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新卒採用を実施するうえで重要な役割を担っているのが「インターンシップ」です。各企業はもちろん、日本社会においてもインターンシップの重要性は高まっている一方、実施企業の増加や同一期間での実施といった理由で競争が激しくなっています。インターンシップを成功させるためには、自社と学生に適したインターンシップの「形式」と「企画(課題)内容」を設定することが不可欠です。そこでこの記事では、インターンシップの基礎知識と代表的な課題について紹介します。
インターンシップを開催する目的

インターンシップは「新卒採用」につなげるだけでなく、様々な目的があります。まずは「なぜインターンシップを実施するのか」を明らかにして現場を含む社内関係者全員の共通認識とする必要があるでしょう。
目的が明らかになれば、適切な母集団の形成方法を選択しやすくなります。その際は自社の目的と学生のニーズも考慮しながら内容を設定する必要があります。
人材育成
若手社員がインターン生に業務を教えるほか、日報などの管理業務を担うことでマネジメント経験を積める貴重な機会になります。特に長期インターンではその傾向が強くなると考えられるため、自社だけでなくインターンシップの社会的な意義や目的も共有して運営を任せられれば、より俯瞰的に自社や自身の業務を捉えて棚卸ししやすくなるでしょう。
ミスマッチの防止と早期離職防止
学生に就業体験を通じて「入社後の仕事のイメージ」や「職場の人間関係・雰囲気」を実感してもらうことが、インターンシップの特に大きな目的の一つといえるでしょう。また企業にとっても勤務態度や人間性を間近で確認できるため、より高い精度で学生をチェックすることも可能です。その結果、企業と学生のミスマッチを防ぎ、費用・時間的なロスが大きい早期離職の防止につなげられます。
ブランディングと認知向上
インターンシップを「ブランディング」や「認知度向上」を目的で行う企業も少なくありません。特に短期間のインターンシップの場合、比較的少ない労力で学生の本選考の選択肢に加えてもらえる可能性があります。また、社会的に意義のあるインターンシップを積極的に開催して周知すれば、社会貢献に積極的な企業として認知が広がる可能性も考えられます。
インターンシップの主な内容
長期インターンシップ
長期インターンシップには自社の仕事を体験してもらう「体験型インターンシップ」とさらに長期で実戦形式となる「実践型インターンシップ」に大別できます。いずれも数週間~数カ月単位でインターン生とつながれるのが大きな特徴といえるでしょう。
短期インターンシップ
「1Dayインターンシップ」に代表される短期インターンシップは、産学協議会の分類に当てはめると「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」に該当するため、従来のようにインターンシップとは見なされにくくなります。また、取得した学生情報を採用活動に活用することも禁止されているので、しっかりとルールや指針を遵守したうえで実施する必要性が高いです。内容としてはセミナー、グループワーク、職場見学などが一般的です。
【関連記事】オープン・カンパニーとは?インターンシップとの違いや実施の目的やメリット・仕事体験との違いを紹介
インターンシップで実施する課題を企画するポイント

短期インターンシップであっても、学生に「学びの企画」を提供するのであれば課題の設定・企画が求められるケースは少なくありません。
インターンシップの成否を分ける重要な課題を企画するための4つのポイントを紹介します。
学生のニーズを踏まえる
学生がインターンシップに求めることを課題に反映することで、より満足度の高い企画をつくりやすくなります。学生がインターンシップに求める事柄としては「インターン先の企業・業種について理解を深めたい」「社会で求められる知識や感覚、スキルを知りたい」「インターン生同士で情報を共有したい」などが挙げられます。
このようなニーズをあらかじめ把握し、自社や業種の理解をより深めてもらうために現場社員からのフィードバックや質疑応答の機会を設けるなど、学生目線で企画を考案する必要があるでしょう。
学生が主体的に参加できる課題を設定する
1Dayインターンシップなどの超短期のインターンシップでは、企業が一方的に自社の説明に終始してしまうケースが少なくありません。
インターンシップはあくまで「学生が社会を学ぶ機会」であるため、会社説明会と差別化しなければ学生のニーズに応えることは困難です。そのため、インプットだけではなく言葉や文字、資料作成などを通じて積極的にアウトプットを図れる企画が望ましいでしょう。
また、学生が主体的に参加できる企画であれば、個々の学生の「課題の向き合い方」や「思考力」、「スキル」などの把握につなげられる点も大きなメリットです。
【関連記事】新卒向けインターンシップの企画の流れと印象UPにつなげるコツ
社員との接点をつくる
インターンシップを企画する際は、人事部だけでなく学生が「知りたい情報」により近い現場社員に協力を仰ぐことが大切です。
説明の登壇、中長期インターンシップの指導係、成果物や課題に対するフィードバックなどポイントは多岐にわたりますが、より多様な質問・相談に対応できるよう、若手やベテランまで幅広い社員を集めるのが望ましいでしょう。
他社のインターンシップの内容と差別化を図る
インターンシップを企画するうえで、他社と差別化を図るための「独自性」の確立は不可欠です。特に中小企業やベンチャー企業でインターンシップの内容がありきたりの場合、企業の規模や知名度などに勝る同業他社や同じ期間で実施する大手企業のインターンシップに学生の興味を奪われてしまう可能性が高まります。
ただし、インターンシップの内容はクローズドなケースが多いのが難点です。
一方、ワンキャリアが提供する新卒採用支援システム「ワンキャリアクラウド」の主要サービス「採用計画」のように学生の口コミから他社のインターンシップの内容を調査できるツールも提供されているため、企画する際に活用して自社ならではの企画立案につなげることもできます。
インターンシップで実施する課題の例

インターンシップで実施されることが多い6つの課題を紹介します。インターンシップの期間、参加する学生の人数、自社の規模や業種などを反映して自社ならではの企画に落とし込みましょう。
新商品の企画
新商品、新規プロダクトの企画立案はインターンシップで実施することが多い企画です。複数の学生でチーム組み、グループワークで実施するケースが一般的です。
グループワークでは、情報共有・アイデア出し・意思決定といったビジネスシーンで欠かせないミーティング(会議)を学生に学んでもらうことが可能です。さらに発表の機会を設けることで、アウトプットの場も創出できます。
自社が取り扱っている商材だけでなく、学生がよりイメージしやすいBtoC商材など分かりやすい身近な商品カテゴリーで課題を設ける企業も少なくありません。
新規事業の立案
新規事業、新規プロジェクトの立案には、既存の事業や考え方にとらわれない発想や考え方が求められます。
そのため、文系・理系や学部を問わず多様なバックボーンの学生をインターンシップの対象にでき、より大きな母集団を形成しやすいのが企業側にとっては大きなメリットになるでしょう。また、新商品と同じくグループワークが中心となります。
マーケティング戦略の立案
自社のサービスや商品のマーケティング戦略を立案するインターンシップでは、様々なフレームワークを用いてより利益を拡大する方法を模索します。
課題設定、指標調査、製品調査など行い、戦略を互いに発表して議論する「グループディスカッション」を設けることで学生同士の意見交換の場を設けやすいのもメリットです。
マーケティング領域の知識の差については、あらかじめターゲットの学生を絞るほか、事前に資料などを提供するなどして平準化を図る必要があるでしょう。
事業計画の考案
経営・事業計画の考案もインターンシップで課すケースもあります。将来、起業を目指している学生にとっては貴重な学びの場になるでしょう。
また、裁量権の大きいベンチャー企業にとっても、向上心が高く積極的に業務の幅を広げてくれやすい学生に興味を持ってもらいやすいというメリットがあります。
成長している企業・業界の分析
新規商品や新規事業などの課題で必要な「競合他社」や「他業界」の成功要因の分析に焦点をあてたインターンシップもあります。他の企画と比べるとシンプルで管理しやすいうえ、比較軸などで個々の学生の視点を参考にできるのがメリットです。
自社が抱える課題についての対策立案
自社が抱える課題を提示し、その対策を募るインターンシップも組織内では生まれにくい第三者の意見を入手できる貴重な機会になるでしょう。
また、対策を練るには企業のことをしっかりと理解する必要があるため、自社を学生により深く理解してもらいやすいと考えられます。
企業と学生の双方にメリットのあるインターンシップを実施しよう

インターンシップの課題と具体的な企画の例について解説しました。
インターンシップに求められる最適な内容は、企業・学生の双方のニーズに応える必要があります。その条件は業界、企業ごとに異なるのはもちろん、社会的な時流によっても違いがあるため、毎年、しっかりとリサーチして企画に反映し続ける必要があります。
ワンキャリアクラウドの「採用計画」のように、精度の高い情報を効率的に収集できる体制を構築することが、長期的なインターンシップの運営には欠かせないでしょう。

