を測りづらい点もデメリットといえるでしょう。新卒採用の母集団形成で就職サイトを活用する際は、他の手法と組み合わせ、自社が求めるターゲット層への訴求を強化することが成功の鍵となります。
自社の新卒採用サイト
自社の新卒採用サイトは、学生が企業研究を行う際に必ず確認する重要な情報源です。以下、自社の新卒採用サイトで母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
自社の新卒採用サイトの最大のメリットは、求職者に直接、正確な情報を届けられることです。
自社のサイトですので、発信内容を自由に設計でき、求人情報に加えて理念・社風・働き方なども伝えることができます。これにより、自社ブランディングを強化し、企業理解と応募意欲を高められます。また、採用のミスマッチを防ぐことも可能でしょう。
デメリット
一方で、構築や更新に一定のコストが発生する点には注意が必要です。また、効果が出るまで時間がかかる場合もあります。
特に、知名度が低いと流入が限られる可能性もあり、効果が出るまでに時間がかかると感じるケースもあるので注意してください。
新卒人材紹介(新卒エージェント)
新卒人材紹介を介した採用は、時間や手間をかけずに条件に合う人材を紹介してもらえる手段です。以下、新卒人材紹介で母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
新卒人材紹介の最大のメリットは、自社に合う学生を効率的に獲得できることです。これにより、採用ミスマッチのリスクを低減しながら、採用担当者の業務負担を軽減できます。
また、非公開案件にも対応できるため、機密性の高い採用にも適しています。費用は少し高額になるケースがありますが、自社に合う学生を効率的に獲得したいと考えている企業にはぴったりの方法です、。
デメリット
一方で、成功報酬型の手数料が高額になる傾向があり、コストとのバランスを見極める必要があることには注意が必要です。手数料が高額のため、大量採用には不向きといえるでしょう。
また、自社に採用ノウハウが残りづらい点にも注意です。新卒人材紹介を活用する際には、これらのデメリットを常に頭に入れておきましょう。
ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングは、X(旧Twitter)やInstagram、LinkedInなどを活用し、企業の情報を幅広い層に発信する方法です。以下、ソーシャルリクルーティングで母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
ソーシャルリクルーティングの最大のメリットは、求人情報だけでなく、職場の雰囲気や社員の声などを伝えることができることです。新卒学生が知りたい情報は多岐にわたりますが、企業の雰囲気や社員の生の声を知ることで、企業への親近感や信頼感が高まるでしょう。また、SNSを活用した方法ですので潜在層にも情報を届けることができます。
加えて、採用コストを抑えられる点も特徴的です。ソーシャルリクルーティングはSNSを活用する方法なので、あまり採用コストがかかりません。上手く活用すれば、限りなく0に近い採用コストを実現できる可能性もあります。
デメリット
一方で、継続的な運用が必要で、誤投稿へのリスク対応が求められる点には注意が必要です。ソーシャルリクルーティングは即効性に乏しいため、長期的に情報更新を行う必要がありますし、炎上や誤発信などのリスク管理が必要になります。
また、SNSを利用していない層には情報が届きません。学生でSNSを全く利用しない人は少ないとは思いますが、このデメリットは頭に入れておきましょう。
ダイレクトリクルーティング
企業がターゲット人材に直接アプローチするダイレクトリクルーティングは、より精度の高い母集団形成が可能です。以下、ダイレクトリクルーティングで母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
ダイレクトリクルーティングの最大のメリットは、ターゲット人材に直接アプローチができることです。求める人材に直接アプローチすることで、自社への応募確率を上げたり、採用のミスマッチを減らしたりできるでしょう。
また、潜在層に対するアプローチもできるため、採用ノウハウが社内に蓄積され、中長期的な採用力を高めることができます。
デメリット
一方で、工数が増え、業務負担が大きくなることには注意が必要です。特に導入初期はノウハウが不足しやすいため、試行錯誤する時間や費用がかかり、新卒採用担当者の業務負担が大きくなる可能性があります。
また、ダイレクトリクルーティングは即効性はあまり期待できず、短期採用には向かない点にも注意です。ダイレクトリクルーティングを活用する際は、長期的な視点で運用していくことが求められます。
合同説明会・イベント
合同説明会やイベントは、知名度の低い企業が広く学生や求職者にアプローチできる機会です。以下、合同説明会・イベントで母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
合同説明会・イベントの最大のメリットは、企業の認知度を上げることができることです。多様な学生と接点を持てるため、特に知名度の低い企業は広く学生にアプローチできます。
また、会社の雰囲気や価値観を直接伝えられることもポイントです。実際に会って話すことで伝えられる雰囲気や価値観は、企業にとっても学生にとっても非常に有意義なものになるでしょう。
デメリット
一方で、知名度が低い企業は大手企業に埋もれるリスクがあります。会によっては来場者数にばらつきが生じ、効果にムラがあると感じることもあるでしょう。
また、個別対応が難しく、浅いコミュニケーションになりがちな点にも注意が必要です。合同説明会やイベントは学生の人数が多いため、学生1人1人に個別で対応するのは現実的ではありません。浅いコミュニケーションになってしまうと、自社が本当に採用したい学生にアプローチできない可能性もありますので、この点には注意しましょう。
マッチングイベント
マッチングイベントは、交流会形式で学生とカジュアルに接点を持つ機会として注目されています。以下、マッチングイベントで母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
マッチングイベントの最大のメリットは、自社のカルチャーを共有しやすく、共感ベースでの応募動機を醸成できることです。学生と双方向の対話ができるため、お互いがお互いのことを理解できるきっかけになるでしょう。
また、マッチングイベントによって応募ハードルが下がる可能性もあります。学生からすれば、一度カルチャーや価値観を理解した企業に応募することはあまり難しくないでしょう。
デメリット
一方で、短期的な採用成果が出にくく、企画や運営の準備に手間がかかることには注意が必要です。マッチングイベントで会うことができる学生の数には限界があるため、短期的な成果を求める企業には向いていないかもしれません。また、当然ですが企画や運営の準備に手間がかかります。
加えて、応募ハードルが下がると言えども、直接応募につながらないケースもあります。マッチングイベントを行う際には、これらのデメリットを押さえておきましょう。
リファラル採用
社員や内定者からの紹介によって候補者を獲得するリファラル採用は、マッチ度の高い人材を集めやすく、定着率向上にもつながる方法です。以下、リファラル採用で母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
リファラル採用の最大のメリットは、紹介者・候補者ともに企業文化をある程度理解した上で応募するため、採用の質が高まりやすいということです。そのため、採用後の定着率も高くなるでしょう。
また、採用コストを抑えられることもポイントです。紹介者経由で母集団を形成できるため、企業がアプローチするコストを抑えることができます。
デメリット
一方で、紹介の件数や広がりに限界があることには注意が必要です。リファラル採用は紹介者の協力度に依存するため、場合によっては母集団を十分に形成できない可能性もあります。
そのため、リファラル採用を活用する際には、母集団を十分に形成できない可能性を踏まえて別の方法も同時に検討しておきましょう。
大学・研究室訪問(学内セミナー)
大学・研究室訪問では、大学や専門学校の学生と直接接点を持つことができます。以下、大学・研究室訪問で母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
大学・研究室訪問の最大のメリットは、「質の高い候補者」を確保しやすいことです。特に理系採用や専門職採用では、研究内容と企業の技術領域をマッチングさせやすく、精度の高いリクルーティングが可能になります。大学推薦などとの連携によって、企業側の認知度が向上し、志望度の高い学生を集められる点も大きな魅力です。
また、学生との距離が近く、企業の雰囲気や仕事のリアルを伝えやすいため、採用後のミスマッチ防止にもつながります。特定分野に強い大学や研究室と関係構築を続けることで、毎年安定した母集団形成を実現できるでしょう。
デメリット
一方で、大学・研究室訪問は、新卒採用の母集団形成手法の中でもコストと工数がかかる点が課題です。開催までの調整や大学との関係構築、当日の運営まで含めると、採用担当者の時間的負担が大きくなります。
また、訪問先大学が限られるため、得られる母集団が偏りやすい点にも注意が必要です。特定の学部・研究室に依存しすぎると、採用対象が狭まり、結果として多様な学生層を取りこぼす可能性があります。そのため、学内セミナーを行う際は、他の母集団形成手法と併用し、ターゲット学生との接点を多面的に設計することが重要です。
新卒採用アウトソーシング(RPO)
新卒採用アウトソーシング(RPO)は、企業が自社の採用業務の一部または全部を外部の専門業者に委託する仕組みです。以下、新卒採用アウトソーシング(RPO)で母集団形成を行うメリット・デメリットを解説します。
メリット
新卒採用アウトソーシング(RPO)の最大のメリットは、リソース不足を解消でき、採用力を強化できることです。例えば、説明会運営や母集団形成、スカウト送信などをRPO企業が代行することで、採用担当者は戦略立案や面接などの「コア業務」に集中できます。
また、RPO企業は複数社の採用支援実績をもつため、学生の動向や効果的な訴求方法を熟知しています。これにより、採用ターゲットに応じた母集団形成が可能になり、採用スピードも向上します。新卒採用アウトソーシング(RPO)は、特に採用ノウハウが社内に蓄積されていない企業にとっては、即効性の高い打ち手です。
デメリット
一方で、自社の文化や採用方針が外部に伝わりにくい点には注意が必要です。委託範囲が広すぎると、学生とのコミュニケーションや選考過程で企業らしさが損なわれ、ミスマッチにつながる恐れがあります。
また、RPO導入には一定のコストがかかるため、短期的な採用数確保を目的とする場合には費用対効果が合わないケースもあります。RPOを有効活用するには、「どの工程を委託するか」を明確にし、社内で採用戦略の意思決定をしっかり持つことが重要です。
新卒採用の母集団形成を成功させるポイント
採用目的やターゲットの明確化など、成功には押さえるべき要点があります。ここでは母集団形成を成功させるポイントについて解説します。
なぜ新卒採用を行うのかを明確にする
母集団形成を進める前に、まず「なぜ新卒採用を行うのか」をはっきりさせる必要があります。慣例だからと続けていると、手法も内容も毎年同じになりがちです。
しかし本来は、自社文化を受け継ぐ幹部候補を育てたいのか、未経験の若手に新しい視点を持ち込んで組織を活性化したいのかなど、企業ごとに目的は異なります。採用の目的を社内で共有し、活動全体の軸を揃えることが成功の前提条件です。
採用ターゲットを明確にする
効果的な母集団形成には、どんな学生を採用したいのかを具体的に定めることが欠かせません。理想像を広げすぎたり、抽象的すぎたりすると、現実的な学生像から乖離してしまいます。
内定者や活躍している社員へのヒアリング、適性検査などのデータを参考にしながら、人物像を具体化することが有効です。その上で、学生が興味を持つ打ち出しやメッセージを設計すれば、必要な層からの応募を集めやすくなります。
母集団の目標値を決める
採用計画を確実に進めるためには、どれだけの応募者を集める必要があるかを数値で設定することが重要です。最終的な採用予定人数から逆算し、選考段階ごとの歩留まりデータをもとに必要な母集団規模を算出すれば、採用活動を計画的に管理できます。
数値化しておくことで、進捗が不足している段階を早期に把握でき、採用スケジュールの立て直しも迅速に行えます。
新卒採用媒体を駆使し、知名度を向上させる
優れた事業や企業文化があっても、知名度がなければ応募は集まりません。採用広報で発信内容を整理した上で、大手ナビサイトなど新卒向けの媒体を積極的に活用し、学生への認知度を高めましょう。
媒体は数ある候補者との接点を広げる役割を果たし、とくに大手ナビサイトへの掲載は知名度向上の後押しになります。広く認知されて初めて、自社を選んでもらう土台が整います。
新卒学生の動向を把握する
効果的に応募を集めるためには、学生がどのように就職活動を進めているのかを理解することが欠かせません。年度や業界によって就活の進め方や情報収集の仕方は大きく変わります。
内定者の行動や各種調査レポートを参考に、対象となる学生がどんな時期にどんな手段で活動しているかを把握しましょう。その上で、インターンや説明会の時期、発信するチャネルを調整することで、母集団形成の効果を高められます。
新卒採用の母集団形成における注意点
流行に流されず戦略的に取り組むことが重要です。ここでは母集団形成を進める際に注意すべきポイントについて解説します。
「トレンド=有効手法」とは限らない
新しい採用手法やテクノロジーは次々と登場し、注目を集めやすいですが、それが必ずしも自社に効果的とは限りません。重要なのは、その手法を導入する目的を明確にし、自社の採用目標やターゲット層との相性を検証することです。
就職サイトやインターン、学内説明会など、手法ごとの特性を理解し、適切に組み合わせることで、初めて成果につながります。流行に流されず、自社に合った手段を選ぶ姿勢が求められます。
母集団を増やすだけではなく、採用ターゲットにマッチしているかを意識する
母集団形成では、単に応募者数を増やすことよりも、採用ターゲットと一致しているかどうかが成功の鍵です。自社で活躍できる人物像を明確にし、その基準を選考に関わる担当者間で共有することが重要です。
その上で、学生が魅力を感じるメッセージや情報を発信すれば、応募者の質を高めやすくなります。数と質のバランスを意識することが、効率的かつ効果的な採用活動につながります。
【3選】ワンキャリアを活用して新卒採用の母集団形成を成功させた事例
最後に、ワンキャリアを活用して新卒採用の母集団形成を成功させた事例を3つご紹介します。自社の採用課題と照らし合わせながら成功事例を見ることで、何か良い解決策を発見できるでしょう。
小田急電鉄
小田急電鉄は、小田急グループ約70社の中核を担う企業で、東京や神奈川で鉄道をはじめとしたさまざまな事業を展開しています。
そんな同社は、多様な事業を展開しているにもかかわらず、「鉄道」のイメージが先行しすぎているという課題がありました。また、コロナ禍で就活の仕方が変わり、アクティブで優秀な学生との接点を持つことが難しくなったことも課題でした(※1)。
そこで、同社はワンキャリアを活用し、学生の認知を変容させることに成功しました。具体的には、「まちづくりに興味がある学生」に向けたイベントに参加したり、NTTドコモとベルク、小田急電鉄の3社でオンライン合同説明会を実施したりしました。
このようなイベントに参加することで、小田急電鉄の事業の幅広さや総合職のキャリアの幅広さを学生に伝えることに成功しました。その結果、「鉄道会社は堅いイメージがあったけど、小田急ならやりたいことに挑戦できる」と学生の認知を変えることができ、「入社後はこういうことをやりたい」と熱い思いを持ってエントリーしてくれる人が増えました。
小田急電鉄の事例は、単なる「数」の拡大ではなく、「質の高い母集団形成」へと進化した好例といえます。
(※1)参考:ワンキャリア「アクティブな学生と早期から接点を持てる。オンライン合説だから伝えられるメッセージで、“鉄道会社”のイメージを払拭した小田急の人材採用」
首都高速道路
首都高速道路は、首都圏の大動脈を建設・維持・管理するインフラ企業です。
同社は働きやすい環境を整え、社員もフレンドリーな方が多いのですが、そのことが学生には伝わっておらず、むしろ「堅そう」「男社会」といったネガティブなイメージを持たれていました。また、企業理解の面でも壁があり、学生からすると「首都高速道路の人たちって、黄色いパトロールカーに乗るのかな」「料金所の人かな」というイメージしかないようでした(※2)。
そこで同社は、採用広報における学生との認識ギャップを解消するためにワンキャリアを導入しました。具体的には、インフラ業界トーク(現:動画版業界地図「インフラ業界編」)に出演し、学生に首都高速道路の「ありのままの雰囲気」を伝えました。また、エントリー済みの学生に動画のURLを送って見てもらったり、インターンやイベントの合間にアーカイブを流したりしました。
その結果、同社は本選考のエントリー数を10%増やすことができました。また、企業研究をしてから選考に臨む学生が増え、応募者の質も高めることができました。
首都高速道路の事例は、母集団形成において重要な「認知から志望への転換」を実現し、採用の質と効率の両立に成功した好例です。
(※2)参考:ワンキャリア「『首都高のイメージが変わった!』 堅い印象を動画で払拭し、エントリー数が10%増」
電通デジタル
電通デジタルは、デジタルマーケティングの全ての領域に対する、コンサルティング、開発・実装、運用・実行を提供している企業です。
同社は2016年創業という比較的新しい企業であったことから、学生からの認知度が低く、採用予定数に対してエントリーの数が不足している状況でした(※3)。
そこで、100名超の採用をする上での大きな母集団を形成するために、ワンキャリアを活用しました。具体的には、「採用計画」というサービスで学生のクチコミを見ることで、自社が学生からどのように映っているかを確認し、それを新卒採用に生かしました。また、YouTube上で行う企業説明会に参加し、社員の「生の声」を伝えることで、今までタッチできていなかった学生層からエントリーを獲得することができました。
その結果、エントリーの数が2021年度から2022年度にかけて1.5倍増加し、その中でもデジタル志向の学生が多く応募するようになりました。さらに、ワンキャリア経由の学生が内定者の20%を占めたことから、マッチ度の高い学生の募集に貢献できたそうです。
(※3)参考:ワンキャリア「デジタル志向の学生求む!ワンキャリア経由で1,000人超、電通デジタルのエントリー数が伸び続ける理由」
おわりに
新卒採用における母集団形成は、単なる「学生集め」ではなく、企業の未来を形づくる重要なプロセスです。近年では、就職サイトやエージェントに加え、SNSやダイレクトリクルーティングなど、さまざまなアプローチ手法があります。だからこそ、トレンドに流されるのではなく、「自社がどんな人材を求め、なぜ採用するのか」という軸を常に明確に持つことが欠かせません。
新卒採用における母集団形成を成功させるには、「数と質の両立」が鍵です。多くの学生にリーチしながらも、自社との親和性が高い学生に効果的に訴求する戦略設計が求められます。その際、媒体の特性や学生の行動変化を踏まえたPDCA運用が重要です。
もし「どう母集団を作ればいいか」「採用活動を効率化したい」と感じたら、ワンキャリアのサービスを活用してみてください。自社の採用課題に合わせた支援を受けることで、戦略的かつ持続的な母集団形成を実現できるはずです。

